オオモンハタやキジハタ(アコウ)をはじめ、タケノコメバルやクロソイ、アイナメなど、大型のロックフィッシュを狙ったゲームは攻略に知恵が必要でファイトもスリリング。今回、オリムピックのスタッフと訪れた三重県尾鷲市の磯での実釣とともに、大型のロックフィッシュを手にするためのタックル選びのキモについて紹介したい。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部本社・五井貴矢)
磯のロックフィッシュゲーム
磯のロックフィッシュゲームは、港湾部や漁港周辺と比べると、パッと見ただけではポイントが分かりにくく、水深が深くて潮流も速いなど攻略に技術が必要。しかし、大型個体と出会える確率が高く、場荒れしていなければグッドサイズが連発なんて体験も夢ではない。
あこがれの大型ロックフィッシュ(提供:週刊つりニュース中部本社・五井貴矢)三重県尾鷲の磯へ
今回は、三重県尾鷲市にある沖磯(厳密には陸路がない磯)を舞台にアカハタやオオモンハタのほか、ちょっと寄り道して小型回遊魚も狙った。
実釣を担当するのは、オリムピックの前神さんと奥戸さん。ヘビージグヘッドリグをメインに、ジグなども用いて攻略する作戦だ。磯への渡礁は尾鷲港から出船している大ちゃん渡船 武丸にお世話になった。
お世話になった大ちゃん渡船(提供:週刊つりニュース中部本社・五井貴矢)フィールドの状況
午前5時に出船。向かったのは、尾鷲湾口からさらに南西に位置する立神~ヨゴマ半島の区域。足下から深く、キャストで届く範囲の水深が十数mから20m超の磯が続く。大型のオオモンハタやアカハタにとって理想的な住処だ。
モンスターが潜む尾鷲の磯(提供:週刊つりニュース中部本社・五井貴矢)使用タックル
渡礁後2人はスタンバイを進める。ルアーはスイミング系ワーム(コアマンのVJ28g)や、30gのジグヘッドにカーリー系グラブをセットし、海底の変化に沿ってスイミングやリフト&フォールで探っていく作戦だ。
タックルは前神さんが今夏発売されたばかりのオリムピックの対モンスターロックフィッシュロッドTIRO(ティーロ)MR 25GTIRS-832H-MRにスピニングリール5000番。奥戸さんはTIRO(ティーロ)MR 25GTIRS-812MH-MRに同クラスのスピニングリールで、ともにメインラインはPE1.5号、リーダーは20lbだ。
今回使用したティーロMR(提供:週刊つりニュース中部本社・五井貴矢)ティーロMR
ティーロMRは、大型ロックフィッシュに照準を合わせたロッド。重量級のジグヘッドリグやテキサスリグのほか、ジグによるゲームも想定した設計。多様なゲームに対応した同社のロッドであるティーロシリーズの設計思想を受け継ぎ、足場の低い場所でジグを投げる回遊魚ゲームなどもこなす汎用性も備えている。
今回使用したモデルの一つ832H-MRは、60gまでのルアーやリグをキャストでき、PE2号までのラインに対応。深場や根の荒い場所で大型ロックフィッシュを狙うのに適するほか、ジグを用いた攻略にもおすすめだ。
魚を制御しやすいファストテーパー(提供:週刊つりニュース中部本社・五井貴矢)もう一方の812MH-MRは、42gまでのルアーのキャスト、PE1.5号までのラインに対応。いわゆるヘビーロックフィッシュゲームのオールラウンドモデルで、様々な条件のフィールドやメソッドで活躍するスペックを備える。
このほか、782M/MH-MRというピンポイントキャストや繊細な操作に適したややライトなモデルもあり、こちらはキャストウェイトMAX35g、PE1.5号までのラインに対応する。
なお、いずれのモデルもファストテーパーで、精度を意識したキャストや、バットパワーを活かしたファイトをこなせるほか、グリップには様々な握り方でフィット性が良く、力を込めた握り込みもしやすい同社独自のリールシートOP-02を採用している。
握りやすく操作性も高いグリップ(提供:週刊つりニュース中部本社・五井貴矢)開始直後からビッグヒット
ポイントの地形は変化に富んでおり、キャストが届く範囲で十数mへと落ち込んでいく地形になっている。このような場所ではメタルジグ単体での攻略も適しており、40~60gのジグがあれば、広くかつ効率よく探れるだろう。
ゲームを開始してしばらくすると前神さんにヒット。強靭な832H-MRの曲がりっぷり、そして重量感から、おそらく40cmを超えていそうだ。前神さんはポンピングでグイグイと寄せていく。
海底は沖から足元に向かって急斜面の岩壁のようになっているが、グラファイトロッドならではの頑強で復元力にすぐれたバットは、このビッグワンに付け入る隙を与えなかった。
いよいよ浮くぞと楽しみにしていたそのとき、痛恨のバラシ……。おそらく大型のオオモンハタではないだろうか。
ビッグサイズがヒット(提供:週刊つりニュース中部本社・五井貴矢)オオモンハタ
大きなものは50cmを超えるハタの仲間で、ロックフィッシュの中では遊泳力が非常に高く、中層まで進出してエサを食うほか、小魚を求めて積極的に回遊するアクティブなハタだ。
ゆえに、この魚を狙うときはボトムから中層までをヒットレンジに想定し、ワームのスイミングのほか、10mを超える深場ではジグによる攻略も有効。今回渡礁したフィールドでは、ジグをメインウェポンにしているアングラーも多いとのことだった。
オオモンハタ(提供:PhotoAC)

