爆釣を期待して遠征したのに、全然釣れなかった。そんな経験をした方も多いのではないだろうか。今回は遠征釣行歴20年以上の筆者が、狙ったターゲットを手にするために実践している5つの秘訣を紹介しよう。遠征だけでなく、普段の釣行にも役立つ内容なので、ぜひ参考にしてほしい。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター・稲垣順也)
遠征釣行で狙った魚を釣るために
車の免許を取る以前から、電車やバスを乗り継いで県外のフィールドに遠征を繰り返していた筆者。普段とは違う非日常を味わえる遠征釣行は、筆者にとってライフワークとも言える。
最初に断っておくが、遠征に限らず狙ったターゲットを100%釣るのは不可能である。
釣りは自然が相手の遊びである。どんなターゲットでも、どんな腕の立つ釣り人でも100%はありえない。ただし、その可能性を高めることはできる。今回紹介するのは、そのための方法だ。
遠征イメージ写真(提供:TSURINEWSライター・稲垣順也)遠征する目的は大きく4つ
そもそも、なぜ遠征するのか。釣り人が遠征する目的として、以下の4つが挙げられるのではないだろうか。
1.大きいサイズを釣るため
2.数多く釣るため
3.そこに行かないと狙えない魚を釣るため(アカメなど)
4.経験の少ない場所で腕試しをするため
遠征の目的を明確にする
遠征する目的は明確にしておく必要がある。狙ったターゲットを明確にし、判断が必要な場面でブレないようにするためである。例えば、以下の記事を見て、ただ釣りたいと漠然と考え、初めての九頭竜川へ行ったとしよう。
九頭竜川(提供:TSURINEWSライター・稲垣順也)
九頭竜川のシーバス(提供:TSURINEWSライター・稲垣順也)記事を参考に早朝から半日攻めたが、反応はない。そこで他に釣れるものはないかと調べ、敦賀でアオリイカが釣れるという情報を発見。エギングタックルは持ってきていたので、シーバスは諦めてアオリイカに狙いを変えるが、結局何も釣れずに終わってしまった。
これは極端な例だが、目的が曖昧なまま遠征して狙いが二転三転し、中途半端になった結果、ボウズで終わってしまう失敗は筆者も経験している。
目的は1つ、多くても2つまで
まずは自分が何を目的に遠征するのか、先ほど挙げた4つのうち1つ、多くても2つまでに絞り、明確にしておきたい。例えば、次のような目標だ。
きれいなリバーシーバス(提供:TSURINEWSライター・稲垣順也)目的1:「80cmオーバーのシーバスを狙う」
目的2:「初挑戦の九頭竜川でシーバスを狙い、腕試しをする」
このように、ただ漠然と「釣りたい」と考えるより、目的を明確にすることが大切だ。ここからは、この2つの目的を例に、遠征の事前準備から解説していこう。
九頭竜川でキャッチした良型(提供:TSURINEWSライター・稲垣順也)事前準備を念入りにする
筆者の中で、遠征の成否の半分はここで決まると考えているのが事前準備だ。
遠征計画を立てる
まずは計画から立案していく。行き先、日程、移動時間、費用、沖釣りや渡船なら利用する船を決め、予約していく。(目的1)の「80cmオーバーのシーバスを狙う」なら、九頭竜川に限らず、予定している日程で行ける範囲から釣れる確率が高いと思うフィールドを遠征先に選択する。
状況に応じて選べるよう、いくつか候補地を挙げておいてもいい。例えば筆者は愛知県在住時、九頭竜川近隣の他の河川や汽水湖を予備候補に、また違うエリアでは静岡県の河川などを挙げ、最新釣果や天候などの状況を見て判断していた。
静岡県のランカーシーバス(提供:TSURINEWSライター・稲垣順也)一方、(目的2)の「初挑戦の九頭竜川で腕試しをする」なら、選んだフィールドである九頭竜川に絞って情報収集を進めつつ、計画を組んでいく。
釣り場の情報を収集する
情報収集では最新の釣果に加え、そのエリアの詳細な釣り場情報、駐車場所、釣り禁止でないか(なっていないか)を確認。地図や航空写真を見て、釣れそうな場所を探していく。注意点として、インターネットの情報は過信しないこと。過去は良くても、現在は釣り禁止になっている可能性も考えなければならない。
天気、潮汐、波予報などの気象条件も調べておく。遊漁券の有無やローカルルールがあるかも確認が必要だ。アカメなど普段狙わない魚がターゲットなら、魚の習性から学ぶことも重要。まずは敵を知ることである。
コンビニや釣具(エサ)店など、周辺施設も調べておくといい。田舎で唯一の食事のあてにしていたコンビニがなくなっていることもあるから要注意だ。
これらは計画立案と同時に進めていく。フィールドやターゲットに合わせたタックル、ライフジャケットなど装備の準備も必要だ。
現地に詳しい人の力を借りる
筆者は自分で探し出すのも楽しみの一つなのであまりやらないが、その地に通う知人がいればガイドをしてもらうのが一番の近道と言える。SNSなどを利用して、現地に通うエキスパートアングラーと交流を図っておくのも手である。
ガイド船や渡船を利用するのもこれに近い。現地を知り尽くした人に案内してもらうのは、安全面でもメリットが多い。
最初のポイント選びも重要
初めて行くエリアで最初に入るポイントは、エリア名、魚種名、「ポイント」などのキーワードで検索して出てくる、有名かつ大規模な場所を候補にする。
理由は以下の3つだ。
初エリアは有名な場所がよい(提供:TSURINEWSライター・稲垣順也)1.過去の実績が高い
2.規模が広く、入れる場所がある可能性が高い
