夏場の好ターゲットとなるテナガエビ。食用目的で狙う方が大半だと思いますが、今回は飼育に関してのポイントを解説します。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース関東版編集部)
飼育のポイント3選
最後に飼育のポイントを3つ説明します。
1.単独飼育が望ましい
先述したとおり、テナガエビは獰猛な性格で強い縄張り意識を持っています。うっかりエサをやり忘れると空腹状態になってしまい、共食いをしてしまうことも。特に長い期間自宅を空けることがある方は1匹のみに絞って飼育するのがオススメです。
筆者は飼育時に狭い水槽に複数匹を入れてしまい、一匹また一匹と姿を消していくという苦い経験があります。複数匹飼っても最後に残るのは最も強い個体のみ。欲張らずに1匹のみ飼育するほうが飼育はしやすいです。
他の魚との混生も可能ではありますが、テナガエビに捕食されやすい小型魚は避けるのが望ましいです。ちなみに筆者はマハゼとの混生を試みたことがありますが、数日後にはマハゼの姿が消えていました。
2.与えるエサ
主にスーパーなどで購入した「魚の切り身」を小分けにして与えるのがオススメです。冷凍しておくと保存も可能。魚肉ソーセージ、カニカマなども問題なく食べるのですが、食品添加物が含まれているためオススメはできません。
ヌマエビ用などの人工エサも市販されていますが、釣ったテナガエビは慣れるまでに少々時間が掛かる場合があります。
エサを与える頻度は朝・夜の1日2回でOK。夜行性のため夜のエサの量を少し多めに与えてあげましょう。また、テナガエビもグルメなのか食べ残しをすることが多いです。古くなったエサはスポイトなどで取ってあげてくださいね。
3.病気対策
テナガエビも生き物。病気を避けるためにも日々の観察と環境づくりをしてあげましょう。そのために必要なのが頻繁な水の入れ替えと、脱皮の状況のチェックです。
テナガエビは比較的水質が汚い場所でも生きることができます。しかし、あまりに水を放置しすぎると藻やカビが生えてしまい、感染症を起こしてしまうことも。3匹を同時飼育した時の写真ですが、1週間もするとこのように水が濁ってしまいます。
ろ過装置があると水替えの頻度も減って便利です。飼育数にもよりますが、2週間は水替えをしなくても大丈夫だと思います。
また、テナガエビは月に複数回脱皮を行います。通常だと綺麗に脱皮をするのですが、稀に古い皮が残る場合があります。 観察すると分かるのですが、体面に色の違いが出ている時が脱皮がうまくいっていない状態です。古い皮膚が残るとそれを原因とした病気になる場合も。 脱皮不良の要因としては、低温過ぎて動きが鈍化していることが考えられます。20℃前後がテナガエビの適水温とされているので、その温度を目安に調整してみてくださいね。
食べても美味しいテナガエビ。愛着が湧くと食べ辛くなるのが難点ですが、ペットとして愛でるのも面白いですよ。
<田口/TSURINEWS編集部>