屋形船東京都協同組合に聞く「新型ウイルス」の影響と対策 昨年比8割減も

屋形船東京都協同組合に聞く「新型ウイルス」の影響と対策 昨年比8割減も

コロナウイルス感染拡大により、さまざまな業界に多大な影響が。なかでも、例年のこの時期であればお花見や、歓送迎会などでの利用が増える『屋形船』においての影響と対策について、屋形船東京都協同組合に取材した。

(アイキャッチ画像出典:PhotoAC)

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厚生労働省発表を受けて

新型コロナウイルス感染症対策専門家会議による発表に中に、「1-(2)一定条件を満たす場所からの感染拡大」について以下のような記述がある。

「これまでに国内で感染が確認された方のうち重症・軽症に関わらず約80%の方は、他の人に感染させていません。一方で、一定条件を満たす場所において、一人の感染者が複数人に感染させた事例が報告されています。 具体的には、ライブハウス、スポーツジム、屋形船、ビュッフェスタイルの会食、雀荘、スキーのゲストハウス、密閉された仮設テント等です。このことから、屋内の閉鎖的な空間で、人と人とが至近距離で、一定時間以上交わることによって、患者集団(クラスター)が発生する可能性が示唆されます。そして、患者集団(クラスター)が次の集団(クラスター)を生むことが、感染の急速な拡大を招くと考えられます。」(引用:厚生労働省HP https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/newpage_00011.html)

これを受けて、組合には、【屋内の閉鎖的空間】という部分についての問い合わせが多く入っているとのこと。屋形船には開閉可能な窓や、換気設備が充実していることを正しく認識してほしいというのが、組合側の切実な思いのようだ。実際に、屋形船の多くは潮風や景観を間近で楽しむことができるような造りになっている。

屋形船東京都協同組合に聞く「新型ウイルス」の影響と対策 昨年比8割減もこちらも今年は中止に(屋形船東京都協同組合)

歴史ある日本文化でもある『屋形船』

組合では「今後も取り組みを強化し、正しく屋形船を認識してもらい、安心して楽しんでほしい」と話す。平安時代の貴族の舟遊びが発祥とされ、江戸時代に一般庶民にまで広まった歴史ある『屋形船』文化。

今年開催されるオリンピックでも、海外からの観戦客にぜひ体験してもらいたい日本文化の一つだ。爽やかな潮風を感じながらの海上散策とグルメ、さらには釣りまで楽しめたりと、屋形船は五感を使って自然をより間近に体感できる点が、クルーズ船と一味違う。

とはいえ、お客さんが来ない状況が長引いてしまうと船宿もサービスの提供が困難になる。この素晴らしい文化を絶やさぬよう、一刻も早い感染収束が望まれる。

<大高/TSURINEWS・関東編集部>