1990年代の懐かしいバスタックルを携え、秋の岡山県へ遠征。釣り禁止の野池が増えた現状に戸惑いながらも、倉敷川水系ではスピナーベイトが活躍した。ブラックバス3匹に加え、55cmのシーバスやライギョも登場した釣行を振り返る。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター・稲垣順也)
懐かしのタックルで秋のバス釣りへ
長く続いた秋雨も落ち着いた10月の三連休。どこに釣りに行こうか考えていたのだが、あいにく筆者の住む和歌山県南部は台風の影響で海の時化が続いていた。こんなときに試そうと思っていたのが、空前のバスブームだった1990年代後半、筆者が小~中学生時代に使っていたタックルでのバスフィッシングである。
オールドエントリータックル
40歳前後のグランダー世代の方なら一度は目にしたであろう、シマノのリール「97バスライズ」と「98バスワンXT」。エントリーモデルで、子供のお小遣いでも手が届いたこれらのモデルを、あえて今使ってみようと考えていた。
オールドベイトリール(提供:TSURINEWSライター・稲垣順也)三連休なので、せっかくなら遠征しようと岡山県の野池へ釣行を予定し、準備を進める。ロッドとルアーも記憶を頼りにネットで発売日まで検索し、当時入手可能だったものを用意。ラインもナイロン16lbを巻き、当時を再現した。
10月10日岡山の野池を巡る
迎えた三連休初日。前夜に自宅を出発し、休憩を挟んで午前9時に岡山県の最初の野池へ到着した。ここは過去に一度訪れ、子バスながら数釣りが楽しめた野池である。
子バスをキャッチ
早速、用意した懐かしのタックルで釣りを開始する。一通り探り、なんとかPOP-Xで子バスを1匹キャッチできたが、思いのほか反応が悪いため移動する。
しかし、ここから回った野池には連続して釣り禁止の看板が。釣りができる野池を探して車を走らせ、ようやく見つけた池でも子バス1匹。
野池で小バス(提供:TSURINEWSライター・稲垣順也)釣り禁止の野池が続々
移動を繰り返すが、釣り禁止やフェンスで立ち入りが制限されている野池がほとんど。時代の流れか、気軽にバス釣りができる時代ではなくなったと痛感した。プレッシャーの低い野池でのんびり、という予定は崩れたが、98バスワンXTが思いのほか使い勝手が良い。
気軽な野池釣りはもう無理か(提供:TSURINEWSライター・稲垣順也)「これなら現代のメジャーエリアでも通用するのではないか」それを確かめるため、14時を過ぎたところで野池巡りに見切りをつけ、メジャーエリアである倉敷川水系へ移動することにした。
倉敷川水系で夕マヅメを狙う
倉敷川水系のフィールドについて説明すると、岡山市から玉野市にかけて広がる児島湖と、そこに流入する倉敷川、吉岡川、笹ヶ瀬川などがフィールドである。周辺の水路や小河川も含めるとオカッパリができる場所は多く、古くからメディアに登場しているメジャーフィールドだ。
筆者も過去に何度も訪れており、20年ほど前はパラダイスだったが、ここ数年は魚影が減り、難しい印象である。最初のポイントに到着したのは16時過ぎ。最も東側に位置する笹ヶ瀬川上流にエントリーした。
バイトはあるも連続バラし
残り時間も少ないため、バズベイトでスピーディーにチェック。橋脚が絡むポイントでバイトが出たが、フックアウト。次のキャストでもバイトが出るが、これもバラシ。ナマズのようにも見えたが、バラしてはしょうがない。
なんとか1匹は釣りたいと草をかき分けて進み、もう一度バイトが出たものの、乗らずに日没を迎えてタイムアップとなった。
少年時代を思い出す出来事
車に戻り、荷物を片付けていると、ズボンに引っ付き虫が付いていることに気が付いた。小学生の頃も夢中で釣りをし、帰宅後、今は亡き母に「取ってから家に入りなさい」と叱られたことを思い出し、「あの頃と変わらないな」と笑みがこぼれる。釣果は今ひとつだが、心は少年時代に戻って楽しんだ1日であった。
10月11日スピナーベイト攻略
迎えた翌日。今日は獲りにいく意気込みで、早朝6時からスタートする。昨日の状況から活性は良さそうだと判断し、笹ヶ瀬川上流へエントリー。着いてみると昨日より20cmほど減水し、流れが出ている。
バイトなく移動
昨日バイトがあったバズベイトで流すが反応はないため、状況変化への対応が必要と感じ、少し下流の国道2号線バイパス付近へ移動する。このポイントを選んだ理由は、次の3つだ。
- 減水傾向を考慮し、アウトサイドベンドで水深があること
- 地形変化やストラクチャーが多く、流れが当たる場所も遮る場所もあること
- 岸から攻められる範囲が広いうえ、左岸(東)側にシェードができ、朝マヅメの時合いを長く使えること
ルアーは朝の冷え込みを考慮し、レンジを下げるためスピナーベイトに交換した。小型のベイトが広い範囲で跳ね、水面は生命感にあふれている。どこで当たるか分からないため、岸沿いから少し沖のブレイクまでテンポ良く探っていく。
38cmバスをキャッチ!
