日本は四方を海に囲まれた島国であり、季節や場所によってスーパーに並ぶ魚介類も様々。今回は、4月に旬を迎える東日本のサカナを紹介します。
(アイキャッチ画像作成:TSURINEWS編集部)
北海道の旬 シャコ
4月の北海道はまだまだ寒いですが、食材を見ると少しずつ春が近づいていることを感じられるでしょう。
北海道でシャコ漁業が行われているのは石狩湾に限られています。5月~6月に産卵期を迎えるため、身に栄養と旨味がたっぷりのっているのはこの時期だけです。
塩ゆでや焼きシャコで食べるのが一般的ですが、鮮度の良いものは生食がオススメです。エビやカニよりもとろけるような甘さがあり、醤油やわさびのような薬味や調味料がいらない程の旨味を感じられるはずです。
東北の旬 ワカメ
岩手は全国1位の生産量を誇ります。
三陸沖では親潮と黒潮がぶつかるため、豊富な栄養でワカメもぐんぐん育ちます。たっぷりの栄養で育ったワカメはミネラルや食物繊維、カリウムを多く含んでいます。
そのためワカメは歯ごたえがあり、加熱しても身崩れしにくいため、煮物などに最適です。
また、本場で食べる際はこの時期しか食べられない「ワカメの刺し身」もぜひご賞味あれ。
関東の旬 サザエ
春になるとドライブして少し遠出する機会も増えてきますよね。
関東ではちょっとしたドライブで千葉に行く人も多いでしょう。
そんな時に食べて欲しいのはサザエです。千葉県では刺し網漁が盛んに行われているため、貝類が豊富に獲れます。
初夏に産卵期を迎えるサザエは春ごろはエネルギーを蓄えるため身がぎっしり詰まっています。
サザエの旨味を逃すことなく食べることができるのはつぼ焼きに限ります。
あふれ出たサザエの出汁には旨味がたっぷりあふれ出し、そして醤油の焦げた香りと、鼻を抜ける磯の香を楽しんでください。
北陸の旬 ホタルイカ
ホタルイカと言えば富山県のイメージがあるかもしれませんが、実は福井県も全国第3位の漁獲量を誇ります。
ホタルイカは普段回遊していますが、産卵期の3月~6月になると若狭湾の中央部に集まってきます。
福井県で水揚げされるホタルイカは若干身が小ぶりだと言われますが、タウリンなどの栄養素が豊富に含まれているのが大きな特徴です。
一口でまるごと食べることで、たっぷりの旨味や栄養を余すことなく食べられます。
サッとボイルした後、生姜醤油やわさび醤油、酢味噌と和えれば絶品です。
また、沖漬けや塩辛、燻製など様々な調理法で食べられるのもホタルイカの魅力の一つでしょう。
東海の旬 桜エビ
私たち人間は「限定」や「唯一」という言葉に非常に弱い生き物です。
そんな言葉に弱い人にお勧めなのが「桜エビ」です。
世界は広いですが、駿河湾と台湾だけでしか獲れません。しかも、漁ができるのは春の秋の2シーズンだけです。
これだけでも十分興味がわいたと思いますが、桜エビが生で食べられるのは駿河湾だけなのです。
水揚げ後、美しい桜色に変化する桜えびは「海の宝石」と呼ばれ、見た目や味はエビの中でも最高峰です。
生の桜エビの風味も格別。
この時期、この土地でしか食べられない桜エビを使った料理を食べるツアーに行ってみるのも楽しいでしょう。
<近藤 俊/サカナ研究所>