春のライトゲームを代表する魚といえばメバルである。常夜灯周りや藻場でライズし、表層をゆっくり引くだけで反応することも珍しくない。しかし梅雨が近づく頃になると状況は一変する。春には簡単に見つかった魚が急に姿を消し、釣り人を悩ませるようになる。毎年のように聞かれるのが、メバルはどこへ行ったのかという疑問だ。今回は梅雨前後に起きるメバルの行動変化について考えてみたい。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター・井上海生)
春の主役だったメバル
春のメバルは非常に分かりやすい魚である。産卵後の回復も進み、水温上昇とともに活発にエサを追うようになる。特に3月から5月にかけては表層付近での捕食が目立ち、ライトゲームの人気ターゲットとなる。
夜の常夜灯周りではライズも発生しやすく、プラグや軽量ジグヘッドによる表層攻略が成立する。初心者でも比較的結果を出しやすい時期であり、まさにメバルシーズンの本番と言える。
春の小さなメバル(提供:TSURINEWSライター井上海生)しかし春の好調は永遠には続かない。毎年5月後半から6月にかけて、急に魚の反応が減ったように感じる日が増えてくる。春の感覚で同じ釣りを続けてもアタリが出なくなり、魚が消えたような印象を受けるのである。
消えたように感じる理由
実際にはメバルが全ていなくなったわけではない。釣り人が魚を見失っているケースが非常に多い。
春は表層付近で積極的に捕食していた個体が、季節の進行とともにレンジを変えることがある。表層だけを探っていても魚が見つからなくなるため、消えたように感じるのである。
また藻場の成長も影響する。初夏になると海中の藻は大きく発達し、魚が隠れられる場所が増える。春にはオープンエリアで見えていた魚が、藻の中や周辺へ散ってしまうことも珍しくない。
さらに大型個体ほど警戒心が強くなり、簡単には口を使わなくなる傾向もある。春のような派手なライズが減るため、釣り人からすると魚が消失したように映るのだ。
水温上昇との関係
メバルの行動変化には水温も深く関係している。およそ20℃。もちろん20℃になった瞬間に消えるわけではない。しかし20℃前後は一つの目安として考えられることが多い。
水温上昇に伴い、魚はより快適な環境を求めて移動する。浅場に残る個体もいるが、潮通しの良い場所や少し深いレンジへ移る魚も増えてくる。特に湾奥ではこの傾向を感じやすい。
春には岸際で簡単に反応した魚が、初夏には沖向きや潮の当たる場所でしか見つからなくなることもある。また高水温期に強いカサゴやチヌなどが目立ち始めるのもこの時期である。釣り人側も対象魚の入れ替わりを意識する必要が出てくる。
メバルが減ったというより、海の主役が少しずつ変わり始める季節と言った方が正確かもしれない。
少しずつサイズダウンする印象も(提供:TSURINEWSライター井上海生)終盤戦の探し方
それでも梅雨時期にメバルがまったく釣れなくなるわけではない。むしろ探し方を変えれば十分反応を得られる。
まず重要なのは潮通しである。湾奥の停滞した場所よりも、流れの効くポイントの方が期待できる。漁港なら外向き、防波堤なら潮が当たる側を優先したい。
常夜灯周りも依然として有力である。ベイトが集まりやすく、小型ながら魚が残っているケースも多い。
またレンジを決めつけないことも重要だ。春の感覚で表層だけを引き続けるのではなく、中層やボトム付近まで丁寧に探る必要がある。プラグとジグ単を使いわけ、幅広いレンジを確認していこう。
プラグもおりまぜてみる(提供:TSURINEWSライター井上海生)梅雨で動き方が変わる
メバルは梅雨前後になると確かに難しくなる。しかしそれは魚が消えたからではなく、行動パターンが変化しているからだ。春の延長線上で考えると見失うが、季節の進行に合わせて探し方を変えればまだ十分に狙うことができる。
春の主役だったメバルは、梅雨を境に少しずつ姿を変える。だからこそ終盤戦には終盤戦ならではの面白さがある。魚がどこへ行ったのかを考えながら追い続けることも、ライトゲームの大きな魅力なのである。
<井上海生/TSURINEWSライター>


