水産庁は令和6年度の8月5日(月)〜9月30日(月)の間、クロマグロの採捕禁止を発表した。この採捕禁止措置は、クロマグロ資源の保護と持続可能な利用を目的としたものだ。この記事では、今回のクロマグロ採捕禁止に至った経緯とクロマグロ遊漁におけるルールにも触れていく。
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9月末までクロマグロの遊漁禁止
水産庁は、令和6年度の8月から9月にかけてクロマグロの採捕を禁止した。次回の解禁は10月1日を予定している。
上限7トンには未達
8〜9月の時期別採捕数量の上限は7トンであった。現時点での採捕はそれを上回っていない。なぜ今回は禁漁が早まったのだろうか。
禁漁発表の理由
今回の禁漁について水産庁は、「これまでの実績や今後の積み上がり等を見通すと、8~9月の採捕数量7トンを超える恐れがあるため」としている。
また、4月〜7月までのクロマグロの採捕数量も関係しているのだろう。水産庁HPによると、令和6年度のクロマグロの採捕実績は以下のとおりである。(令和6年7月24日14時30分時点)
・4~5月:8.2トン
・6月:8.8トン
・7月:10.2トン
・8月:0.5トン(8月2日15:00時点)
4〜7月の採捕数量は合計すると27.2トン。令和6年度は、全体の採捕数量が40トンを超える恐れがある場合、令和7年3月21日までクロマグロが採捕禁止となることが公示されていた。
今年はいずれの時期も採捕上限を上振れしており、今後の採捕数量によっては、10〜12月の解禁期間中に今年度のクロマグロの採捕が禁止となる可能性が高かった。以上の背景から、通常よりも早く禁漁を実施する調整をしたと考えられる。
時期別採捕数量とルールについて
クロマグロ遊漁のルールを簡単にまとめると以下の通りとなる。
・小型魚(30kg未満)は採捕禁止。釣れたら直ちにリリースすること。
・大型魚(30kg以上)のキープは1人1日1尾まで。1尾キープした後に別のクロマグロが釣れたら、後に釣れたクロマグロは直ちにリリースすること。
・遊漁者は、キープしたクロマグロの重量・海域等の情報を採捕してから3日以内に水産省へ報告すること。
・採捕数量が以下の時期ごとに設けられており、数量を超えるおそれがある場合、その時期中は採捕禁止になることが公示される。
・採捕禁止期間中は、クロマグロを狙ってのキャッチ&リリースを前提とした釣りも禁止。他の魚を狙って釣りをしていてクロマグロが釣れた場合、直ちにリリースすること。
<TSURINEWS編集部>