オオモンハタやキジハタ(アコウ)をはじめ、タケノコメバルやクロソイ、アイナメなど、大型のロックフィッシュを狙ったゲームは攻略に知恵が必要でファイトもスリリング。今回、オリムピックのスタッフと訪れた三重県尾鷲市の磯での実釣とともに、大型のロックフィッシュを手にするためのタックル選びのキモについて紹介したい。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部本社・五井貴矢)
気を取り直して良型アカハタ
痛恨のバラシから少し経過したころ、今度はカケアガリに沿ってボトム付近を攻めていた奥戸さんにヒット。ヒット直後に穴に逃げ込まれたが、引っ張り出してからは一気に寄せる。再び岩の間に逃げ込もうとする相手を、何度も底から引き離すように素早いポンピングをくり返して無事ランディング成功。良型のアカハタを手にすることができた。
ナイスなアカハタをキャッチ(提供:週刊つりニュース中部本社・五井貴矢)このときのファイトも、海中にそびえる岩壁に沿って相手を寄せてくるような状況だったが、奥戸さんが手にするティーロ782M/MH-MRのバットは、隙あらば岩の壁に逃げ込もうとする相手をよく制御し、海面まで導いてくれた。
アカハタを一気に浮かせる奥戸さん(提供:週刊つりニュース中部本社・五井貴矢)大型ロックフィッシュとのファイト
ショアから狙えるロックフィッシュのうち、特に大きくなるのがオオモンハタやキジハタ(アコウ)、クロソイやアイナメ。これらはときに50cmを超えるサイズもヒットする。
ボトムや根周りで食ったロックフィッシュは、捕食と同時に反転して底に戻ろうとするため、ロッドがお辞儀してしまうと、リールを巻きだすころには根に入っている…なんてこともしばしば。ゆえに、フッキングと同時に反転中の相手を無理やり方向転換させられるぐらいの強いロッドを用いる必要がある。
一方で、中層まで進出して小魚を食っているオオモンハタやキジハタ(アコウ)を相手にする場合は、食わせた直後は人間にとって有利。しかし、防波堤ならともかく、磯やゴロタ場は寄せてくる途中でどんどん浅くなるため、ファイト中に根に入られるリスクが高くなる。
また、カケアガリの向こう側がフィーディングゾーンの場合も寄せている過程で根ズレリスクが高まる。このため、短時間で魚を浮かせ、二度と潜らせない力技で攻めきる必要がある。
ボトム攻略とロッド
今回キャッチしたアカハタは、ランディング直後にカニを吐き出した。ロックフィッシュにとってカニは安定してありつける日常食。小魚が少なく、甲殻類に注意が向いている個体を狙うには、小まめなボトムタッチが欠かせない。
潮流が速かったり、風波があるときは重いシンカーを用いてボトムを逃さない釣りを心掛けていく必要がある。
波のある日はカニも岩から落ちやすいのでなおのこと。このことから、自身が通うフィールドをタフな条件下でも探りきれる最大ウェイトのシンカーやルアーの操作を十分こなせるスペックのロッドを選ぶことが必要だ。
後半も順調に釣果を追加
さて、話を実釣に戻そう。ロックフィッシュを狙っている最中、海面で小魚が追われたり、ワームをシオ(カンパチの若魚)が追ってくる姿が見られた。
そこで、前神さんがジグをキャストし、ボトムから表層までを探るとすぐにヒット。小型のシイラをキャッチした。ハタ類が生息するような水深のある磯や堤防では、夏から秋にかけ、こういった回遊魚と遭遇することもしばしば。
ジグをキャストしシイラもキャッチ(提供:週刊つりニュース中部本社・五井貴矢)ジグのキャストや操作、走る魚とのファイトもこなせるティーロMRは、こういった状況でも活躍する。
移動してすぐにオオモンハタ(提供:週刊つりニュース中部本社・五井貴矢)その後、一度磯変えを行い波静かな尾鷲湾寄りの磯へ移動。こちらも水深があり潮もよく流れていたので、リグ、タックルともにそのままで釣りを開始。
ここでは、前神さんが25cm前後のオオモンハタやアカハタをキャッチ。先ほど対戦していた相手と比べると小さな魚だが、バイトを弾くことなく着々と釣果を追加することができた。
アカハタを追加(提供:週刊つりニュース中部本社・五井貴矢)磯のロックフィッシュゲームの魅力
さて、今回の釣行を経て強く感じたのは、磯というフィールドの魅力。港や内湾に比べて平均サイズがずっと大きく、モンスター級との遭遇確率も高い。とりわけ、渡船利用が必要な沖磯などは場荒れが少なく、水深もあってフレッシュな魚の往来も激しい。特にオオモンハタやアカハタを狙うには好適な条件が整っている。
大型ロックフィッシュに憧れている人は、ぜひタックルを強化し、磯というフィールドにチャレンジしてはいかがだろう。なお、スパイクシューズやライフジャケットなど安全のための装備は必須なので抜かりなくご準備を。
今秋の尾鷲の磯での釣果の一例(提供:大ちゃん渡船)<五井貴矢/週刊つりニュース中部版編集部>

