いよいよ始まった秋アオリイカシーズン。今年は開幕が少し早かったようで、お盆明けからちらほら釣果が聞こえ、9月に入って一気に本格化。三重県・南伊勢町の五ケ所湾近辺もティップランをはじめ、イカダや堤防で釣れ盛っているようだ。今回は開幕から好釣果が続く迫間浦に注目。エギングビギナーの釣りガールと一緒に、シーズン初期のイカダエギングの様子と攻略法について解説したい。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版・谷川智)
場所取りの必要なく足場良好なイカダ
イカダといえば、ひと昔前はクロダイ釣りというイメージだったが、近年はちょっと様子が違う。もちろんクロダイ釣りもメジャーなのだが、アジやカワハギを狙う五目釣りから、泳がせでヒラメや青物を狙えるフィールドとして注目を集めているのだ。
日々成長中のアオリイカ(提供:週刊つりニュース中部版・谷川智)足場が良く海面までが近いので、非常に釣りやすい。またトイレも完備しているから女性でも安心。何より堤防のように前の晩から場所取りをする必要もない。昔は乗り合いイカダというのもあったようだが、最近は1グループ1台というのが基本。つまり貸し切りで楽しめるプライベート釣り場のようなものだ。
迫間浦の老舗渡船店へ
釣行日は9月25日。今回お世話になったのは迫間浦の日乃出屋。古くからこの地で渡船業を営む老舗船宿だ。そして同行してくれたのは、大阪在住の若き釣りガール、長谷川歩実さん。
歩実さんは大学4年間を高知で過ごしており、その間に現地でエギングを覚えたのだとか。とはいえ先生もおらず、YouTubeだけが頼りの自己流。釣果にもあまり恵まれなかったらしい。現在は奈良の大学院に通う23歳。久しぶりの釣りに気合いを入れて同行してくれた。
日乃出屋の駐車場に到着したのは午前5時すぎ。空はうっすら明るくなりかけており、早速荷物を下ろして船に積み込んでいく。他のお客さんを下ろしていき、最後に渡してもらったのはやや沖側のイカダ。
他のイカダより少し水深が浅めだが、その分釣りやすい。張り出した岬の内側に設置されており、沖向き以外全てキャストポイントになる雰囲気抜群のイカダだ。
タックル
イカダエギングで使うタックルだが、基本的に陸っぱりとさほど変わりはない。ただ取り回しがいいように、少し短めのロッドが使いやすい。それに開幕したばかりの秋アオリは、そんな大型が出ることはないので、エギングロッドよりもチニングロッドや少し長めのアジングロッドが向いている気もする。
エギングタックル(作図:週刊つりニュース中部版・谷川智)リールは2500番のスピニングで、ラインはPEライン0.8号、リーダーはフロロカーボンライン2号を1ヒロほど。これにスナップを結び、エギをセットするだけだ。と、ロッドの長さ以外は、陸っぱりと全く同じなのだ。
ただ陸っぱりのようにランガンするわけじゃないので、身軽にする必要はない。腰を据えて釣る装備で十分だ。エギは2.5~3号。秋シーズンなので、この大きさがメインになる。
エギ(提供:週刊つりニュース中部版・谷川智)ここで陸っぱりとの違いとして、水深が深いためエギのウェイトアップすることを考えておかなくてはならない。イカダは一般的に足元の水深が6~10mほどあり、深い所では20m近いイカダもある。まして風が強かったり潮が速かったりすると、ノーマルのエギでは底取りが難しくなる。
エギングで底取りは一丁目一番地の必須項目。自分のエギが底からどれぐらいのレンジにあるのか、常に把握しておくために底取りは絶対必要なのだ。
そのためエギのウェイトアップが必要なのだが、デュエルのパタパタのようにシンカー部分もワイヤーがあれば、そこに2B~5Bのガン玉を取り付ける方法がある。
ガン玉(提供:週刊つりニュース中部版・谷川智)ワイヤーがないエギなら、鼻先にイトオモリを巻き付ける。いずれもシンカーの大きさや量を調整して、確実に底を取れるエギにしておく。
イトオモリ(提供:週刊つりニュース中部版・谷川智)1投目からアタリ
さて、イカダに渡って準備を済ませた後、歩実さんはデュエルイージーQキャスト2.5号の夜光ブルーを岸に向かってフルキャスト。高知で経験していただけあって、スムーズなキャストだ。
微風が吹くコンディションで、ノーマルのエギでも底取りは容易。シャクリは少しぎこちないが、しっかりエギを跳ね上げて張らず緩めずのラインテンションを保ちながらアタリを待つ。
スムーズなキャスト(提供:週刊つりニュース中部版・谷川智)すると「あっ!引っ張られた!」と声を上げる歩実さん。最初のフォールでひったくるようなアタリが出たらしい。だがエギングあるあるだが、派手にひったくるアタリほど乗りにくい傾向がある。
