渓流餌釣りには数多くの専門用語があるが、その中でも「釣れる」に直結する言葉として、「ウケ」というものがある。今回は、釣果を得辛いこの季節であっても良型が出る可能性が高いポイント、「ウケ」にフォーカスしてみよう。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター・荻野祐樹)
ウケとは何か
まずは「ウケ」は何を意味する言葉なのかをみていこう。
ウケの概念
ウケというのは、川の流れを「受け」ている障害物のこと。
これがウケ(提供:TSURINEWSライター・荻野祐樹)一般的には、水流が障害物にぶつかることにより、その周囲(主に前面)の流れが変化している場所を指す。ゴロゴロした岩が多い渓流釣りにおいて、代表的ともいえるポイントだ。
水中にある岩
川底にはいくつもの岩が点在している訳だが、その中で特に「流れを受けている物を」ウケと呼ぶことが多い。水面から出ている・出ていないは関係が無く、流れがぶつかっていることが重要だ。
ヒラタはウケの住人(提供:TSURINEWSライター・荻野祐樹)代表的な川虫であるヒラタはまさにウケで採集することが多いのだが、これも渓流餌釣りの大きなヒントになり得るだろう。
岩だけではない?
岩盤がめくれ上がって流れを直に受けているようであれば、それをウケと呼ぶこともある。大きなカケアガリ状の底も、上記の要件を満たしていればウケと呼んで差支えは無いが、厳密にはやや異なることを理解しておきたいところ。
著者は誰かに説明する際、「ウケ状になっているカケアガリに……」と話すことが多い。
なぜ好ポイント?
ウケは岩に流れがぶつかることにより、岩の前面が周囲に比べて少しエグれて、やや深くなっていることが多い。これにより流れ自体が僅かに緩やかになり、かつ障害物に当たるため、上層に吹き上がるような流れと底に向かう流れが出来る。結果、流されてきた川虫が一瞬漂う状態となるため、渓魚としては楽に捕食が出来る状況が整っている。
どんなウケが狙い目?
続いて、どのようなウケが狙い目となるかを見極める方法をみていこう。
川底から突き出す
一見平坦に見える川でも、川底は変化に富む。中でも大きめの岩が川底からニョキっと突き出るようになっていたり、複数の岩が固まっていたりして、かつ全体が水没しているような岩の周囲は最高のポイントだ。
積極的に狙いたい(提供:TSURINEWSライター・荻野祐樹)瀬尻にある
瀬には平坦な平瀬と深い瀬(深瀬)、階段のようになっている段々瀬等があるが、一段低くなる場所に流れ込んでいる場所があれば、その流れ込みのすぐ上・直前が「ウケ」としては最高だ。勿論、流れ込み直下も好ポイントなので両方を攻めたいところだ。
上下ともに狙い目(提供:TSURINEWSライター・荻野祐樹)巨大な岩の周囲
淵や流れ込み、滝壺といった場所にある巨大な岩の周囲は、強い流れを受け止めているために周囲が大きくエグれて深くなっていることが多い。このような場所は大型の期待大だ。
周囲を狙う
一級ポイントは当然ながらウケの前になるのだが、案外周囲で良型が出ることもある。ウケの後ろは流れが緩やかになっているため、増水時はこちらが一級ポイントになりえる。
また、高活性時はウケの両サイドで食ってくることもある。ウケになる岩が二つ連なっていたりすれば、その間が俗にいう「絞り込み」となり、この場所や直下で食ってくることも多い。
周囲も好ポイントだらけ(提供:TSURINEWSライター・荻野祐樹)こちらの画像ではウケを四角で囲ったが、この周囲全てがポイントになる。実際この画像に写っている全域でアタリが出ているので、しっかり見極めて仕掛けを流したいところだ。
どうやって攻める?
このように様々な好条件が重なっているウケだが、ここからはどのように攻めていくかを紹介しよう。
流れを読む
渓流餌釣りの基本だが、まずは流れを観察することから開始しよう。この時、「どの筋がウケとなる場所に向かっているのか」を探し出すことが非常に重要だ。流れを読み違えて小型が食い暴れてしまえば、一級ポイントであるウケにいる良型を警戒させることになる。流す際は慎重にいこう。
水深を読む
渓流の川底は、水深が一定ではない。かつ、狙い目となるウケの周囲は一段階深くなっている。状況によっては浅い場所に投入し、その後に一段階深い場所へと送り込むことになるので、筋全体の水深をある程度把握する必要がある。普段よりワンランク重いオモリを使用するのも良いだろう。
投入点が重要
流心の尻にウケがある場所は最高のポイントだが、流心に仕掛けを投入すると、あっという間に表層をなぞって流されるだけ、ということも多い。かといって過度に重くすると根掛かりのリスクが大幅に増す。
狙う筋の近くにある緩やかな流れの場所でしっかりと仕掛けを馴染ませ、そこから竿を引いて狙いの流れへと引き込むのが良い。
竿の操作
仕掛けを流れに引き入れたら、底流れの速度に合わせて竿をゆったりと下流側へ動かしていくのだが、僅かに深くなっている場所では竿先をほんの少し下げてやるロッドワークも重要となる。
時にオモリが川底を叩く感触を感じながら、エサ先行で流していくイメージだ。
アタリの出方
ウケの周囲にいるのは良型であることが多く、その場に留まるように食ってくるため「目印が止まる」「目印が細かく震える」「目印を押さえ込む」の3パターンが多いように感じている。
ウケは良型の宝庫(提供:TSURINEWSライター・荻野祐樹)エサのサイズに合わせてアワセを入れるのだが、アタリが出る場所に到達している時点で綺麗に流れていることが決定的なため、ほんの一瞬送り込んでからしっかりとアワセを入れるのが良いだろう。
良いウケを見つければアドレナリン全開!?
渓魚というのは、流れ的に優位な場所に良型が着き、そこから外れた場所に小さな個体が着く傾向にある。ウケというのは渓魚にとって非常に快適な環境なので、仕掛けが上手く到達してアタリが出れば、超高確率で良型なのだ。
実際これまでに著者が仕留めてきた良型は、尺を含めて大半がウケでヒットしている。川底を注意深く観察した上で、積極的に狙ってみてほしい。
<荻野祐樹/TSURINEWSライター>


