大阪湾奥波止の伝統釣法とも言えるエビまき釣り。前回の「エビまき釣り名手のこだわりタックルをのぞき見してみた【大阪北港】」では、道具を中心に解説。新宅功治さんに密着しての第2弾は、実際の釣り方の基本と、春に見られるハネ(フッコ)の食い渋り対策を紹介していきたい。
甘噛みは食い渋りサイン
キビレが釣れたので少しタナを上げてみると、今度はウキがちょんと沈み、10cmほど沈んだところで浮いてきた。仕掛けを回収してシラサエビをよく見ると、胴体の部分がほんの少し白くなっている。「よく見ないと分からないけど、この白くなった部分はハネがくわえた跡」と言う。完全に食い込まずに、口先でパクリと甘噛みするような感じらしい。
「これが春、5月くらいに多くなる食い渋り」と言う。そこで、食い渋り時の対策を実演してもらった。まずは、通常使うシラサエビよりも少し小さめのエビをさしエサとしてチョイスする。そして、段シズの打ち、一番下にあるジンタン2号をハリ上10~15cmまで下ろす。
食い渋り対策で連発!
この状態で振り込んで誘いながら待っていると、ウキが5cmほど押さえられた、と、その瞬間に早アワセ。見事にヒットしたのは55cmほどのハネだった。そして、同じ釣り方で40cm級を追加。
この状況ではアタリがあって、放っておくとほとんどの場合、ウキを消し込むことなくエサを一噛みして終わる。なので、小エサにしての早アワセで対処する。
そして重要なのはオモリの位置である。オモリをハリに近づけることで、仕掛けに張りを持たせ、小さなアタリであってもウキに大きく表現させることができるのだ。一般的に考えると、オモリがハリに近いとオモリの重さでエサの動きが不自然になる…そのため、食いが渋ければフカセを長く取る。が、新宅さんの食い渋り対策はその真逆であった。