魚釣りをする人なら一度は出会ったことがあるであろう「ヒイラギ」。お目当てのサカナを釣るより先に釣れてしまうため、ゲストの代表魚として知られています。見たことはあっても意外と知らないヒイラギの不思議な生態を紹介します。
(アイキャッチ画像出典:PhotoAC)
ヒイラギが光る
なんと、ヒイラギは光ります。
食道付近に自身で発光する発光バクテリアが共生しており、その力を借りて真夜中の海でもうっすらと光っています。
うっすらとしか光っていないので、イルミネーションのように綺麗なものではありませんが、ヒイラギはこの光を使ってメスを誘惑し繁殖を行なっていると考えられています。
ヌルヌルにも旨味成分が
嫌われがちなヒイラギですが、実は食べれば美味しいということを知らない人は意外と多いです。
ヒイラギの身は白くて透明感があり、比較的大きいものを頑張って刺身にすると、まるでシマアジやカワハギと同じような味を楽しむことができます。
しっとりとした身とコリコリとした食感が病みつきになること間違いなし。
また、悪さをするヌルヌルも、実は鮮度を判断する指標になります。鮮度の良いものほどヌルヌルしています。釣れた直後が一番ヌルヌルしているのも納得ですね。
実はこのヌルヌルには旨味成分が多く含まれており、ヒイラギをヌルヌルごと使った潮汁も九州などでは有名です。
1匹だけ捌くのは流石に面倒くさいと思いますが、何匹も釣れた時はリリースせずに一度食べてみてください。
今までは釣れても「うわ、ヒイラギかよ」と思っていた人も、この味を知ってしまったら「お、ヒイラギじゃん。ナイスー!」と考え方が変わるかもしれません。
何事もチャレンジしてみることが大切です。
<近藤 俊/サカナ研究所>