3.先行者から釣果や直近の状況、他の釣り場などの情報を得られる
渓流や川なら、安全かつ確実に釣り場へ行ける、エントリーしやすいポイントを選ぶ。予定が朝からなら、最初の場所は朝マヅメの貴重なチャンスタイムとなる。実績のある場所で釣りをすることを優先したい。
これがうまくいった例が、長野県犀川へトラウト狙いで遠征した時だ。初めてのエリアで最初に入ったポイントで、グッドサイズのブラウントラウトをキャッチすることに成功している。
この先の展開も含めて、狙ったターゲットを釣った遠征の記事なので参考にしてもらいたい。事前準備をしっかりやるほど無駄がなくなり、短い遠征期間を効率よく使える。狙った魚を釣る確率も上がるはずだ。
現地の状況を把握・分析する
迎えた遠征当日。現地に到着したら、まずは状況把握をしていく。ベイトの有無や水の流れ、水質など、釣りをしつつも常に周囲の状況を見ておく。先行者がいれば、あいさつして情報を聞くといい。
エリア全体を見て回る
想定したエリア全体を見て回ることも大事である。不慣れな場所での移動にかかる時間と、場所による状況の違いを把握するためだ。
立入禁止の場所もある(提供:TSURINEWSライター・稲垣順也)いわゆる下調べの段階である。休日であれば混雑具合もチェックしつつ、釣りをしなくても立ち寄り、あいさつがてら釣果を聞いて情報を集める。
規模が大きければ手段も増える(提供:TSURINEWSライター・稲垣順也)行動の理由を言葉にする
これらを基に状況を分析していく。朝からの釣行であれば、昼など半日が終了した時点を目安に状況を分析し、釣り方や場所、予定を変える必要がないか考える。こればかりは経験が必要だが、まずは考えてみることである。状況や移動した理由を口にしてみると分かりやすい。
例えば九頭竜川でシーバス狙いなら、「上流域はボイルもなく、落ちアユも少なく鳥もいない。他のベイトも少ないのでエリア全体をチェックするために移動する。次は河口に近い下流部を見に行く」といった具合だ。
プロ気取りかと思われそうだが、口にすると意外に気が付くことも多い。ただ漠然と「釣れないから移動する」より、一つ一つの行動に意味が持て、次にすべき行動も自分自身で理解した上で動けるため、おすすめである。
目的に沿って予定を修正する
今までの状況を分析したら、残りの時間をどうするか予定を練り直していく。例えば人が多い状況なら、次のチャンスタイムに良い場所に入るため、予定より早めに移動が必要になるかもしれない。
全くダメな状況で、予定にない釣り場も見に行くのか。このあたりで、(目的1)と(目的2)では取るべき行動が変わってくる。
目的によって判断が変わる
目的1の「80cmオーバーのシーバスを狙う」で、九頭竜川の状況が平水でクリアウォーターと、大型が出そうにないと判断するなら、他の予備候補のポイントへの移動も選択肢になる。
一方、目的2の「初挑戦の九頭竜川で腕試しをする」なら、いかに今の九頭竜川を攻略するのか、釣り方、ルアー、ポイントなどを見直していくことになる。
厳しい状況と分かっても、逃げずに立ち向かえば思わぬ打開策が見つかり、レベルアップにつながることもある。過去に良い経験をした遠征先では、そのポイントや釣り方に固執しない勇気も必要だ。状況を見て見切ることが、意外と難しいのである。
遠征の思い出になる魚(提供:TSURINEWSライター・稲垣順也)集中力を維持して諦めない
せっかくヒットさせた魚をミスでバラしてしまってはもったいない。ミスを防ぐ集中力を保てるよう、遠征数日前から睡眠や食事を意識して生活し、遠征中も適度な休息と睡眠時間の確保を心がけたい。
無理をせず休息を取る
多少無理をして睡眠不足になったなら、思い切って数時間仮眠した方が、冷静な判断力と集中力を保てて、結果的に良くなることが多い。そして、筆者が最も大切にしているのは、最後まで諦めないことである。
たとえわずかでも可能性があれば、それに賭けて釣りを続けたい。ただし、無理をして危険な状況で釣りを続けるという意味ではない。
結果がボウズでも、自分を信じてやりきったボウズと、諦めて挫折したボウズでは意味が違う。
遠征後の振り返りも大切
遠征を終えてからも、次に向けて結果を振り返り、課題を整理していく。目標を達成したなら何が良かったのか。結果が悪いなら何が原因だったのか。できれば遠征期間の釣果をインターネットなどで検索して、結果のすり合わせを行う。時間も費用もかけた遠征である。経験は今後に生かしていきたい。
遠征でキャッチした魚(提供:TSURINEWSライター・稲垣順也)遠征釣行を成功させるために
ここまで紹介した5つの秘訣を振り返ってみよう。
1.遠征の目的を明確にする
2.事前準備(計画と情報収集)を念入りにする
3.現地の状況を把握・分析して行動する
4.目的に沿って予定を修正し、判断・見切りを行う
5.集中力を維持して諦めない
以上が、筆者が遠征で狙ったターゲットを釣るために実践している秘訣である。
遠征して狙ったターゲットを釣るためには経験も必要で、最初は釣れないかもしれない。だが、これらを意識して実践することで経験が積まれ、成功率も上がっていく。
苦労した末にキャッチした1匹には、一生思い出に残る感動を与えてくれるパワーがある。そんな1匹との出会いを求めて、筆者はまた遠征に繰り出す。
普段とは違う非日常が味わえる遠征釣行。地元の方への配慮を忘れず、無理のない予定で安全第一で楽しんでいただきたい。
<稲垣順也/TSURINEWSライター>



