基本的には「食べておいしい高級魚」ながら、しばしば外見からはわからない「ハズレ」を引いてしまう魚がいます。そんな「ギャンブルな魚」を集めてみました。
(アイキャッチ画像提供:PhotoAC)
めちゃくちゃ臭いシロギス
最も人気の高い天ぷらだねのひとつキス。最近は大型の個体が減ったこともあり、見事なサイズのキス天が作れるシロギスはまごうことなき高級魚です。
しかし、そんなシロギスには一つだけ、大きな罠があります。それは釣り人から「カルキス」と呼ばれている「めちゃくちゃ臭いキス」の存在です。
たくさんのキスの中に……?(提供:PhotoAC)シロギスを捌いていると、数匹~数十匹に1匹、カルキの匂いがするものがあります。これはこのシロギスが食べた餌の中に、強いカルキ臭を発するものがあり、その匂いが移ってしまったものといわれています。カルキスは外見から判別することができず、口にした瞬間に判明するため、食べてしまうと非常にがっかりした気持ちになります。
メイチダイでもカルキ臭
このカルキスのような「魚のカルキ臭」は、シロギス以外の魚で発生することもあります。有名なのがメイチダイ。
メイチダイ(提供:PhotoAC)メイチダイはフエフキダイ科の海水魚で、サイズはそこまで大きくならないものの、全身大トロと呼べるほどに脂がのり、非常に美味しい魚。和歌山県や三重県では人気も高く、ときに1kg5,000円程度もする超高級魚です。
しかしそんなメイチダイでもカルキ臭が入ると味は台無し。そのような個体はしばしば磯臭みがのることもあり、これらが合わさるとまるでトイレのような匂いに感じることもあります。こちらも外見からは全くわからないので、まさにギャンブルな魚です。
汚い河川のアユも不味い
淡水魚でも、しばしばはずれを引いてしまう魚があります。それはアユ。清流の女王と呼ばれ、淡水魚の中では最も有名な食用魚なのは言うまでもありません。
アユ(提供:PhotoAC)そんなアユは成長すると水中の石に生えた藻類を食べるようになり、この質によって個体の味が変わります。まさに清流と呼べる場所で育ったアユは鮮烈なキュウリやスイカの香りがするのですが、汚染された水域で育ったものはアスファルトのような土臭さ、石鹸のような化学的な甘い香りがするものがあり、非常に不味です。
アユ自体は結構汚染に強く、汚い川でも生息できるため都市河川でもよく見かけますが、そのような水域で獲れたものはたとえ見た目が美味しそうでも手を出すべきではないでしょう。
<脇本 哲朗/サカナ研究所>

