3月21日、主宰する磯釣り奨励会会員の根本さんと伊豆諸島神津島へ釣行。根本さんにとって初めて離島での大型尾長メジナ釣り。期待に胸を膨らませ、午前4時過ぎ伊豆下田港より海央丸に乗船して、いざ神津島へ出航。約1時間40分で憧れの神津島に到着する。
(アイキャッチ画像提供:WEBライター・塩田哲雄)
神津島の尾長メジナシーズン
神津島で型数ともに尾長メジナが釣れ出すシーズンは、例年3月の声を聞く頃から5月の連休後くらいまでとされている。特に60cmを超える大型となるとこの時期に釣り上げられた実績が高い。もちろんそれ以外の時期でも高水温期を除けば潮況次第で良型の数釣りも可能ではある。定かではないが、黒潮の流路が神津島に良い流れとなり、尾長にとって適水温となるからだとされている。
そして、今のところの状況としては、開幕当初は天候不順と水温変動が大きくなかなか狙いの磯に上がれず、上がれても思うような釣果が出なかった。しかし、ここにきて潮に濁りが入り、潮流も通すようになり一部の磯では好釣果が出だしている。
当日の釣り場「明神下」と状況
船長の指示で渡礁したのは沖の祇苗島の明神下。高さ30mはあろうかという絶壁の付け根に前下がりのちょっとだけ釣り座がせり出た釣り場。向かい合う平段、エボシとの間が狭い海峡となることから別名土合とも呼び、激流が通すことでも有名。海央丸の尾長メジナの最大魚はここで釣り上げられている。67.5cm4.7kg。未だに破られていないモンスターだ。
そんな夢のあるステージに上がったのだが、いかんせん朝7時の時点で西の風が14m吹き、前日の低気圧通過に伴うウネリも多少あって非常に釣り難い状況。離島の釣りにまだ不慣れな根本さんには安全のため風を避けられるワンド側に釣り座を勧めた。
当日のタックルと仕掛け
最初に組んだタックルは、がま磯インテッサGV1.75号5.3m。リールには3号の道糸を下巻きも入れて約180m。ハリスは4号2ヒロ。ハリは「掛りすぎ尾長」の7号。ウキは00号で少しでも繊細に釣る狙い方を取った。
しかし、強風は右から、激流は左から右に通す状態で軽い仕掛けではどうにもならない。そこですぐに仕掛けを変更。ウキを丸玉オモリ1号負荷のウキに替えて、しっかりタナを取りながら尾長メジナのヒットゾーンを探る作戦にした。
本流から44cm口太メジナ
本流の流心へ投入した仕掛けが20mほど流れた所で竿先まで来るアタリがきた。引きからすると尾長ではないようだが重量感はある。取り込むと44cmの口太メジナであった。贅沢はいえないが折角離島まで来ているからやはり尾長メジナを釣りたい。その後も相変わらず風は強い。仕掛け投入もままならないが、仕掛けを安定させて流すことはもっと難しい。それでも、本流の中でイサキやタカベといった高級魚が飽きない程度に竿を曲げてくれる。