投げ釣りの主なターゲットはキスとカレイ。夏と冬にシーズンが大別されるが、例年4月に入ると開幕するのが、産卵明けの荒食いで接岸するカレイだ。『花見ガレイ』とも呼ばれる春の投げカレイを解説したい。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版 長谷川靖之)
カレイを狙うときのエサ
カレイは肉食性の魚で、自然界では主にアサリなどの貝類、ゴカイなどの多毛類を摂餌している。投げ釣りの場合、キャストした時のエサ切れを防ぐためにアオイソメやイワムシなどの多毛類を使う場合が多い。
近年エサの値段が高くなっており、一日で3本のサオを使う場合、アオイソメだと3千円分くらい、イワムシだと5千円くらいが目安になる。もちろん両方のエサを購入してもいい。アオイソメは1本のハリに3~5匹を房掛けにすることでアピールできるし、イワムシは5cmくらいにカットして、ハリスまでたくし上げるようにするとアピール度が高まる。
カレイの釣り方
カレイを釣るときの留意点を2点紹介する。1つは時合いの捉え方だ。カレイは目の前にエサが漂っていても、時合いにならないと捕食行動をとらない。カレイの時合いの見極めは難しく、潮の動き始めなどの「変化のタイミング」とよく言われる。
確かにそのセオリー通りに時合いが訪れることもあるが、必ずしもそうではなく、きれいな潮目が消えて干潮の潮止まりで、全く海に変化のないときに突然捕食スイッチが入る経験を何度もしている。
カレイ釣りの場合は、一日その場所で粘る覚悟で釣りをすることが大切で、2~3時間やって釣れないからといって場所を変わっていては、なかなかカレイの顔を拝むことは難しい。
もう一点はポイントの見極めだ。カレイは群れで行動する性質があり、1匹釣れたらその周辺には何匹かのカレイが固まっている場合が多い。そのスポットは非常に限定されており、海底に変化がある場所であるケースが多い。
昨年の春、福島県いわき市小名浜港に釣行した時、午前中は全くアタリがなかったのに昼すぎに突然時合いが訪れた。しかし4本並べたサオのうち、カレイが釣れたのは右側の三脚の2本だけで、少しポイントを変えたサオには全くカレイは釣れなかった。この時は1時間ほどの短い時合いで40~48cmのマコガレイを4匹釣ることができた。
このようなカレイが集まる場所は、港湾工事などで地形の変化がない限り毎年変わらないので、このような場所をどれくらいたくさん知っているかが、カレイ釣りでコンスタントに釣果を上げるコツといえるだろう。季節は春。うららかな陽気の下で思い切りフルキャストし、春の大型花見ガレイを狙ってみてほしい。
<週刊つりニュース中部版 長谷川靖之/TSURINEWS編>