黒潮大蛇行が終息した影響もあり、昨年と比べて水温の上昇が遅れている2026年。それでもそろそろ石物シーズンが始まる頃だろうと考え、6月16日に西伊豆の地磯へ釣行してきた。今回は、餌代0円の「貧乏石物」スタイルで挑んだ釣行の様子をレポートしたい。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター・永井航)
貧乏スタイル石物釣り?
イシダイやイシガキダイを狙う石物釣りは、お金が掛かる釣りとして知られている。タックルも高価なものが多いが、特に馬鹿にならないのが餌代だ。
餌店でサザエやウニ、ヤドカリなどを購入すると、1釣行で1万~2万円ほど掛かることも珍しくない。さらに沖磯へ渡れば渡船料も必要になる。しかし、工夫次第で出費を抑えることも可能だ。
餌代を0円にする!
ズバリ、釣行ごとの餌代を0円にしてしまえばいい。必要なのは気合いとルール確認。そして餌となる生き物を自分で採集することだ。私はこのスタイルを「貧乏石物」と呼んでいる。
カニを採集(提供:TSURINEWSライター・永井航)今回採集したのはイワガニとイソガニ。そのため釣りの前夜、港や内湾の小磯でカニ捕りからスタートした。太平洋側では干潮時が狙いやすい。カニはそこまで素早くないため、軍手などを着用して捕まえ、バケツへ入れていくだけだ。
そのほか、ジンガサ(マツバガイ)やオニヤドカリ、ガンガゼなども採集できる。
漁業権は事前に要確認
ただし注意したいのが漁業権だ。ジンガサやガンガゼは、地域によって「雑貝」や「ウニ類」として漁業権の対象になっている場合もある。余計なトラブルを避けるためにも、採集予定地のルール確認は必ず行いたい。
餌を確保できれば、貧乏石物の準備はほぼ完了。あとは釣るだけだ。
タックル紹介
私が使用している石物タックルは、もはやビンテージと言っても差し支えない。竿は小笠原20号、リールはシーラインSL20SH。どちらも私より10歳以上年上のタックルだ。
ラインはPEライン8号にフロロカーボンライン24号リーダーを接続。今回はガンガゼを持ち込んでいないため、仕掛けはフロロカーボンライン仕掛けを選択した。
ハリスはフロロカーボンライン14号を30~40cm、針はカットヒラマサ13号。パワーオヤコを使用した簡単な捨てオモリ式の胴付き仕掛けで、捨て糸はフロロカーボンライン6号を約1m取った。
オモリは潮流に対応できるよう40号まで持参。カニは縦半分に切ったり、足とハサミを外して胴体だけを使ったりと、餌取りの状況に応じて使い分けた。
磯釣りには背負子が便利
余談だが、地磯釣行では背負子も用意しておきたい。ルアー釣りなら不要だが、餌やピトン、オモリなど重い荷物が多い石物釣りでは必需品と言っていい。
背負子(提供:TSURINEWSライター・永井航)特にフカセ釣りやカゴ釣りなど撒き餌を使う釣りでは背負子ひとつで移動の負担が大きく変わる。また、両手が空きやすくなるため、安全面でもメリットが大きい。
反応はあるも針掛かりせず
日の出頃から釣りを開始。まずは沖の根周りを狙うと、餌取りの合間にガツンガツンと本命らしきアタリが出る。残念ながら竿が舞い込むまでには至らなかったが、2~3投に1回は石物らしい反応があり、期待は十分だった。
しかし、その後はなかなか本アタリが出ない。手持ちで無理やりアワセてみると、一瞬だけバタバタッと魚の感触が伝わったもののすぐにバレてしまった。おそらく手のひらサイズの小型個体だったのだろう。
釣り友に30cm超えイシガキダイ
そんな中、後から来た釣友はあっさり30cmオーバーのイシガキダイをキャッチ。「次は自分だろう」と期待したが、私の竿に出るのは細かな餌取りの反応ばかりだった。やがて潮が速くなり、沖のポイントを攻めるのが難しくなってしまう。
待望のアタリは38cmイシガキダイ!
沖が攻められなくなったため、仕方なく足元へ仕掛けを投入。マヅメはすでに終わり、アタリも減っていた。それでも諦めずにカニを投入し続けると、仕掛けが落ち着いた直後にガツンと本命らしいアタリ。
身構えると数秒の沈黙の後、竿が一気に舞い込んだ。「ソレキタ!」大きくアワセを入れてやり取り開始。
ゴリ巻きファイト!
途中で水中の張り出しにラインが擦れる感覚もあったが、構わずゴリ巻き。石物らしい強烈な引きに真っ向勝負を挑み、そのまま抜き上げに成功した。上がってきたのは38cmのイシガキダイだった。
イシガキダイ登場(提供:TSURINEWSライター・永井航)ヒットにつながるアタリも少なく、潮流の影響で攻めるポイントも限られる状況だっただけに、この1枚は非常にうれしい。その後も追加を狙って粘ったが、餌取りの反応すらほとんどなくなったため納竿とした。
釣魚で離乳食
今回釣れたイシガキダイは、伊豆半島ではよく見かけるサイズだが、脂乗りは上々。刺身で食べると非常に美味だった。
お刺身(提供:TSURINEWSライター・永井航)また、離乳食を始めて約1か月になる娘の「初めての魚」にも、このイシガキダイを選んだ。
初めての魚(提供:TSURINEWSライター・永井航)脂の少ない尾側の身をしっかり茹でて潰し、少しだけとろみを付けて完成。大人にはかなり薄味だが、娘には大好評だった。無事に魚デビューを飾ることができた。
今後の展望
これから本格的な夏を迎え、水温が上昇すれば石物の活性もさらに高まっていくだろう。伊豆半島では東西南を問わず多くのポイントでイシガキダイを狙うことができる。
餌代を抑えた今回のような「タダ餌縛り」でも十分チャンスはあるので、興味のある方はぜひ挑戦してみてほしい。
<永井航/TSURINEWSライター>


