岩壁を越え、滝を巻き、深い山奥で渓魚を追う――。近年はYouTubeでも山岳渓流や源流釣りの動画が数多く公開され、その世界に憧れる人も増えています。一方で、初めの一歩を踏み出せない人も多いはず。そんな人に向けて、今回は山岳渓流デビューにおすすめしたい、大井川上流の椹島(さわらじま)の魅力を紹介します。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター夏野)
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椹島ロッジで山小屋泊
南アルプスの玄関口にある椹島ロッジは、山岳渓流を始めてみたい人におすすめの拠点です。
椹島ロッジ(提供:TSURINEWSライター夏野)山小屋というと雑魚寝をイメージする人もいるかもしれませんが、椹島ロッジにはエアコン付きの個室も用意されており、入浴施設も完備。汗を流したあとに温かい食事を楽しみ、翌日の釣りへ万全の状態で臨めます。
エアコン付きの個室でぐっすり(提供:TSURINEWSライター夏野)さらに、宿泊者専用バスを利用すれば一般車では入れない椹島までアクセスできるため、「長い林道歩き」という山岳渓流最大のハードルもぐっと下がります。
ロッジ宿泊者はバスの送迎付き(提供:TSURINEWSライター夏野)ロッジの目の前で釣りが出来る
椹島ロッジ最大の魅力は、宿を出てすぐ釣りを始められることです。目の前を流れる大井川は透明度が高く、南アルプスらしい雄大な景色が広がります。ロッジ周辺は比較的平坦な河原が多く、遡行しやすい地形。
すぐ裏を大井川の清流(提供:TSURINEWSライター夏野)入渓退渓ポイントに迷いにくい
また、林道が並走している区間もあるため現在地を把握しやすく、初心者でも入渓・退渓ポイントに迷いにくいのも安心材料です。もちろん山岳エリアなので、天候の急変や安全装備への備えは欠かせません。
しかし、「源流釣りはベテランだけの世界」というイメージを覆してくれるフィールドであることは間違いありません。
歩きやすく遡行もしやすい(提供:TSURINEWSライター夏野)初心者にはテンカラがおすすめ
これから山岳渓流を始めるなら、個人的にはテンカラをおすすめします。必要なのは竿とライン、毛バリを中心としたシンプルな道具だけ。荷物を最小限に抑えられ、複雑なキャストも必要ないため、渓流釣りが初めてでも扱いやすい釣法です。
山岳渓流では「できるだけ身軽に歩けること」が大きなメリットになります。
アマゴに気分が盛り上がる(提供:TSURINEWSライター夏野)遊魚券は事前購入がおすすめ
椹島周辺を管轄するのは井川漁協です。遊魚券はスマートフォンアプリ「つりチケ」で事前購入できるほか、釣具店や椹島ロッジでも購入可能。当日に慌てないためにも、事前に準備しておくと安心です。
椹島から木賊堰堤まで歩いてみた
今回は椹島から木賊(とくさ)堰堤までをテンカラで釣り上がりました。朝6時、ゆっくり支度を済ませてスタート。澄み切った空気の中、磨かれた岩肌と透明度抜群の流れが続く渓相は、まさに南アルプスらしい絶景です。
毛バリを流れへ送り込むと、すぐに水面を割って渓魚が飛び出しました。最初に姿を見せたのは25cmほどの良型アマゴ。鮮やかなパーマークが朝日に映え、山岳渓流らしい美しさに思わず見とれてしまいます。
木賊堰堤下流100mは釣り禁止(提供:TSURINEWSライター夏野)渓魚がコンスタントにヒット
その後も好ポイントではイワナやアマゴがコンスタントにヒットし、気付けば木賊堰堤へ到着。十分に釣りを満喫しても、まだ時刻は午前10時前でした。
魚だけではない山岳渓流の魅力
山岳渓流は魚を釣ることだけが魅力ではありません。森を吹き抜ける風。清流のせせらぎ。澄み切った空気。人の気配がほとんどない静かな時間。こうした自然そのものを全身で味わえることこそ、山岳渓流最大の魅力ではないでしょうか。
魚との出会いだけでなく、山で過ごす贅沢な時間そのものが、何度でも訪れたくなる理由なのだと思います。
風呂上がりに屋外で生ビール(提供:TSURINEWSライター夏野)いつかをこの夏に変えてみよう
YouTubeで見る山岳渓流は、険しい岩場を越え、深い山奥へ分け入る憧れの世界です。だからこそ、最初の一歩は無理をする必要はありません。まずは快適な山小屋を利用し、安全な装備を整え、歩きやすい渓流で源流釣りを体験する。
そうして少しずつ渓の歩き方や危険への備え、魚との駆け引きを覚えていけば十分です。南アルプス・椹島は、その第一歩を踏み出すには最高のフィールドだと思います。
ご飯のお代わり自由の夕食。(提供:TSURINEWSライター夏野)「いつか行ってみたい」という憧れを、「この夏、行ってみよう」という行動に変えてみませんか。その一歩が、山岳渓流という新しい世界への入口になるはずです。