ほどなくして、水路が絡む小さなワンドでバイトが出た。
38cmが出たワンド(提供:TSURINEWSライター・稲垣順也)バラさないよう慎重にファイトし、38cmのグッドコンディションのバスをキャッチすることに成功した。
笹ヶ瀬川で38cmバス(提供:TSURINEWSライター・稲垣順也)続けて探っていき、今度は岸沿いのブッシュから25cmほどのバスも追加。
釣れたバス(提供:TSURINEWSライター・稲垣順也)さらに追加を狙うが、周辺で地元住民の清掃活動が始まったため、邪魔にならないよう移動することにした。
スピナーベイトにシーバス!
笹ヶ瀬川のほかのポイントを探るが、反応は得られないため、9時を過ぎたところで吉岡川へ移動する。ここでは護岸された岸沿いをスピナーベイトで流していく。開始すぐにバイトが出たが乗らず、歩きながら探っていくものの、次の反応はない。
護岸が続く吉岡川(提供:TSURINEWSライター・稲垣順也)30分ほど流したところで、水面にベイトが少ないことに気が付き、折り返すことにした。水色も濁っていたため、カラーをシルバーからチャートに変更。速いスピードでも安定して引けるよう、ウェイトは1/4ozから3/8ozに変えて探っていく。
気候変化でチャンス到来
しばらくして、わずかだが風が吹き始め、水面にさざ波が立ち始めた。経験上、こういった変化が時合いになることは多い。
僅かでも風が吹くとチャンス(提供:TSURINEWSライター・稲垣順也)行きにバイトが出た辺りに差し掛かると、護岸沿いを引くスピナーベイトに強烈なバイトが来た。と同時に、激しいテイルウォークを見せたのは、なんとシーバス! 強烈な突っ込みをいなし、飛んで走ってのファイトを楽しみながら、頃合いを見てランディング。
キャッチしたのは、コンディションの良い55cmほどのシーバス。スピナーベイトでシーバスを釣ったのは初めてで、本命ではないがうれしい1匹となった。
きれいな魚体(提供:TSURINEWSライター・稲垣順也)
スピナーベイトでシーバス(提供:TSURINEWSライター・稲垣順也)ライギョとの久しぶりの再会
その後1時間ほど倉敷川の合流点付近まで探るが、ノーヒットで昼休憩を挟む。休憩後は数か所回るが反応はなく、時刻は16時を回った。いい時間帯に入ってきたところで、昨日バラした笹ヶ瀬川上流へ入り直す。
スピナーベイトのカラーをシルバー系に戻し、流し始めてすぐ「ドン」と強いバイトが来てヒットしたのはライギョ。
専用タックルも所有するライギョマンとして、ラインブレイクは絶対に避けたいため、慎重にランディング。キャッチしたのは50cmほどの小型のライギョだった。
ライギョもヒット(提供:TSURINEWSライター・稲垣順也)愛知県西部の出身で、小学生の頃は身近な釣り場にバスはおらず、ライギョが遊び相手であった筆者。最近は数も減り、帰省時に狙っても釣れず、久しぶりの再会であった。
夕マヅメに30cm級バスを追加
引き続き、昨日反応のあったポイントまで流すが反応はなく、夕マヅメのラストチャンスに賭けて移動した。最後に選んだのは、朝バスをキャッチした国道2号線バイパス付近。
ラストチャンスに期待して流していくと、日も傾いた17時過ぎ、少し沖のブレイクを過ぎた辺りでバイトが来て、コンディションの良い30cmクラスをキャッチすることに成功した。
バスをキャッチ(提供:TSURINEWSライター・稲垣順也)この後はルアーをバズベイトに替え、2回バイトを得たが乗せることができず、日没を迎えて納竿となった。少年時代のタックルを片手に釣り歩き、バス3匹とシーバス、ライギョという満足のいく釣果となった1日であった。
バスが釣れた場所に共通点
帰りの道中、釣果を振り返って気が付いたことだが、今回バスがヒットしたポイントは、すべて土バンク(岸が護岸されていない)ポイントであった。理由は覚えていないが、「秋は土バンク」と誰かプロが言っていたのを思い出し、実際にそうであった。
タラレバだが、土バンクをキーに釣りをしていれば、釣果を伸ばせていたかもしれない。
スピナーベイト特徴と使いどころ
スピナーベイトの特徴として、ブレードによる水押しと強いフラッシング、スカートのボリュームなど、総じてアピール力が強いルアーである。
構造上、根掛かりしにくく、効率良く活性の高い魚を拾えるが、アピールが強い分プレッシャーに弱いと思われている。しかし、筆者の経験上、プレッシャーの高さは関係ないと思っている。
使い方次第で、メジャーエリアでも十分活躍するルアーである。
適水温で活性が高い時期、通い慣れていないフィールドを一から探すときや、魚影が少ないエリア、魚が散ってポイントが絞りきれないときなど、エリアを広くスピーディーに探り、状況判断が必要なときこそ使いどころである。
これから11月にかけて、バスの活性が高い秋シーズン。釣れずに悩んだときには、スピナーベイトを投げ倒してみてはいかがだろうか。
<稲垣順也/TSURINEWSライター>



