第42回のテーマは「流れ川で宙のヒゲセット」。触るのに落とさない時の特効薬はタナのエレベーター。それは流れ川であっても有効だった。
(アイキャッチ画像提供:週刊へらニュース編集部 関口)
大堀川河口東岸で宙のヒゲセット
駐車場があって、そこからポイントも近い。足場もよくてサッと釣り台を設置できるので、半日釣行や夏の夕方に短時間でも遊べる。今回のテーマに合わせて吉田が選んだ千葉県柏市を流れる大堀川河口東岸は、まさにそのような釣り場だ。
さすが自分からイチ押ししてくるだけのことはあって、流れ川なのに宙でよく釣れる。しかも両ダンゴじゃなくトロ巻きってところが、また面白いよ。
「数号前にも話しましたが、両ダンゴでも釣れるんです。ですが不思議とトロ巻きセットのほうが型がいいので、ここに来るとついついこの釣りをやってしまうんです」
確かに今のところは型がそろっている感じだよね。でもまだ数枚じゃない。それに開始時ほどは触っても落とさなくなってきたみたいだし。
「魚はいるんですよ。触りも出てますから」
何とかしないと!
食わない時の特効薬
いるのに食わない時の特効薬として吉田がこの川で多用するのが、タナのエレベーターだ。開始時からここまではタナ1本(水深約1.2m)を狙ってきたが、ここからどうタナを動かそうと言うのか。
「よくやるのがウキ全長1本分ずつの上下ですね。今回は底近くから始めたので、ここからはタナを浅くする方向に持っていきます」
ウキ1本分ということは約20cmずつかな?
「そうなります」
なぜ一気に浅くしないの?
「水深が浅いからでしょうか。これが5mも6mもある釣り場なら、竿1本分とかでもいいのでしょうけど」
なるほどね。それは道理だわ。
「でも真夏ならカッツケ(セミカッツケ)から一気に底付近まで下げたり、その逆もやったりします」
季節(水温)も関係するわけね。
「はい。あとタナを上下させる時、直後の第1投は要注意ですね。乗る乗らないはともかく、高確率でアタりますので」
アワセ方のコツ
ウキ1本分ウキ下を浅くして投じた1投目、ウキが立った直後に受けが出たものの、そこからはスーッとナジみきってしまった。タナがもっと高いのかと思われたが、微弱の触りが出ていたので構えながら待っているとトップが勢いよく消し込んだ。
いわゆるヒゲ特有の引ったくるような消し込みに思わずアワセに力が入りそうだが、吉田はかなりソフトにシュッと竿を立てただけ。
「ビシッと音が出るようなアワセは禁物です。まあ、ついつい力が入ってしまう時もあるんですけどね」
流れ川のヘラは総じて引きが強い。しかも今回はハリスが短いヒゲトロだから、太めのハリスだからと油断していると簡単に切られてしまうこともあると言う。でも食っていれば止まるでしょ?
「止まらなかった魚に対してあれは食っていた、などと断言はできません。しかし、いいアタリでヒットしてそれでもなおハリスを切っていく魚がここにはいるということなんです」
なるほどね。ゆえにアワセのショックをなるべく与えないように、ソフトにアワせるように心がけている。そういうことだよね?
「はい。あと取り込み時に手前の矢板でラインがこすれないように注意も必要です」
そういえば、釣り座から3mほど先が一気に深くなってそこに鉄板が差し込まれているよね?
「はい。その際で潜られてしまうと鉄板の角にラインが当たってしまうことがあるんです。ですからなるべく沖で浮かせて、そこからは一気に手前まで引き寄せます」
なるほど。言われてみれば確かにそうだね。