厄介な水辺の生物と戦う全国の高校生たち 外来種の水草から消臭剤を作る?

厄介な水辺の生物と戦う全国の高校生たち 外来種の水草から消臭剤を作る?

昨今問題視される「水辺の厄介生物」の対策のために立ち上がる、頼もしい若者たちがいます。

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サカナ研究所 その他

ジャンボタニシ対策を研究

いまや全国の水田に生息する外来生物の巻貝、ジャンボタニシことスクミリンゴガイ。普通のタニシと異なりイネそのものを食害し、しばしば大発生して水田の一角を丸裸にしてしまうことから嫌われています。

厄介な水辺の生物と戦う全国の高校生たち 外来種の水草から消臭剤を作る?ジャンボタニシ(提供:PhotoAC)

そんなジャンボタニシの被害について、ある自然食材を利用したユニークな対策が、奈良県の磯城野高校の生徒たちによって生み出されました。その食材とは「漬け梅」。

梅酒づくりで漬け込んだ後取り出した青梅を、ジャンボタニシの生息している水田に撒くと、ジャンボタニシたちはイネよりもその漬け梅を好んで食べるそうです。今後は長期間水田に残置した場合の影響などのデータを取り、研究を進めていくそうです。

史上最悪の水草の活用法を考える

全国2位の面積を誇る湖・霞ヶ浦をはじめとした数多くの湖沼を持つ茨城県。ここ数年、淡水中や水辺に繁茂する外来植物「ナガエツルノゲイトウ」が問題になっています。

ナガエツルノゲイトウは水中にも陸上にも生えることができ、小さな切れ端からでも発芽してあっという間に群落を作ります。丈夫な茎を縦横無尽に伸ばしほかの生物たちの生息域を奪ってしまうこと、対策や駆除が難しくあっという間に生息域を拡大していることから「史上最悪の外来生物」とまで呼ばれています。

厄介な水辺の生物と戦う全国の高校生たち 外来種の水草から消臭剤を作る?ナガエツルノゲイトウ(提供:PhotoAC)

そんなナガエツルノゲイトウの駆除を進めていくうえで「よいヒント」になりそうな発見が、同県の東洋大付属牛久高校の生徒たちによってなされました。

生徒たちは駆除されたナガエツルノゲイトウの活用方法を模索する中で、草体に含まれるポリフェノールの一種に、アンモニアの揮発性を抑える作用があることを発見。同様の効果が知られている緑茶ポリフェノールと同等の効力があることがわかり、消臭剤原料としての可能性が見出されたのです。

ナガエツルノゲイトウは抽水植物ということもあり、駆除に多くの手間、そして費用が掛かります。これを使った消臭剤が開発され、販売されればその売り上げで駆除費用の一部を賄えるようになるかもしれません。

養殖の大敵な魚の活用を見出す

全国各地の内湾で、近年「厄介者」扱いを受けているのがクロダイ。在来の魚ですが、近年の海洋温暖化等の影響で生息数が増大し、この魚が持つ雑食性、広い食性が、様々な養殖魚介類にとって脅威となっています。

厄介な水辺の生物と戦う全国の高校生たち 外来種の水草から消臭剤を作る?泳ぐクロダイ(提供:PhotoAC)

瀬戸内海沿岸部の岡山では、近年増えているクロダイが養殖のカキを盛んに食害することが問題になっています。タイなのだから漁獲すればいいと思う人もいるかもしれませんが、クロダイは食味の面ではマダイに劣るとされ、そのマダイが養殖によって大量に供給されるようになってからは市場価値が大きく下がっており、漁獲する人も減ってしまいました。

そんなクロダイについて、消費を喚起するための「美味しい料理」を、岡山県玉島商業高校の生徒たちが開発しました。IPU・環太平洋大学経済経営学部現代経営学科との共同チームが生み出した「クロダイ渾身飯」は、クロダイのほかに地元産のタケノコなどを用い、地産地消にこだわった「混ぜご飯の素」です。

岡山では伝統的にクロダイの炊き込みご飯「チヌ飯」が食べられてきた地域であり、その流れも感じさせる美味しそうなメニューとなっています。

<脇本 哲朗/サカナ研究所>

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