四季折々、様々な魚と出会うことが出来る「最高の趣味」と呼べる釣り。「これから釣りを始めてみたい」と思うあなたは、「最初にどんな竿を買えばいい?」と迷ってはいないだろうか。また、初心者を釣りに誘いたいあなたは、「どんな竿を用意するのがいい?」と悩んではいないだろうか。今回は、長年様々な釣りを楽しんできた著者が初心者にオススメしたい「シーバスロッド」の魅力について紹介しよう。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター荻野祐樹)
求められる性能
まずは「初心者向け竿」に求められる性能を詳しく見ていこう。
丈夫さ
初心者のうちは、竿の扱い方もよくわからないはずだ。何をおいても、丈夫でなければ話にならない。ここはやはり「多少雑に扱っても折れにくい竿」をオススメしたい。
コスパ
「この先何年釣りを続けるかわからない」という方も多いはず。そんな方に「すごく良いから」と数万円もする高級竿を買わせるわけにはいかない。そして釣りは、竿以外にも多数の出費がある……と考えると、竿に充てられる予算は1万円以下だろう。敷居を低くするためにも、可能ならば数千円程度が望ましい。
軽さ
いくらコスパが良くても、ズッシリ重たい竿だと持つだけで疲れてしまう。集中力が長続きするように、可能な限り軽い竿がオススメだ。
釣り方の豊富さ
どれだけ軽くて安い竿であっても、釣り方が特定の釣りに特化したもの(穴釣り竿等)は少々オススメしにくい。やはり「初心者向けの様々な釣りを楽しめる竿」が最もオススメとなるのだ。
著者のおすすめ、シーバスロッド
では、どんな竿が初心者にオススメとなるのか。著者は真っ先にシーバスロッドを推したい。その理由を見ていこう。
軽くて丈夫
シーバス(スズキ)は、平均サイズが40cm~60cm程度で、最大体長は80cm~1mに達する大型魚だ。そんな魚のパワーに耐えられるよう造られたシーバスロッドは、ラインを通すガイドや穂先がしっかりしており、丈夫に出来ている。その上、シーバス用ルアー(3g~50g程度)を操作してもアングラーが疲れにくいよう、ある程度コシがあって柔らかく、軽い仕上がりとなっている。
コスパ
上位モデルとなると数万円する物も多いが、有名メーカーから発売されているエントリーモデルは数千円で入手可能だ。釣具店のセールを狙えば6000円ほど、ライン付きリールとセットでも1万円程度で購入することが出来る。
あらゆる釣り方に対応
シーバスロッドには硬さ・対応できるルアーのウェイトが存在する。一般的なクラスであれば10g~30g程度のルアーに対応しているが、中には3gから対応している柔らかいものや、50gまで対応している硬めがある。初心者にオススメしたいのは、標準的な30g程度まで対応するタイプだ
シーバスロッドで楽しめる釣り方紹介
ここでは、シーバスロッドで楽しめる釣り方を紹介しよう。
サビキ釣り
一般的なシーバスロッドなら、初心者向け釣り方の代表格であるサビキ釣りは勿論OK。一般的なアミカゴ(小)の重さは約20g~30gで、アミエビを詰めてもシーバスロッドで対応できる重さの範疇だ。勿論、ウキをつけたウキサビキも、シーバスロッドはガイドが大きいためにウキ留め糸が引っかかることが無く、ラインと共にスムーズに出ていく。実に快適だ。
チョイ投げ
キス・ハゼといった小物が釣れるチョイ投げ釣りのオモリの重さは、3号(約11g)~8号(30g)程度。これはシーバスロッドのスペックにピッタリだ。また、シーバスロッドは元々ルアーのキャストに特化した竿なので、チョイ投げ用のオモリも非常によく飛ぶ。慣れれば5号のオモリで60m程飛ばすことが出来、実に気分爽快だ。
ウキ釣り
アジやサヨリ、メバルの他、グレやチヌといった対象魚はウキ釣りやフカセ釣りで狙うが、これらの獲物もシーバスロッドで対応出来る。小さなオモリを用いた繊細なウキ釣りは難しくとも、1号程度のオモリとウキや、サヨリ用のカゴ+ウキ仕掛け程度ならば問題なく楽しむことが可能だ。
探り釣り
堤防回りを探り歩き、メバルやカサゴ・カワハギといった魚を釣る探り釣りも、竿の感度が良いシーバスロッドなら快適に楽しむことが出来る。ちょっとした大物がヒットした際、持ち前のパワーで対処出来るのもシーバスロッドの強みだ。
ノマセ釣り
サビキ釣りで確保した小魚を餌に使用して、大型フィッシュイーターを狙えるノマセ(泳がせ)釣りも、シーバスロッドで楽しめる。ヒットする魚がフィッシュイーターなので、ノマセ釣りこそシーバスロッドが本領を発揮する釣りと言える。
タチウオ釣り
夜釣りで狙う代表魚種であるタチウオも、シーバスロッドと大変相性がいい。代表的な釣り方である電気ウキ釣り、引き釣り、どちらも問題なく対応可能だ。
エギングやルアーも
著者が子供の頃はまだエギングという釣り方が体系化されておらず、当時はシーバスロッドでエギングを楽しんでいたぐらいだ。また、本職であるシーバス狙いのルアーフィッシング、軽いメタルジグを使ったショアジギングも楽しめるし、柔らかいタイプであれば3g程度のスプーンを使用するエリアトラウトまで楽しめてしまう。
シーバスロッドの可能性は無限大
著者は高校生になった頃、誕生日に父親から「欲しい竿を買ってやろう」と言われ、シーバスロッドを買ってもらった。そこからは釣りの幅が一気に広がり、ノマセやショアジギでの大物狙いから、キス・カレイ狙いのチョイ投げ、フカセ釣り、エギングと、全てをシーバスロッド1本でこなしてきた。特に不便もなく、実に様々な釣りに対応できるポテンシャルに、大変驚いたものだ。
あれから20年以上たった今でも、著者は海釣りの際に必ずシーバスロッドを1本持参している。これさえあれば本当に何でも出来るので、最初の1本として、是非シーバスロッドを選んでみてはいかがだろうか。
<荻野祐樹/TSURINEWSライター>