海釣り公園での釣りに慣れてくると、天然の磯でも竿を出してみたくなるもの。しかし、本格的な磯釣りはハードルが高い……。そんな人に向けて、都心から電車とバスでアクセスできる「チョイ磯」スポット3カ所と、手軽な釣り方を紹介します。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター菊池英則)
「チョイ磯釣り」とは
東京湾の海岸線は人工的に護岸されている場所が多く、身近な釣り場といえば海釣り公園や堤防がメインになります。江東区の若洲海浜公園には人工磯もありますが、千葉県の房総半島方面を除けば、都心から比較的近い天然の磯は、神奈川県の観音崎や三浦半島方面にあります。
海釣り公園はファミリーでも手軽に楽しめ、ある程度釣果も期待できるので、十分満足している人も多いと思います。しかし、天然の磯には堤防とは違ったロケーションの楽しさがあります。
堤防とは異なる注意点もある
一方で磯釣りには、「危険」「装備が必要」といった堤防とは異なる注意点があるため、気が引ける人も多いはず。そこで今回は、本格的な磯釣りよりも比較的アクセスしやすい天然磯で楽しむ釣りを「チョイ磯釣り」として紹介します。
公共交通機関で釣行可能
では、そんな「チョイ磯釣り」を楽しめるスポットはどこにあるのでしょうか。品川方面から向かうなら、神奈川県横須賀市の観音崎や、その南に位置する城ヶ島。相模湾方面へ目を向ければ、三浦半島の葉山町にも磯があります。
ちなみに、電車でアクセスしやすいポピュラーな磯として、江の島の「稚児ヶ淵」があります。しかし、手軽なイメージとは裏腹に水難事故も発生している場所です。今回は「チョイ磯」という趣旨から、紹介する3カ所には含めませんでした。
タックル・仕掛け・エサ
では、チョイ磯釣りではどのようなタックルと仕掛けでポイントを攻めればいいのでしょうか。
市販のパックロッドでもOK
竿は磯釣り用があれば理想的ですが、市販されているファミリー向けの1.8m程度のパックロッドでも十分に探ることができます。スピニングリールを組み合わせ、ミチ糸は3号程度がいいでしょう。
胴付き+軽めのオモリが基本
磯釣りには、ウキを付けてエサを漂わせるフカセ釣りなどがあります。しかし、とりあえず簡単に釣果を得たいなら、10号以下のオモリを一番下に付け、枝スが2~3本出ている「胴付き仕掛け」がおすすめです。釣具店でも販売されているポピュラーな仕掛けなので、簡単に入手できます。
エサはイソメやアサリなど
エサはアオイソメが定番ですが、近年は価格も上がっているので、冷凍アサリやサバの切り身などを使うこともできます。筆者も今回紹介するポイントで試しましたが、いずれのエサでも根魚が食ってきました。
チョイ磯釣りで釣れる魚
海釣り公園と天然磯では、狙いやすい魚も変わってきます。
ハゼは釣れなくもないが少ない(提供:TSURINEWSライター菊池英則)サビキ釣りには不向き
海釣り公園で人気の「サビキ釣り」は、今回紹介するような小磯ではあまり向いていません。波や潮の動きが複雑でコマセが散りやすく、ターゲットとなるイワシやアジなどの回遊魚を安定して狙うのも難しいためです。そこで、チョイ磯では「根魚」をメインターゲットにします。
アジも難しい(提供:TSURINEWSライター菊池英則)ムラソイ・カサゴ・ベラなど
チョイ磯釣りの代表的なターゲットがムラソイ。潮が引いて水深が浅くなっている時間帯でも食ってくることがあります。そして釣れるとうれしいのがカサゴです。上げ潮で足元の水深がある程度深くなってきたタイミングに期待できます。
カサゴはよく釣れる(提供:TSURINEWSライター菊池英則)ただし、今回紹介するような小磯では大型はそれほど多くなく、大きくても20cmクラスがメインとなります。ベラもよく釣れるターゲットです。釣り人によってはあまり歓迎されない魚ですが、関西では専門に狙う人もいます。煮付けなどにすれば十分おいしく食べられる魚です。
このほか、フグが掛かることもあります。ハリスをかみ切られることがあるため、予備の仕掛けは多めに持っていくといいでしょう。
イカは場所によっては狙える(提供:TSURINEWSライター菊池英則)水深1m以上の場所を探す
ポイント選びでは、磯際の水深が1m以上あり、できればさらに深くなっている穴を探るのがコツです。波が当たり、しぶきで白くなっている深みがあれば狙い目です。胴付き仕掛けのエサとオモリを静かに落として着底させ、根掛かりに気を付けながら糸を少し弛ませて誘います。
