琵琶湖の「南湖」で在来魚の増加が確認される 水質改善と外来生物の駆除が奏功か

琵琶湖の「南湖」で在来魚の増加が確認される 水質改善と外来生物の駆除が奏功か

日本最大の湖である琵琶湖は世界でも唯一の生物多様性を誇りますが、それを支えている「1%」の部分に最近よい変化が起きています。

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琵琶湖の「南湖」で在来魚が増加

日本最大の湖であり、それが位置する滋賀県の1/6を占める琵琶湖。北湖と南湖の二つに分けられますが、南湖は琵琶湖大橋より南側の、琵琶湖全体の1割程度しかない部分です。水深も浅いため、南湖の水量は琵琶湖全体の1%未満にすぎません。

そんな南湖では以前より環境の悪化が悩みの種となっていました。今でも南湖についてウェブ検索しようとすると「南湖 水質 悪い」「南湖 環境汚染」といったサジェストが出てくるほどです。

琵琶湖の「南湖」で在来魚の増加が確認される 水質改善と外来生物の駆除が奏功か中央の橋より右上が南湖(提供:PhotoAC)

しかし先日、そんな南湖についてうれしいニュースがありました。生物多様性科学研究センターの研究により、南湖における在来魚の生息数に増加の兆しがみられることが分かったそうです。

水深が浅く入り江が多い南湖は、多くの在来生物が産卵を行う「琵琶湖のゆりかご」的存在です。そこにおいて在来魚が増えているということは、琵琶湖全体の多様性保全につながる素晴らしい話なのです。

なぜ環境が改善したの?

しかしいったいなぜ、南湖で在来魚が増えたのでしょうか。

水質汚染の改善

まず大きな要素として「水質汚染の改善」があげられます。下水道が整備されて各種の排水が直接南湖、またはその流入河川に入っていかなくなったこと、また水中のリンなどを吸収し水質改善に寄与するヨシ(植物)が増えるよう、湖畔のヨシ原を復元整備したことなどが効果を上げています。ヨシ原は在来生物の産卵の場にもなるため一石二鳥となる取り組みです。

外来生物の排除

琵琶湖の「南湖」で在来魚の増加が確認される 水質改善と外来生物の駆除が奏功か琵琶湖博物館のブラックバス(提供:PhotoAC)

またそれに加え、「外来生物の排除」も効果的な取り組みであると評価されています。ブラックバスやブルーギルなどの魚食性の強い外来魚は、漁協による電気ショッカー等を用いた駆除が効果を上げ、かつての1/10ほどにまで減少しました。また南湖ではその浅さゆえに外来水草の侵入、それによる湖畔環境の悪化が懸念されていましたが、人海戦術での抜き取り駆除が効果を上げ、繁茂面積が大きく減少しているそうです。

アメリカナマズが新たな危機

いい傾向ばかりに見える南湖の環境ですが、しかし今また新たな脅威が忍び寄っています。それは「アメリカナマズの侵入」です。

琵琶湖の「南湖」で在来魚の増加が確認される 水質改善と外来生物の駆除が奏功かアメリカナマズ(提供:PhotoAC)

アメリカナマズは正式名をチャネルキャットフィッシュというナマズの一種で、かつて食用としてアメリカから移入されたものの多くの場所で事業がとん挫し、廃棄や密放流、逸出などによってわが国の環境に移入されました。貪欲で何でも食べる肉食魚で、あっという間に増殖し在来生物に悪影響をもたらすため、特定外来生物に指定されています。

琵琶湖では下流の瀬田川で大量のアメリカナマズが繁殖しており、瀬田洗堰という堰で遡上を止めてはいるものの、大雨の後などで堰が解放されるたびに乗り越え、琵琶湖南湖に侵入しています。滋賀県では洗堰の上流で水際駆除作戦を継続し、懸命の対策をしているそうです。

<脇本 哲朗/サカナ研究所>

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