「2020年の釣りに『フク』を呼び込みたい」という思いを込めて、初釣りにセレクトしたのはヒガンフグ。1月6日(月)に、東京湾鶴見潮見橋の新明丸から釣行した。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース関東版 APC・田中義博)
カットウ仕掛けで湾フグを狙う
東京湾で狙うスタイルは「湾フグ」と呼ばれ、10号程度の軽いオモリを使用。カットウバリ仕掛けを使用した独特の釣趣が人気を呼んでいる。
この日集まったのは総勢7人。私は左舷ミヨシに釣り座を構える。左舷に4人、右舷に3人が分かれて座り、準備が整った7時半に河岸払い。
舵を握るのは高橋英夫船長。「数釣れる魚じゃないですし、顔を見られれば御の字という気持ちでやってください。頑張っていきましょう」と出船前にコメントをくれる。
ヒガンフグは、護岸周りに点在する捨て石やマンメイドストラクチャーの基礎部分を住みかにしているため、ポイントは至近。鶴見川を下り、出船からわずか20分で、まずは大黒ふ頭の堤防周りでスタートのアナウンスが流される。
根掛かり覚悟の攻めで船中本命登場
「水深は10m前後。根掛かりに気を付けて」とのアナウンスで第一投。
仕掛けを前方へと軽くキャスト。オモリ着底後、誘いをかねてひとシャクリ。オモリの重さを竿先に感じながら、ゆっくりと仕掛けを落下させて、再び着底させる。このゆっくりとした誘い下げはフグへのアピールになり、着底直後、数秒後の間にアタリがでることは多い。この一連の動きで竿先に出るわずかな変化を、毎回、集中して見ていく。
着底直後はオモリが転がる感覚があり、アナウンス通り、船内では根掛かりもひん発。私も立て続けに仕掛けをロストしてしまう。しかし、この魚を狙うには、根掛かりはつきもの。その後も積極的に根の中を攻めていく。
私の左隣に座る横浜市の清水さんがアタリをとらえ、フッキングに成功。ミチイトが走り、強い引きをいなしながら姿を見せたのは本命。良型に笑顔を見せる。
良型主体に船中ポツポツ
左舷トモの川崎市の中里さんは小さなアタリを無事にハリ掛かりへとつなげて、竿が大きく曲がり込む。無事にタモ取りされたのは丸々と太った良型だ。
右舷側でもアタリが出始め、本命が次々と姿を見せ始める。右舷トモの紅一点・横浜市の高橋さんは良型を何尾も足元のバケツに泳がせている。
船はポイントを転々と回ってくれて、常にフレッシュな場所を攻めていける。さらに、釣り座に関係なくポイントを攻められるよう、船の流し方を丹念に変えてくれるおかげで、全体にアタリはでている。
38cmナイスサイズ登場
船は神奈川横浜港の中へ移動。沖堤の基礎部分を転々と巡り、私も小さなアタリをとらえて本命を連釣。しかも、この日は良型主体で、リリースサイズは交じらなかったため、釣り応え十分だ。
その後も船は横浜港内を転々。ベイブリッジ下の赤灯周りに船が進むと、私にとってクライマックスが待っていた。
キャストして誘いをいれ、ゆっくりと下げていくと、その途中でわずかながら竿先が不規則に動いたため集中。オモリ着底後にでたツンッというわずかな動きに反応し、5cmほど短いストロークで聞きアワせる。竿に重みが伝わったところで、再度、本アワセをいれると、ズッシリと手元まで重みが伝わる。水深8m程度と浅いため、ハリ掛かりしてからは力強く走り、トルク感たっぷり。無事に船内へと取り込んだのは後検38cmのナイスサイズだ。
良型ヒガンフグを連釣
次投でもアタリをとらえて32cm。次は34cm、さらに30cm、28cmを連釣。「顔を見られれば御の字」と出船前に語っていた船長の言葉がウソのような好調ぶりで、みるみるうちに大型フグで足元のバケツは底が見えなくなった。その後も場所を移動するたびに船中ではポツポツとアタリがでて、私も数を伸ばしていくことができた。