夏は本来、釣り人にとって活動的な季節である。日照時間が長く、仕事を終えてからのナイトゲームもしやすい。しかし、近年の夏は少し事情が違う。猛暑日が連続し、水温も高い状態が長く続く。魚の活性が極端に落ちたり、短時間しか捕食しなかったりすることで、釣りそのものが成立しにくい日も増えてきた。そんな時期に無理やり釣りを続ける必要はない。むしろ一度ロッドを置いて、釣り人自身の「夏休み」にしてしまうのも悪くない。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター・井上海生)
釣りに行かないという選択
高水温期になると、釣り場へ行けば必ず魚が釣れるという状況ではなくなる。特に湾奥では水温上昇や潮通しの悪さなどが重なり、普段なら実績のあるポイントでも反応がほとんどないことがある。
もちろん、魚が完全にいなくなったわけではない。潮が効く時間帯や水の動く場所を狙えば釣果を得られる。しかし、何時間も粘ってようやく一匹という状況なら、そこまでして釣りをする必要があるのかと考えてしまう。
釣りは趣味で義務ではない
暑さで体力を削られながら、魚の反応もほとんどない場所で延々とキャストを続けるより、思い切って休む方が次の釣行へのモチベーションも維持しやすい。
釣れないからやめるのではなく、季節に合わせて釣り方を休む。そう考えれば、ストップフィッシングも決して後ろ向きな選択ではない。
魚を食べて夏を楽しむ
では、釣りを休んで何をするのか?
筆者の場合、今年は魚を食べることにした。
食べることにお熱(提供:TSURINEWSライター・井上海生)釣り人はどうしても「魚=釣るもの」と考えてしまう。しかし、魚は食べても非常に面白い。自分で釣った魚を食べるのとはまた違い、魚料理を専門店や飲食店で味わうことで、普段自分が狙っている魚を別の角度から見ることができる。
旬の魚を食べ、その味や食感を楽しむ。料理方法を知れば、「この魚はこう食べると美味しいのか」と新しい発見もある。
釣りに行けないから仕方なく食べるのではない。魚食そのものを一つの趣味として楽しむのである。
釣り人にとって、これは意外と有意義な時間だと思う。普段なら「釣れるかどうか」ばかり考えている魚を、純粋に料理として味わうことで、魚そのものへの興味も深くなる。
短時間釣行という選択
完全に釣りをやめる必要もない。どうしても竿を振りたいのであれば、釣行時間を短くするという方法がある。
真夏のチニングなら、一晩中粘るのではなく、夕まずめから日没直後までの時合いだけを狙う。朝まずめを狙って短時間で切り上げるのもいい。
チニングも短時間で(提供:TSURINEWSライター・井上海生)重要なのは、魚が捕食する可能性の高い時間に集中することだ。高水温期は魚が一日中活発に動いているとは限らない。潮が動くタイミングや水温が比較的安定する時間帯に、短時間だけ捕食スイッチが入ることがある。ならば、その時間に合わせて釣りに行けばいい。
「釣りに行くか、行かないか」の二択ではなく、「短時間だけ釣る」という第三の選択肢を持つことで、真夏の釣りはかなり楽になる。
秋に向けて勉強する
そして、釣りを休んでいる時間は、次のシーズンに向けた準備期間にもなる。
釣行記録を読み返して、どの潮回りで釣れたのか、どの時間帯に魚が集中していたのかを整理する。タックルボックスを整理し、使っていないルアーを確認する。ラインを巻き替えたり、フックを交換したりするのもいい。
静かに過ごす夏(提供:TSURINEWSライター・井上海生)魚について勉強するのも面白い。これまで何となく狙っていた魚について、生態やベイト、季節ごとの行動パターンを調べてみる。そうすると、これまでの釣行で起きていたことが別の角度から見えてくることがある。
長い夏が終われば、釣り物は一気に増えてくる。その時に万全の状態で釣りを再開するためにも、今は休んでおく。釣り人にとって夏休みとは、単に釣りをしない期間ではない。魚を食べ、知識を蓄え、道具を整え、秋への期待を膨らませる時間である。
<井上海生/TSURINEWSライター>

