全国的に魚離れが進むと言われる現代。魚を美味しく食べてもらおうと、各地で学校給食に地魚を取り入れる機会が増えています。
(アイキャッチ画像提供:PhotoAC)
なんと!カニ1匹つき給食
カニの水揚げが盛んな新湊漁港を抱える富山県射水市。特に有名なのが「高志の紅ガニ」と言われるブランドベニズワイガニです。
全国的にも知られるこの特産品を子供たちにも美味しく食べてもらおうという取り組みが、毎年市内の小学校で開催されます。それはなんと「カニ学校給食」。
ベニズワイガニの解体(提供:PhotoAC)秋のベニズワイガニシーズンになると、市内の小学校6年生の給食にベニズワイガニがなんと丸ごと1匹登場。児童たちは、カニの解体に四苦八苦しながらも、その味に舌鼓を打ちます。毎年この時期になるとメディアで紹介され、視聴者から「この時期だけでも射水市に移住したい」という声が聞こえてくることも。
ノドグロが給食に!
このような地元のブランド魚が登場し話題になった給食は他にもあります。その一つが島根県浜田市の「ノドグロ給食」です。
日本海に面した浜田市沖では、特殊なプランクトンを食べ、非常に脂乗りの良い魚が水揚げされます。そのような魚たちは「どんちっち」ブランドという名前で呼ばれるのですが、その1つ「どんちっちノドグロ(アカムツ)」は各地で水揚げされるノドグロの中でも最も美味なものとして食通の注目を集めます。
ノドグロが給食に(提供:PhotoAC)2021年に、浜田市内の小中学校でこのどんちっちノドグロを使った給食が提供され話題になりました。丸ごと1匹のどんちっちノドグロの塩焼きは、普段は食べたくてもなかなか食べられないほど贅沢な逸品。生徒たちの思い出に残ってほしいと、市内の漁業連合会が提供したそうです。
その後も、卒業を控えた生徒たちの門出を祝う豪華な給食として毎年3月に提供されています。
まだまだある「地魚給食」
他にも地魚を使った給食は全国各地で提供されています。
全国屈指の水揚げを誇る焼津漁港を擁する静岡県焼津市では、学校給食で地元の特産品であるシラスやサバの料理が提供されたことがあります。また黒潮の魚たちがたくさん獲れる伊豆諸島では、特産のムロアジを使って作る「ムロ節」が有名なのですが、これを使ったムロ節ご飯は給食メニューの定番の1つだそうです。
給食でも美味しい魚を(提供:PhotoAC)日本人の魚離れが嘆かれて久しい現代。その原因は、家庭で魚料理が提供されなくなっていることにあるとも言われています。学校給食で美味しい魚を食べることは、一時的な話題性だけでなく、将来の魚食文化、さらには漁業を守っていくことにつながるでしょう。
<脇本 哲朗/サカナ研究所>


