船釣りで釣った魚はもちろん新鮮ですが、正しく処理を行わないとおいしさが半減してしまいます。前回の『脳締め』に続き、今回は『血抜き』について紹介します。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター西澤俊彦)
血抜きの目的
血抜きの目的は、ずばり魚が腐敗する進行を遅くすることです。体内に血が溜まったまま魚が死んで時間が経過すると、その血は固まり雑菌の温床へとかわり腐敗の進行を促進してしまいます。
また、身に血が回って変色したり臭いが移ったりします。釣った魚をおいしく味わうためには、必ず血抜きをしましょう。
血抜きのタイミング
血抜きのタイミングですが、魚の心臓が止まってしまうと血は体外へ放出されません。魚が弱っていたり死んでしまってから血抜きをしてもあまり効果が得られません。つまり脳締めをして脳は死んでいるがまだ心臓が動いているうちに血抜き処理を行いましょう。
血抜きの有無によってどの程度差が出るのか試してみました。左は釣ってすぐに脳締めと血抜きを行ったマダイで、右は行ってないマダイになります。血抜きを行ったタイの身は白く透き通っていますが、血抜きを行ってないタイの身は血が身に回って赤っぽい色になってしまっています。
血抜きの方法
脳締めした後の血抜き方法 はエラブタを開きエラと身がつながっている上方部分(赤丸)を切断します。この部分に背骨に沿って太い血管が繋がっているので、これを断ち切ります。うまく切断できるとドロドロっと血が流れ出てきます。同様に反対側のエラも切断してください。
切断が終わったら海水が入った大バケツの中で尾をつかんでフリフリと魚を揺すってください。揺することで血が出ていきます、1~2分揺すると血は出てこなくなりますので、そうなったら血抜き処理は完了です。クーラーに魚を入れましょう。
サバ折りも有効
サバやソウダガツオなど中型以下の青魚の場合、頭と胴体をつかみ頭を背側にバキッと折る(いわゆるサバ折り)と、脳締めを省いて血抜きを行うことができます。身全体をきれいな状態で持ち帰りたい場合は脳締め→エラを切って血抜きを行いましょう。
なお、血抜きのフリフリは血が完全に抜けるまで続けてください。完全に抜けていない場合、クーラーに入れた後、海水が赤く染まり血の臭いが移ってしまう場合があります。