釣り人のスマホには魚の写真が大量に保存されているものだ。「魚だらけやがな」と筆者など苦笑してしまうほど。しかしその価値は、単なる記念写真に留まらない。数年分の写真が蓄積されると、自分だけの釣果データベースとして機能し始める。いつ何が釣れたのかを振り返ることで、雑誌やSNSにはない自分専用のシーズナルパターンが見えてくるのである。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター・井上海生)
写真は思い出以上の価値
釣れた魚の写真は、記念として残す人が多いはず。しかし実際には立派な釣果データでもある。魚種やサイズはもちろん、その日の海況や使用ルアー、釣り場の雰囲気まで思い出すきっかけになる。釣行記録を毎回細かく残すのは大変だが、写真なら撮るだけで済む。後から見返した時の情報量は想像以上に大きい。
特に長年釣りを続けていると、記憶だけでは曖昧になる部分も増えてくる。そんな時に写真は過去の事実をそのまま残してくれる存在になるのである。
カメラロールは魚の宝庫(提供:TSURINEWSライター・井上海生)見返すと見える季節性
写真を数年分保存していると、魚の季節的な動きが見えてくる。例えば春メバルが浮き始める時期、アジの接岸タイミング、チヌのノッコミ時期などである。同じ魚種でも年によって差があることが分かり、海が毎年同じではないことを実感できる。
人間の記憶は意外と不正確である。去年だと思っていた出来事が実は一昨年だったということも珍しくない。しかし写真は日時付きで残るため、そうした勘違いを防いでくれる。
記念撮影に留まらない価値(提供:TSURINEWSライター・井上海生)意外と役立つ撮影情報
スマホで撮影した写真には日時情報が残る。位置情報を有効にしている場合は場所まで記録されるため、後から見返した時の情報量はかなり大きい。釣り人は意外と過去の記憶を美化しがちで、毎年同じ頃に釣れていたと思っていても実際には数週間ずれていることも少なくない。
筆者も過去写真を見返して驚いた経験が何度もある。春アジが思ったより遅かった年、メバルが予想以上に長く残っていた年など、記憶と現実は必ずしも一致しない。
写真はそうした曖昧さを補い、客観的な記録として機能してくれる。背景に写る海の色や藻の量、天候なども後から見れば立派な分析材料になるのである。
自分だけの攻略本になる
最終的に釣魚写真の蓄積は自分だけの攻略本になる。雑誌記事やSNS情報も参考にはなるが、本当に価値があるのは自分自身が経験した釣果データである。同じ釣り場へ何年も通っている人ほど、その価値は大きくなる。
例えば5年前の同じ時期に何が釣れていたか、どのルアーに反応していたかをすぐ確認できる。もちろん海は毎年変化するため完全な再現はできない。しかし傾向を把握する材料としては十分すぎるほど役立つ。特に近年のように海況変化が激しい時代では、自分の記録ほど信頼できる情報はない。
過去の回遊情報がヒントに(提供:TSURINEWSライター・井上海生)釣れた魚の写真は単なる思い出ではなく、未来の釣果につながる財産である。保存容量が大きくなった現代のスマホなら何千枚残しても困ることは少ない。釣れた魚を撮る習慣は、数年後の自分を助ける投資でもあるのである。
やがて蓄積された写真群は、自分だけのシーズナルパターンを教えてくれる最高の参考書になってくれるはずだ。
筆者のスマホ活用法
筆者のリアルな活用法をひとつ紹介しておくと、アジの回遊だ。アジは年ごとに大体どれくらいから入ってくるか決まっているが、微妙に定まり切らないこともある。細部を詰めていくために、私は過去の釣果写真から場所と日時を絞り込んで、そのあたりで潮回りのいい日を見て釣行に行くことにしている。
ちなみに今年の春アジはそのようにして狙ったが、結果的にはハズれた。うまくいくことばかりではない。だが、こうして釣ることによって、遺漏なくやった、という実感を持つことができるのである。
<井上海生/TSURINEWSライター>



