どんな釣りでも、釣れない時間との付き合い方が釣果を大きく左右する。釣りを始めたばかりの頃は30分ほど反応がないだけで「今日は魚がいない」と決めつけてしまいがちだ。しかし経験を重ねると、釣れない理由は決して一つではないことが分かってくる。魚がいないのではなく時合い前だったり、レンジが少し違うだけだったり、ルアーへの反応が鈍いだけだったりすることも多い。釣れない時間をどう考え、どう行動するかは、ライトゲームが上達するうえで非常に重要な要素なのである。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター井上海生)
釣れない理由は一つではない
アタリがないからといって、すぐに「今日はダメ」と結論を出す必要はない。まず考えたいのは、魚はいるのか、活性が低いのか、それとも時合いがまだ訪れていないだけなのかという点である。
同じポイントでも、潮が動き始めた途端に連続ヒットすることは珍しくないし、日没直後や完全に暗くなった瞬間だけ反応が集中する日もある。
時合いを知ろう(提供:TSURINEWSライター井上海生)また、魚はいてもレンジが違うだけというケースも多く、表層で反応がなくても中層やボトムへ落とすと一投目で食ってくることもある。釣れないという結果だけを見て判断するのではなく、その理由を一つずつ整理していくことが大切なのである。
変えるべきものを探す
反応がない時間は、状況を変えるチャンスでもある。まず見直したいのはレンジである。表層、中層、ボトムを順番に探るだけでも魚の反応は大きく変わる。次にジグヘッドの重さやワームカラーを変えてみる。同じコースでもフォールスピードが変わるだけで口を使う魚は少なくない。
ルアーもかえてみる(提供:TSURINEWSライター井上海生)さらに立ち位置を数メートル変えるだけで潮の当たり方が変わり、急にアタリが出ることもある。岸壁の角や明暗の境目、潮が当たる場所など、魚が着く場所は思っている以上に限定されている。釣れない時ほど「何を変えればいいか」を考えながら探ることで、次の一尾へ近づいていく。
待つ勇気と動く勇気
一方で、何でもすぐ移動すればいいというものでもない。潮止まり前後など、単純に時合い待ちが正解となる日もある。何十分も反応がなかったのに、潮が動き始めた瞬間から連続で釣れ始める経験は多くのライトゲームアングラーがしているはずだ。
反対に、一時間以上探ってもベイトの姿がなく、潮にも変化が感じられないのであれば、思い切ってポイントを変える判断も必要になる。待つべきか、動くべきか。その判断は簡単ではないが、自分なりの根拠を持って決断することが大切である。
経験が判断力になる
こうした判断力は、一度の釣行では身に付かない。釣れなかった日、あと少し待てば釣れた日、逆に早く移動して正解だった日。そのすべてが経験となり、次の釣行で生きてくる。筆者も釣果だけではなく、その日の潮位や風向き、海水温、ベイトの有無までできるだけ記録するようにしている。
後から見返すと、苦戦した日にも共通点があり、自分なりの判断基準が少しずつ形になっていく。釣れない時間は退屈に感じるかもしれないが、実際には最も多くのことを学べる時間でもある。
退屈している時間もタメ(提供:TSURINEWSライター井上海生)ライトゲームでは、釣れない時間を「無駄な時間」と考えるか、「情報を集める時間」と考えるかで成長のスピードは大きく変わる。魚がいないと決めつける前に、レンジ、リグ、立ち位置、潮の変化、時合いなど、一つずつ可能性を消していくことが重要である。
その積み重ねが経験となり、やがて「今日はもう移動した方がいい」「あと30分待てばチャンスが来る」といった判断につながっていく。爆釣した日だけが釣り人を成長させるわけではない。むしろ苦戦した日の試行錯誤こそが、次の一尾を引き寄せる最大の財産なのである。
<井上海生/TSURINEWSライター>



