全国各地で人気がある船でのアジ釣りは、使う仕掛けの種類もLTアジ・ビシアジ・サビキ・胴付きなど多種多様です。今回はそんな船でのアジ釣りの仕掛けについて、仕掛けごとの特徴や使い方のコツ、おすすめの市販仕掛けなどを紹介していきます。
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船でのアジ釣りの仕掛け
船からエサ釣りでアジを狙う場合、出船地域や船宿によって様々な狙い方があります。オマツリなどのトラブル防止のため、仕掛けは必ず乗る船のルールに合わせるのが鉄則です。
今回はそんな船でのアジ釣りに使われる仕掛けの種類を紹介していきます。まずはアジ釣りの仕掛けに共通した部分から解説しましょう。
船アジ釣りの針
船でのアジ釣りではヒネリありのムツ針がよく使われます。9~10号前後を使い、大型狙いでは11~12号まで使用します。その他、ムツ針とは違った作りのアジ専用の針も市販されていて、使い分けることで釣果に繋がることがあります。
また、潮色などの状況によっては針の色や、加工によって反応が変わることも。スタンダードは金か銀で、濁り潮は緑、澄み潮なら赤系、水深や天気など光の加減次第ではケイムラが効くと言われています。
仕掛けの装飾
装飾はチモトに夜光玉やケイムラ玉を付けると、針の色同様に潮色などによっては効果があります。ただ、なくても問題はありません。
船アジ釣りのハリス
ハリスの太さは活性によっては釣果に直結する部分です。アジの活性が低い状況では、太いハリスだと目に見えて食いが悪くなることも。ハリスの号数はフロロカーボンライン1号から3号程度を中心に使い分けます。
こちらは仕掛けの種類などにもよってくるので、仕掛けごとに紹介していきます。では、各仕掛けごとの特徴や仕掛けの使い方のコツなどを解説していきましょう。
LTアジ
東京湾で出船しているLTアジはビシと呼ばれる網カゴを付けた天秤に、長さ1.8~2mくらいの仕掛けを接続し、コマセに仕掛けを同調させて釣ります。
LTはライトタックルを意味し、軽いタックルを使うのが最大の特徴です。20~30mの浅場を中心に攻めるので船アジ釣りの中でも初心者にも釣りやすい釣り方となります。
LTアジのタックル
ロッドは1.5~2m程度のLTアジ専用ロッドや、オモリ負荷30~40号ほどの汎用ライトゲームロッド、マルイカ竿など。
調子は口切れ防止の胴調子の竿から、高感度で操作しやすい先調子の竿まで幅広く使われます。リールは小型のベイトリールを使い、船宿指定の1~2号程度のPEラインを巻きます。
LTアジの天秤
腕長20~25㎝程度のものを使用します。腕の形状は弓型と、千鳥型などストレートなものがありますが、繊細なアタリを感じやすいストレート型がおすすめです。
ビシは40号が基本となり金属ワイヤー製のビシが一般的。一部プラビシの製品もあり、こちらは目詰りしにくく、釣行後に洗うのが簡単です。
クッションゴムは必要?
クッションゴムとは天秤と仕掛けの間に介するゴム状の釣具です。口が切れやすいアジの口切れ防止に有効ですが、アタリが分かりにくくなるデメリットもあり、あえて付けない人もいます。使う場合は太さ1mm、長さ10~20cm程度のライトなものを使用します。
LTアジの仕掛け
針数はトラブルの少ない2本針が基本ですが、慣れてきたら効率をよくするために3本針仕掛けを使ってみるのもオススメします。また、東京湾の船宿ではハリス2号の市販仕掛けが配られることが多いものの、低活性時はさらに細いハリスを使うのが釣果アップのコツになります。
1.5号や、できれば1.2号、1号の仕掛けも用意しておきましょう。1号は細すぎるようにも思いますが、船中でアタリがないときに使ってみると、自分だけ釣れるというような状況もあります。ただ、30cm以上のアジが混ざる場合は、1.5号までにしておいたほうが無難です。
また、アジ釣りに向いた針は、ヒネリが入ったネムリ針と言われる形状のムツ針が一般的と紹介しましたが、ムツ針はアジがエサを咥えて反転した際に刺さる形状になっています。
LTアジではライトなタックルの利点を活かして、食い渋り時の居食いするアタリを軽くアワセて掛けに行く釣り方も釣果アップに繋がるので、そんな状況で上顎に掛けやすい半ネムリやヒネリのない針を使うのもメリットがあります。
おすすめの市販仕掛け
おすすめは居食いアタリにも対応可能なダイワの「快適アジビシ速攻」や、がまかつのアジ専用針「極アジ」を使用した「極アジビシ仕掛」。
よりこだわるなら置き竿や高活性時にアドバンテージのあるムツ針の仕掛けと使い分けるのも効果的です。針のサイズは10号、ハリスは1.5号を基準に2号と1号の仕掛けも揃えておくといいでしょう。
ビシアジ
ビシアジは、基本の仕掛けはLTアジの仕掛けと同様ですが、大アジを狙って100m前後の深場を狙うことが多い釣りです。そのため、LTアジよりも重いビシを使うのが特徴です。
ビシアジのタックル
ビシアジ釣りに使用する竿は1.5~2m程度の、専用竿やオモリ負荷60~150号の汎用ライトゲームロッドなど。軽量かつ柔軟な胴調子の竿がポピュラーですが、操作性のいい7:3も向きます。リールは深場を狙うので手巻きではなく、小~中型の電動リールが最適。道糸はPEライン3~4号を200~300m巻きます。
ビシアジの天秤
LTアジよりも大きい、腕長30~40cmが基本となります。腕の形状はLTアジ同様にストレート型のほうが小さいアタリが出やすいです。
ビシは海域にもよりますが100~150号と重いものを中心に使います。
クッションゴムは必要?
水深が深く、アジが掛かった際に長い距離をやり取りすることや、掛かるアジやゲストが大型になることを考えると、ビシアジではクッションゴムは使用することをオススメします。大きさは1.2~1.5mm径で20~30cmの長さのものを取り付けるのが最適です。
ビシアジの仕掛け
ビシアジでも仕掛けの部分で重要なのはハリスの号数。狙うアジのサイズが大きくなるので、ハリスの号数は2号を基準に高活性時や大物ゲストが混ざる状況では3号以上を使用することもあります。
ただ、やはり食い渋り時にはハリスを細くするのも有効になるので、1.5~1.7号あたりの仕掛けも用意しておくといいでしょう。
水深やビシの重さ、潮流の速さなどにより感度は落ちるためLTアジのように微かなアタリを掛けに行くのはなかなか難しくなります。ですが、エサの食べ方によって掛かりが悪く、巻き上げてくる途中に頻繁にバラすという状況はあり、LTアジ同様に針の形状ごとの仕掛けを使い分けてみるのは有効です。
針のサイズは10号でもいいですが、大アジ主体の場合は大きめの11号や12号のほうがフッキングは良くなります。
おすすめの市販仕掛け
ビシアジでは食い渋りにケイムラが効くことがあるので「激釣アジビシ ケイムラフック」など、ケイムラ系の仕掛けか針を持っておくといいでしょう。また、アジのサイズが大きい場合やゲストにマダイなどが混ざる場合には、太軸の針が有効になることもあります。替え針をもっておくのもオススメです。