見た目の怖さやイメージの悪さで嫌われがちなサメ。しかし食材として注目する向きが強まっています。
(アイキャッチ画像提供:PhotoAC)
マグロ漁の”税金”サメ
マグロの水揚げが日本有数を誇る宮城県気仙沼港。ここで水揚げされるマグロは主に遠洋マグロ延縄漁で漁獲されるものですが、それに混ざってくる「外道魚」がいます。
その代表が「サメ」です。サメはマグロと食性がほとんど一緒で、マグロ漁ではどうしても避けることができない、まさに”税金”みたいな存在です。
シュモクザメ(提供:PhotoAC)気仙沼港ではヨシキリザメやネズミザメ(モウカザメ)といった大型のサメが水揚げされており、「サメ類」としての水揚げ量は全国一の数値を誇っています。しかし多くのサメについて、鰭(フカヒレ)以外の需要は低く、いわゆる「低利用魚」と呼べる状態になっていました。
サメを使った「おやつ」が誕生
そんな気仙沼で先日「サメを使ったおやつ」が開発され、来月販売されることになりました。
開発にはあのさかなクンがアドバイザーとして携わり、コンビニスナックで有名な「おやつカンパニー」が地元企業とともに製造するといいます。
原料はサメの肉(提供:PhotoAC)製品はおやつカンパニー社の代表製品であるベビースターラーメンに似た麺状のスナック菓子で、大人から子供まで美味しく食べられる「から揚げ味」で発売が予定されているそうです。
ヒレ以外もちゃんと美味しい
サメは魚類の中では最も大きくなるものの一つで、軟骨魚類であるため歩留まりも良く、一尾からたくさんの可食部がとれる優れた食材です。しかし脂が乗りにくく淡白な味わいであることや、鮮度が落ちると筋肉中の尿素がアンモニアへと変化し非常に臭くなってしまうことから、食材としてはあまり人気のあるものとは言えません。
しかし脂こそないもののしっとりとして水分の多い身は、加熱するととてもジューシーになります。ゼラチンを多く含むため油との相性がとても良く、揚げ物やムニエル、アクアパッツァにすると普通の魚よりも美味しく感じられるほどです。
サメのムニエル(提供:PhotoAC)サメは漁獲されても「ヒレしか価値がない」と言われ、ヒレを切り落として残りを捨てたりするような例もあるそうです。美味しさが知られればそんな勿体無いことをする必要もなくなるので、各種メディアはぜひ「サメは本当は美味しい魚だ」ということを広く喧伝してほしいと思っています。
<脇本 哲朗/サカナ研究所>

