北海道の羅臼でフグが記録的豊漁! 高級魚が獲れているのに儲からない意外な理由とは?

北海道の羅臼でフグが記録的豊漁! 高級魚が獲れているのに儲からない意外な理由とは?

泣く子も黙る高級魚フグ。貴重な魚と思いきや、実はいま「在庫がダブついている」そうです。

(アイキャッチ画像提供:PhotoAC)

アバター画像 TSURINEWS編集部

サカナ研究所 その他

羅臼のフグが記録的豊漁

世界遺産である知床半島の南岸に位置する漁師街・羅臼。秋鮭やキンキなど人気の魚が水揚げされるこの町で最近、とある新顔が山のように水揚げされています。それは「フグ」。

北海道の羅臼でフグが記録的豊漁! 高級魚が獲れているのに儲からない意外な理由とは?水揚げされたマフグ(提供:PhotoAC)

ここ数年羅臼におけるフグの漁獲量が飛躍的に伸びており、15年前はほとんど無視できる程度の水揚げ量だったものが、昨年は500t以上の水揚げがありました。そして今年は現時点で昨年同時期の10倍の水揚げがあり、記録的豊漁となる見込みです。道内全体では2025年には2,600t程度の水揚げがあったそうで、これは全国のフグ水揚げの実に4割強となるそうです。

もともとフグは南方系の魚で北海道には少なかったのですが、海洋温暖化などの影響で生息域が北上し、現在は北海道周辺が生息適地になりつつあるとみられています。今後も水揚げは右上がりの傾向となっていく予想です。

獲れてるのに儲からない?

フグといえば超の付く高級品というイメージがある魚。それがたくさん獲れているとなれば漁師さんもさぞホクホクであろう……と思いきや、なかなかそうでない部分があるようです。

北海道の羅臼でフグが記録的豊漁! 高級魚が獲れているのに儲からない意外な理由とは?下関・唐戸市場(提供:PhotoAC)

フグという魚は非常に特殊で、全国のフグの価格が決まるのは生産地や大消費地ではなく、フグの取引が一番多い山口県下関市の市場となっています。北海道からは非常に距離がある関係で基本的には冷凍での流通となってしまい、本州内の各地から届く生のものと比べて商品力が弱く、価格も下がってしまうそうです。

加えて昨年から続く豊漁で在庫にだぶつきが発生していることも、価格が押し下げられる原因となっています。今月上旬時点での浜値はキロあたり82円と通常の半分近い水準まで落ち込んでいるといいます。

北海道のフグは有望

北海道でおもに漁獲されているのはマフグという種類で、トラフグやヒガンフグのような高級種では決してありません。しかし道産のマフグは本州産と比べると大きいものが多く、商材としてのポテンシャルは大きいといいます。

北海道の羅臼でフグが記録的豊漁! 高級魚が獲れているのに儲からない意外な理由とは?身欠きマフグ(提供:PhotoAC)

そのため下関や西日本方面だけではなく、近隣地域や道内での消費量を増やしていくことで、全国的な需要に左右されず価格を維持することを目指す向きもあります。道内では以前はフグの漁獲がほとんどなかったこともあり、フグの需要がほとんどなかったのですが、近年は唐揚げや鍋の具材などで少しずつ食べられるようになってきたそうです。

筆者も以前北海道産のマフグを食べたことがありますが、やや水分が多いもののしっかりとした食感もあり美味しいフグでした。高級路線ではなく「身近で食べやすく美味しい総菜魚」のポジションで広まっていけばいいなと思っています。

<脇本 哲朗/サカナ研究所>

「釣り好き歓迎」求人情報求人情報を掲載希望の方はコチラ

さらに求人情報を見る
さらに求人情報を見る