伊藤さとしのプライムフィッシング。テーマは「粒戦細粒はわき役なの?」。粒戦の発売から数年後、同じペレット顆粒の粉砕バージョンが発売された。今では当たり前のようにセットのバラケ等に使われているこのエサを、いま一度見つめ直してみよう。今回は茨城県古河市にある本紙協定・三和新池での実釣編。
(アイキャッチ画像提供:WEBライター・土屋ナオト)
三和新池で実釣取材
2月17日(月)、三和新池での実釣取材。あいにくの雨模様で、予報ではのちに晴れるとなってたが、いつまでたっても小雨がやまない。結局、終始パラソル使用での撮影となってしまった。
西桟橋中央付近の西向きに入釣し、竿9尺チョウチンウドンセット。タックルとエサは別図。
まずはエサに吸水させる
伊藤は釣り座に入るとまず、エサボウルに『粒戦』と『粒戦細粒』を入れて吸水させる。
「もう儀式みたいなもんだよね。粒系を使う時は、どんな作業よりもまず先に吸水。それから竿やタックルの準備にとりかかる」
効率の問題ですね?
「そういうこと」
セット釣りの準備
ちなみにセット釣りにおけるスタート時の準備を、さらに細分化して時系列に並べると次のようになるそうだ。
①粒戦系&吸水
②食わせを作る
③タックルの準備
④食わせを付けた状態でエサ落ち目盛の調整。その後、そのまま放置(ただし、竿を魚に持っていかれないように注意)
⑤麸系エサを①に混ぜてバラケを完成させる
⑥エサ落ち目盛の再確認
⑦エサ打ちスタート
「ここでのキモは①と⑥の順番かな。①は当然として⑥もできればエサ打ち直前に再確認したいよね」
ですが、②の時にすでにエサ落ち目盛は確認しているのでは?
「時間がたつと、仕掛けやウキが水にナジんでエサ落ち目盛が変化することがあるから、あえて⑤の工程を挟むんだよ。それと、食わせにしたって作ってすぐには安定しない。だから粒戦系と同様に先に作る」
なるほど。この順番ならエサ落ち目盛の変化にも対応できるし、エサ持ちの確認もできますね。
「よく気づいたね。④の時に食わせを付けたまま放置、と言ったのはそのためなんだ。少なからず麸系エサを入れてバラケを完成させるには、ある程度の時間が必要でしょ。その間に下バリから食わせが抜け落ちないかの確認もできる。ただし魚に竿を持っていかれないようにだけは十分に注意してね。何せ食わせが付いた状態で水中に放置するんだからさ」
ウキはすぐに動きだす
時どき、雨脚が強まるなか実釣取材開始。魚影が濃い三和新池だから、ウキはすぐに動きだした。ところが最初のうちはスレばかり。どうやらウキは動くが、糸ズレが多いようだ。
「魚がタナに入ってこないね」
ローライトでしかも雨天。魚が上ずり傾向なのは誰の目にも明らかだ。だが、しばらく我慢してエサ打ちを繰り返すと、次第に強いアタリが出始めて尺前後が入れアタリになってきた。
しかし、カラツンも目立つ。ハリスワーク、バラケサイズ、バラケの持たせ方などでヒット率を向上させる地道な作業が続く。
「中途半端に活性が高いから、バラケにかなりアタってるよね。だからカラツンが出やすい。早めに上エサを抜けばいいのだろうけど、それでは上ずりがきつくなるからナジミ幅は出しておかないとダメみたいね」
適当なナジミ幅と抜けるタイミング
エサ落ち目盛は食わせを付けてトップ4節出し。バラケサイズを極小にして、ナジみきった状態で1~1節半ナジミ。そこからすぐに上エサが抜けて、その直後に出るアタリ。これが当日のヒットパターンになった。
「下ハリスの長さが分かってからの対応は、ちょっと難しかった。持たせ過ぎてもダメだし、ゼロナジミは上ずりを招くだけ。適当なナジミ幅と抜けるタイミング。これがキモだったみたい」
つまりバラケの重さとネバリとかでしょうか?
「そうだね。あとはバラケのサイズもね。それらをコントロールするのにも『粒戦細粒』が果たす役割は大きいかもしれないね」
次回も「粒戦細粒はわき役なの?」です。
【粒戦細粒はわき役なの?:第1回】から読む。
<週刊へらニュース 伊藤さとし/TSURINEWS編>
三和新池