毎年、秋が近づくと気をもんでしまう「サンマの水揚げ」。今年は残念な予測が出ています。
(アイキャッチ画像提供:PhotoAC)
昨年は久々の豊漁だったサンマ、今年は厳しい予測
魚離れが叫ばれる昨今においても、季節が来ればわれわれ日本人が熱望する魚、それがサンマ。きっと多くの方が、夏の終わりごろになると「今年もサンマの季節が来るな……」と心に浮かぶのではないでしょうか。
スーパーに並ぶサンマ(提供:PhotoAC)昨年2025年は、ここ数年では最もサンマがよく獲れた年でした。店頭にも「獲れたて!」というポップの付いた大きなサンマが並び、比較的買いやすい値段だったこともあって各地でニュースになりました。
今年もぜひそうなれば……と誰もが祈るところですが、残念ながら今年は不漁の予測となっています。この秋、日本沿岸に来遊するサンマは前年度4割程度の42万tと推定されており、平均サイズも昨年と比べ一回り以上小さくなるとみられています。去年のような美味しくて安いサンマは今年は手に入らないと見たほうがよさそうです。
そもそも去年も最盛期からすると…
そもそも昨年の推定分布量である110万tも、過去のデータと比べると決して多いわけではありません。
2018年の分布量はこの数値より大きいですが、当時は「深刻な不漁」とされていました。調査が始まった2003年は、480万tという数値になっています。
漁獲されたサンマ(提供:PhotoAC)思えば2000年代はサンマ1尾が100円を切ることも珍しくなく、秋になれば毎週のように食卓に上がっていました。それが昨年は「久しぶりに奮発せずにサンマが買えるね」と言いながら1尾当たり500円程度を払った記憶があります。
なぜサンマ資源は回復しないのか
サンマの不漁は調査開始以降右肩下がりとなっており、今年の数値は過去最低となる予想です。いったいなぜここまで減ってしまったのでしょうか。
最大の原因と考えられるのが、日本近海における海水温上昇です。水温が高くなると、サンマが好む餌のプランクトンが減り、結果としてサンマが近海に来遊しなくなります。
年々、高級品に……(提供:PhotoAC)かつてはサンマの主要漁場が日本の経済水域内にありましたが、現在でははるか沖の公海が主体になっているそうです。こうなると外国漁船との取りあいになってしまうほか、そもそも漁場が遠いために漁の期間が減少してしまい、なおさら水揚げが減る、という悪循環となるのです。
<脇本 哲朗/サカナ研究所>



