【田子漁港が釣り禁止】の危機 船舶と釣人の間で金銭含むトラブル発生

【田子漁港が釣り禁止】の危機 船舶と釣人の間で金銭含むトラブル発生

関東エリアにおいて伊豆半島は大人気釣りフィールドだ。数々の釣りポイントが存在するが、大規模かつ家族連れでも利用しやすいということで人気を博しているのが「田子漁港」だ。この漁港で最近釣り人と船舶のトラブルが発生。釣り禁止の危機にあるという。管理者である西伊豆町と船舶の船長さんに直接話を聞きました。

※本記事は2022.6.24時点の取材内容を元に作成されました
※最新更新情報:2023.7.21

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田子漁港

田子漁港西伊豆エリアにある大規模な漁港で、夏場には青物が回遊することもあり、人気の釣り場だ。足場もよく、車も近くに停められることから、ファミリーフィッシングで訪れる人も多い。さらに、都心から3時間程度とアクセスもよく、県外から訪れる釣り人も非常に多い有名ポイントだ。

【田子漁港が釣り禁止】の危機 船舶と釣人の間で金銭含むトラブル発生風光明媚な西伊豆町の風景(提供:TSURINEWS編集部・小菊)

周りに風光明媚な観光スポットやキャンプ場などもあり、「観光+釣り」プランのちょい釣りで利用するにもおすすめの場所だ。そんな田子漁港で先週、釣り人と船舶のトラブルが発生し、釣り禁止の危機に瀕しているとのニュースが飛び込んできた。

【田子漁港が釣り禁止】の危機 船舶と釣人の間で金銭含むトラブル発生田子漁港の釣り光景(提供:TSURINEWS編集部・小菊)

船舶と釣り人の間でトラブル

トラブルに巻き込まれた「福由丸」(ダイビング/渡船)で舵を握っていた岡部船長に直接話を伺うことが出来た。

どんなトラブルだったのか?

お客さんを迎えに田子漁港を出船。滞りなくお客さんを乗せて再び田子漁港に戻ってきたところ、釣り人(5人程度のグループの内の1人)から「釣りの仕掛けを船に巻き込まれ、タックル一式(竿・リール含む)が海に沈んでしまった」と、声をかけられました。どうやら、遠投カゴ釣りのウキ仕掛けを船でひっかけてしまったようです。

船舶航行時のルールは?

通常は、船舶が航行してきた場合、釣り人が仕掛けを回収するのが暗黙のルールです。その旨をお伝えしたところ、「釣り座から離れていたので回収できなかった」とのことでした。さらに、その釣り人が釣りをしていた場所は立ち入り禁止エリアだったのでその旨指摘しましたが、謝罪はありませんでした。

その後の経緯は?

弁償して欲しいのか聞いたところ、「そういうわけではないが、一部負担して欲しい」とのことでした。金額を聞いたところ「総額で約20万円」との回答でした。正直、私もイライラしており、売り言葉に買い言葉の勢いで、半額の10万円を払うからもう帰って欲しい旨を伝えました。お金を準備して、該当釣り人がいる岸壁に行くと、すでに釣り道具の片付けは終わっていました。お金を渡すと、「ありがとうございます」とお礼を言って帰って行きました。

事後報告はどちらに?

漁師さんの船に同じことがあっては困ると思い、まず漁協へ連絡を行いました。そのタイミングでは、漁協としては一定期間釣り禁止を希望するという意向を持って西伊豆町に相談をするようでした。ただ、漁港全体を釣り禁止にするのは複雑な手続きが必要で簡単なことではないとも聞きました。また、地元のダイビングサービス仲間に話したところ、一部金銭の負担をしてくれました。

普段はどのような注意を?

普段は船上から目視できたウキは避けるように航行していますが、逆光の影響や、複数のウキがバラバラの距離に浮いていたため、今回は全てのウキを目視しきれずに巻き込んでしまったのだと思います。

率直な感想は?

ここ数年の間に行った「関係者以外立ち入り制限」などの締め付けの影響で、ここ最近釣り人のマナーが向上してきていると感じていました。そんな中での今回のトラブルなので、とても残念です。釣り人が西伊豆町に来てくれるおかげで、少なからず観光収入が町に入ってきます。そのような視点からも、釣り人を町から排除したいという気持ちはありません。期間やエリアなどなにかしらの制限付きで釣り禁止措置を行い、改めて釣り人にマナーへの意識を高めてもらうのが良いかもしれません。

【田子漁港が釣り禁止】の危機 船舶と釣人の間で金銭含むトラブル発生田子漁港の沖堤防での釣果(提供:週刊つりニュース関東版 石坂衣里)

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