だが明らかにアオリイカのアタリにテンションが上がる。しかし続けてのキャストでもアタリはない。やる気のあるアオリイカがいるなら、次投で乗ってくるとふんでいたのだが……。
1匹目は足元で
方向を少しずつ変えてキャストを繰り返したが、1投目のアタリから反応がない。イカダエギングでは、朝の数投でヒットする確率は非常に高い。フレッシュな状態でイカをしっかりキャッチしておきたかったこともあり、見ているこちらの焦りが大きくなってくる。
こちらの焦りを知ってから知らずか、根気よくキャストを繰り返す歩実さん。何気に足元まできたエギを底周辺で躍らせていると、クイっとティップが押さえ込まれたのが横で見ていても分かった。
スミ攻撃におびえる(提供:週刊つりニュース中部版・谷川智)あれ?とロッドを立てると、しっかり乗っている。ゆっくり巻き上げて1匹目キャッチ。秋らしいコロッケサイズだが、まずは1匹目にホッとひと息だ。記念撮影中に吐き出す水鉄砲に、ぎゃーぎゃー悲鳴を上げながらスカリへイン。
1匹目をゲット(提供:週刊つりニュース中部版・谷川智)このようにイカダエギングで、ヒットポイントは離れた位置だけではない。実は足元でのヒット率も非常に高い。イカダから離れたポイントをひと通り探ったら、イカダの四辺の足元を探ってみよう。レンジは底から3mまで。活性が高ければエギの後ろを追尾して浮いてくることもある。
難しいなかキャスト
方向を変えてコンスタントにヒットその後次なる1匹を求めて、キャストを繰り返す歩実さん。だがなかなか簡単ではない。
そんななか、張り出した岬方向にキャストして、フォールさせていたエギがピタリを止められた。ここでアワセ一閃。しっかりエギを抱いて上がってきたのは、サイズアップのトンカツサイズ。
2匹目追加(提供:週刊つりニュース中部版・谷川智)「エギングおもろ~」と言いながらスカリへ入れていく。さらに遠い距離でシャクったら乗っていたパターンでもう1匹追加。アタリを取れなかったことはともかく、順調に数を重ねていく。
釣り方の基本は陸っぱりと同じ
イカダエギングの釣り方だが、基本的に陸っぱりと同じ。しっかりボトムを取り、2段、3段シャクリを入れて、その後のフォールで抱かせる。そのフォール中のアタリをいかに感知するかがキモだ。
足元もしっかり探る(提供:週刊つりニュース中部版・谷川智)陸っぱりとの違いは、エギが手前にくるほど水深が深くなるということ。よって陸っぱりの感覚でカーブフォールさせていくと、エギが手前にどんどん寄ってきて探る範囲が狭くなる。
エギが手前にくるほど、フリーフォールも織り交ぜて、横の移動距離を抑えつつ探っていきたい。
他の釣りの準備も
イカダエギングで、アオリイカが一日中釣れ続けるということはまずない。時合いや回遊の状況で釣れない時間帯は必ず出てくる。そんな時間帯にストイックにエギを投げ続けるのもいいが、やはり長くはもたない。
ラインの動きと手感度に集中(提供:週刊つりニュース中部版・谷川智)そんなときにお勧めはサビキや胴つきなど、違う釣りでリフレッシュすること。今回は用意しなかったが、気分転換も必要だ。
3匹目を確保(提供:週刊つりニュース中部版・谷川智)もう少し秋が深まってくれば、沖側で青物の回遊もある。エギをメタルジグに付け替えて狙ってみても面白い。
釣果は半日で5匹
当日歩実さんは夜に友達との飲み会があるそうで、この日は昼までの予定。残り2時間のタイミングで再度プチ時合いがあり、バラシ1回のキャッチ2匹。合計5匹の釣果で正午に迎えの船に乗り込んだ。
見えイカに翻弄される(提供:週刊つりニュース中部版・谷川智)サイズはシーズン初期ということもあり、最大でトンカツサイズだったが、これから伸びてくるはず。今年は2ケタ釣果も続出しており、この日も夕方までやれば釣果ももっと伸びたはず。
実際この日常連さんで2ケタ釣果を出している人もいたので、昼から良い時合いがあったのだろう。迫間浦のイカダエギングは、まだ始まったばかり。特に今年はアオリイカの数が多そうな雰囲気だ。
釣果は5匹(提供:週刊つりニュース中部版・谷川智)また当日もイカダを固定するロープに、ホタルイカぐらいのアオリイカがわんさか着いているのが見えたので、ロングランにもなりそうな気がする。この子たちが大きくなれば、さらに面白くなるだろう。
波穏やかな迫間浦のイカダエギング、ぜひ皆さんも挑戦してほしい。
<週刊つりニュース中部版・谷川智/TSURINEWS編>
日乃出屋




