釣りで使用される代表的な靴底(ソール)4選 使い分け方を徹底解説!

釣りで使用される代表的な靴底(ソール)4選 使い分け方を徹底解説!

釣りをする場所の足元は、船・磯・波止・イカダなど様々。そのため、救命具同様、安全面を考えた時に重要なのが足回りだ。今回は、ソール(靴底)をピックアップ。大きく3つに分かれる素材別用途を紹介。

(アイキャッチ画像撮影:TSURINEWS関西編集部・松村)

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その他 お役立ち

1、ラジアルソール

代表的なのが魚屋さんや市場で働く人などが履いている白や黒のゴム長靴である。釣り用としてはブーツタイプと言われる事が多い。長いもので膝下くらいまでの高さがあり、足回りの水程度なら完全にシャットアウトできるので、乾いた靴下で居る事ができる。

一般的には雨の日に履く長靴もゴム底タイプが多く、底の形状がゴツゴツしていて隙間が多いのは、水を排出しやすくなっている事で水たまりだらけの道を歩いても滑る事が少ない仕様。

用途としては平坦なコンクリートの波止や船釣りに主に使われる。ゴム底なので、船に乗り込んでも船の床を傷つけることなく、滑りにくい事も手伝って多用されている。また、釣り用には、カット位置を低くした、ややローカット気味で履きやすいブーツタイプもある。

使用時の注意点は、長靴よりも上から水が入ると中に溜まってしまう点。なので、完全に水の中に浸かる時はオススメできない。あくまでも足場が濡れているくらいの場所で…と言うイメージでいいだろう。

また、ラジアル底にもいろいろとあって、すべてにおいて完璧ではない事も知っておきたい。滑る足場ではとことん滑る事もよくあるので注意したい。たとえば、海藻が生えている磯場や、波止でもスロープやテトラなど、平坦ではなく斜めになっている場所や水際などでは安心できない事も知っておこう。

ちなみに筆者は、船に乗る時には釣り具ショップのブーツではなく、調理用の道具が売られている店で、中華料理店でよく使われる耐油性の白いゴム長靴を愛用している。油の散った床でも滑らない設計なので、魚やエサのヌメリや脂が付いた船の床でも滑りにくい。

釣りで使用される代表的な靴底(ソール)4選 使い分け方を徹底解説!筆者愛用の厨房用ゴム長靴(撮影:TSURINEWS関西編集部・松村)

2、フェルトソール

手芸用品などで使われる事も多いので、形は違えど生活上でも触れているハズの素材がフェルトだ。元々はヒツジやラクダの毛を固めて板状にしたものだが、最近はほとんどが化学繊維で作られている。

靴の裏にカットして貼り付けられたものがフェルトソールと呼ばれるタイプの靴で、最大の特長は岩やコンクリートなどで滑りにくい事。そして、クッション性があるので、他の素材に比べるとやや疲れにくい点もある。

磯釣りなどでは多用されている他、アユや渓流釣りのシューズ、ウエーダーにも採用されている事が多く、水辺に特化した靴では代表的なソールだ。

釣りで使用される代表的な靴底(ソール)4選 使い分け方を徹底解説!アユタビにはフェルトソールが一般的(撮影:TSURINEWS関西編集部・松村)

ただ、万能ではなく、たとえば落ち葉や泥などではグリップが効かずによく滑る事もあるので注意。波止回りなどではかなり効果があり、フェルトソールの靴を履いていればかなり安心できる。

船でもそのグリップ力は発揮できるが、水を吸い込むのと同様、まきエサや魚のヌメリなどもフェルトに吸収されると、今度は洗い流すのに苦労する。油断をするといつまで経っても悪臭の原因となる。

3、ピンフェルトソール

フェルト合間に金属製のピンを入れたスパイクを合わせたタイプ。元々、磯などではスパイクシューズと言われる、ラジアル底に金属のピンを散らばせて磯場でも滑らないようにしたタイプがあるのだが、ラジアルよりも使用範囲が広いフェルトとピンを組み合わせた。

釣りで使用される代表的な靴底(ソール)4選 使い分け方を徹底解説!フェルトの合間にピンが出ているのが特徴(撮影:TSURINEWS関西編集部・松村)

落ち葉や泥底など、フェルトでグリップが効かないような場所では、金属製のピンがしっかりと滑り止めになってくれるので、ダブルの効果があるため、現在ではもっとも万能である。アユ、渓流、磯、波止など広く使えるので、その辺りのジャンルでの使用を考えると1足は持っておきたいタイプである。

ただ、問題は船。金属製のピンなので、船の床に傷を付けてしまうため、乗船時に船長からダメ出しをくらうのは必至だ。

4、デッキシューズ

こちらは釣り用と言うよりも、ヨットやボートで広く使われているタイプ。軟らかなゴム状のソールに細かな波状の溝が入っているのが特徴。軟らかなゴム底でのグリップ力と、波状の溝による排水効果があり、濡れた船上などで威力を発揮する。

船釣り専用として、ラジアルと同様、このデッキシューズのソールが採用された長靴などもある。

ただ、このソールも平坦な面である分、フェルト同様、滑りやすい足場も多々ある。どちらかと言えば船釣り専用と考える。

まとめ

釣りによく用いられる靴底(ソール)は
・ラジアル
・フェルト
・ピンフェルト
・デッキシューズ
があるが、どのソールも一長一短があり、全てが万能ではない事を理解しよう。具体的に釣り人が使用するソールをジャンルごとに挙げておくので参考にしていただきたい。

船釣り…ラジアル、デッキシューズ
磯釣り…フェルト、ピンフェルト
アユ釣り…フェルト、ピンフェルト
波止(平坦)…ラジアル、フェルト(スニーカー)
波止(傾斜)…フェルト、ピンフェルト
イカダ…デッキシューズ(スニーカー)
といった感じだろう。

<松村計吾/TSURINEWS関西編集部>