渓流餌釣り歴約15年の著者は、先日「渓流餌釣りの難しさ」という記事を執筆させていただいた。今回は逆に、「こうすれば渓流餌釣りは簡単だな」と感じられた様々な要素についてフォーカスしてみたい。渓流餌釣りを始めたいが「難しそうだな」と躊躇している方への参考になれば幸いだ。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター荻野祐樹)
重要な場所選び
まずは、渓流餌釣りにおいて大変重要な場所選びだ。釣りそのものがイージーになるかどうかは、この段階でほぼ決まると言っても過言ではない。
成魚放流を狙う
いきなり自然渓流に入り、天然魚を探すのは初心者の方々にとって容易ではない。最も良い方法は、成魚放流が行われている川を選び、放流日に放流場所へ行く事だ。
ここで自然河川での流し方や、放流魚の食い方を見て様々な事を学ぶのが手っ取り早い。直近に成魚放流が無い場合は、管理釣り場で学ぶのもオススメだ。
放流魚で勉強する(提供:TSURINEWSライター荻野祐樹)狭い支流
広大な本流はポイントを絞りにくいばかりか、水深があって底の状態も把握し辛く、複雑な流れにより仕掛けを流すのも難しい。本流の川幅に合わせた長竿はかなりの重さのため、扱うのも一苦労だ。一方狭い支流であれば、3・6m~4・5m程度の軽くて扱いやすいズーム竿が大活躍する。
さらに、ポイント自体が狭い分攻める場所が大変判りやすいのでオススメだ。勿論、成魚放流や稚魚放流が行われている河川なら、魚影が濃いためさらに確率アップだ。
攻めるべき場所が分かりやすい(提供:TSURINEWSライター荻野祐樹)開けた場所や里川
狭い支流は釣りやすいものの、頭上や足元に多数の植物が生えていることもあり、釣り辛い場所も多い。里川などの開けた場所なら障害物を気にすることなく竿を振れるので、初心者でも釣果を得やすい。
里川は意外と釣れる(提供:TSURINEWSライター荻野祐樹)釣れている場所チェック
漁協のHPには、地元の名手がどのエリアで釣果を得ているか、といった事を紹介していることが多い。前日に名手が入っているならば期待は薄いが、渓魚は条件が整った場所に着く(再び魚影が戻ってくる)ので、日を空けて入渓すれば釣果を得やすいのだ。
釣りの前に行う工夫
渓流餌釣りにおいて「こうすれば釣れる」という確実な要素はほぼ無いものの、それに限りなく近づけることは可能だ。順にみていこう。
引き水を狙う
6月~7月の渓は雨がよく降るので、川はやや増水した状態である事が多い。水位がやや高く、ささ濁りが入った状況であれば、警戒心が薄れて荒食いが期待できる。また、渇水時よりも雨後の引き水を狙うと確率がぐっとアップする。
川虫を使う
著者が知る限り、初心者の方ほど餌採りを行わずに「餌を購入」することが多い様に思う。釣果への一番の近道は現地で餌を採集する事、即ちマッチ・ザ・ベイトなので、まずは川虫の採り方・管理方法をしっかりと知ってほしい。
雨がよく降る6月~7月のオススメは、確実かつ簡単に採集できるクロカワムシだ。梅雨明け以降渓魚は陸生昆虫をよく食べるようになるので、ブドウムシを購入してもいい。
こちらがクロカワムシ(提供:TSURINEWSライター荻野祐樹)仕掛けストックは多めに
渓流釣りの仕掛けを現地で組もうとすると、長竿の先端に直接セットするタイプの仕掛けを組む事になるので、中々に面倒だ。事前にストック仕掛けを多数用意しておくことで、無駄な時間を大幅にカットする事が出来る。初心者の場合、10セットは必要だろう。
偏光サングラス必須
渓流釣りの道具で何にお金をかけるべきかと問われたら、著者は迷わず偏光サングラスと答える。底の状況が手に取るように判り、釣りそのものだけでなく遡行時の安全も確保されるので、ぉちらは必ず用意してほしい。
実釣時の工夫
最後に、きちんと知っておくべき釣り方の工夫について紹介したい。
入渓時の注意
いきなり川に入る、ポイントへ不用意に近づくというのは絶対にやってはいけない。水面に自身や竿の影を落としただけで警戒されることも多々あるためだ。川からはかなり距離を空けて支度し、川に近づくのはそれからだ。
いきなり投入せず川を観察
初心者の方ほど、釣り場に着いたらいきなり仕掛けを投げがちだ。まずは川の流れや岩の位置をしっかりと把握し、そこからどの場所に魚が付いているかを考えよう。さらに、その場所はどの流れの延長線上にあるかを判断する。要は川をしっかりと観察するのが釣果への近道というわけだ。
流れのない場所へ投入
いきなり流れの中へ投入しても、あっという間に仕掛けが水面近くを流されて終わりだ。まずは狙いたい流れの近くにある、岩裏のヨレなど「流れのない場所」に仕掛けを投入して馴染ませよう。
その後、ゆっくりと流れに向かって竿を動かし、流れの中に引き入れるようにすると、実に簡単に流れてくれる。「渓流餌釣りでは意外と竿を動かす機会が多い」と心得ておこう。
食う場所の予測
上手く仕掛けが流れたら後はアワセだが、これは「食う場所の予想が出来ているか」が非常に大きなウェートを占める。ここぞという場所で反応が出たならば、反射的にアワセを入れるだけで十分に対応可能だ。
とはいえ、最初は予期せぬ場所で当たる事も多いはず。投入後はいつでもアワセを入れられる心づもりをしておくだけで、フッキング率は随分と変わるものだ。
実際に意識する場所(提供:TSURINEWSライター荻野祐樹)取り込みは焦らない
見事アワセが決まったら、間違いなくアドレナリン全開だ。早く取り込みたいと感じるだろうが、極細糸を使用する渓流餌釣りでは、流れに乗った20cm程度の獲物ですらラインを切っていく可能性がある。
慌てず竿のパワーを信じ、魚が暴れている最中は何もしないのが鉄則だ。ある程度動きが落ち着いたら水面に浮かせて空気を吸わせ、無理に引き抜こうとせず、水面を滑らせるようにして寄せてくる。最後はタモを使って、魚の頭側から一息に掬い取るのが良いだろう。
感動の対面だ(提供:TSURINEWSライター荻野祐樹)カンタンは工夫と考え方次第
自然を相手にする釣りは、思うようにいかない事も多々あるだろう。だが、しっかりと考えて創意工夫を凝らす事で、確率を大幅に上げることは十分に可能だ。今回紹介した内容を消化することが出来たならば、後は実践あるのみ。経験値を得る為にも、足繁く渓へ通ってみてほしい。
<荻野祐樹/TSURINEWSライター>