時折、糸を張って聞きアワセをすると、不意に魚が掛かっていることもあります。根魚に岩の隙間へ潜られると引き離すのが大変なので、ヒットしたら一気に巻き上げましょう。
都心から行ける「チョイ磯」3選
ここからは、筆者が実際に釣行したことのある3カ所を紹介します。
東京湾「観音崎」
品川駅から京浜急行で「浦賀」方面へ向かい、「馬堀海岸」で下車。駅前から「観音崎」行きのバスに乗り、終点からポイントまで歩いてアクセスできます。週末は磯遊びをするファミリーも多い場所ですが、遊歩道沿いに灯台方面へ5分程度歩くと人も少なくなります。
観音崎灯台下のトイレ脇にある磯周辺では、干潮時で水位が低すぎなければ、ムラソイやカサゴなどを狙うことができます。2~3mほど投げて仕掛けを沈めると根魚が食ってきます。
釣れたカサゴ(提供:TSURINEWSライター菊池英則)筆者の過去の釣行では、曇り空で満潮に近いタイミングに、冷凍アサリをエサにして良型カサゴを複数キャッチできました。また、少し遠投したブッコミ仕掛けでアイナメを狙う釣り人もいるようです。
観音崎の磯(提供:TSURINEWSライター菊池英則)観音崎
相模湾「三ケ下海岸」
京浜急行「逗子・葉山」駅、もしくはJR横須賀線「逗子」駅からバスでアクセスします。海岸へ下りると小さな磯が見えるので、海況や潮位を確認し、無理のない範囲でポイントを選びましょう。比較的波が穏やかなときには、胴付き仕掛けを10m程度キャストして探ることができます。
魚がスレやすいポイントなので、1尾釣れたら別の場所へキャストして広く探るのがおすすめです。筆者は晴天時にサバの切り身をエサにして狙いました。カサゴは不発だったものの、良型のベラを複数キャッチ。何より、湘南の海との一体感を味わえるロケーションが魅力です。
ただし、潮位が上がると帰路が海水に覆われる可能性があります。釣行前に潮汐を確認し、上げ潮時は特に早めに引き返してください。
三ケ下海岸の磯(提供:TSURINEWSライター菊池英則)三ケ下海岸
三浦半島「城ヶ島西岸」
最後は知名度の高い三浦半島先端の「城ヶ島」です。京浜急行「三崎口」駅から「城ヶ島」方面のバスでアクセス。周辺には食事処や土産物店もあります。灯台へ向かう途中から西側へ進むと、「灘ヶ崎」という岬と「長津呂」と呼ばれる有名な釣り座の間に磯が連なり、入り江状になった場所があります。
城ヶ島の外洋に面した磯と比べれば波の影響を受けにくい場所ですが、天然磯であることに変わりはありません。海況を十分確認して楽しみましょう。筆者も広く投げて探り、アオイソメをエサにハタの幼魚やベラをキャッチしました。
城ヶ島には「灘ヶ崎」の先端や、島の南側にある「馬の背」など本格的な磯場もありますが、初心者がチョイ磯を楽しむなら、無理にそうした場所へ入らず、海況を確認しながら入り江側などで楽しむのがいいでしょう。
最悪、魚が釣れなくても、周辺にはマグロ料理を楽しめる店が多く、海上釣り堀もあります。釣りと観光を組み合わせて1日楽しめるスポットです。
城ヶ島西岸の磯(提供:TSURINEWSライター菊池英則)城ヶ島西岸
チョイ磯釣りで気を付けたいこと
「チョイ磯」とはいえ、天然の磯であることに変わりはありません。堤防とは異なる危険があることを理解したうえで楽しみましょう。
堤防と違って足場が悪い
まず注意したいのが足場です。水平に整備された堤防とは違い、天然の磯は岩でデコボコしています。転倒してケガをしたり、海へ転落したりする危険があります。滑りにくい履物を選び、ライフジャケットも着用しましょう。
不意の高波にも注意
今回紹介した場所でも、海況によって波の高さは大きく変化します。釣行前には天候や波の予報を確認し、少しでも危険を感じる状況なら磯へ入らない判断が必要です。
潮が満ちると帰れなくなることも
特に気を付けたいのが潮位の変化です。釣行前には必ず干潮・満潮の時刻を確認してください。行きは簡単にアクセスできた場所でも、釣りに夢中になっている間に潮が満ち、帰り道が海水に覆われてしまうケースがあります。特に上げ潮の時間帯は、磯が水面下に沈む前に十分な余裕を持って引き返しましょう。
堤防から一歩進んで磯釣りを楽しむには、魚の釣り方だけでなく、潮や波といった自然の変化を知ることも大切です。安全を最優先に、波しぶきを間近に感じられる天然磯ならではの海との一体感を楽しんでみてはいかがでしょうか。
<菊池英則/TSURINEWSライター>



