我が国有数の清流で「環境を守るための釣り大会」が開催されました。ターゲットはアユを食べてしまう外来魚のスモールマウスバス。優勝サイズは54.5cm!大型個体の捕獲にも成功した模様をお届け。
(アイキャッチ画像提供:PhotoAC)
「アユの川」櫛田川の外来魚問題
三重県中部の中心都市・松阪市。ここを貫流する一級河川「櫛田川」は、全国有数の水質を誇る三重県を代表する川のひとつです。
櫛田川(提供:PhotoAC)この川では古くから「アユ釣り」が盛んに行われてきました。櫛田川のアユは水質の良さを反映して美味かつ大型であり、全国からファンが駆けつけるほどですが、しかし近年は資源量が減少していました。その理由のひとつが「スモールマウスバス」。
コクチバスという和名でも知られるこの魚は、いわゆるブラックバスの一種で、遊泳力が高く小魚を盛んに捕食します。櫛田川のアユもスモールマウスバスにかなり捕食されていると見られており、三重県ではこの魚の釣りによる捕獲を釣り人に呼びかけています。
スモールマウスバスの釣り大会
そんな櫛田川で今年も「スモールマウスバス釣り大会」が実施されました。三重県内水面漁連とYouTuberの共催で実施されるこの大会は、今年で4度目となります。
一般的にブラックバスの釣り大会は「キャッチアンドリリース」が基本となりますが、この大会では「キャッチアンドキープ」を前提としています。多くの参加者が釣ったバスを持ち帰り、食材として楽しむ様子をSNSなどで報告しています。
投網で捕獲されたスモールマウスバス(提供:PhotoAC)また櫛田川の最下流域である第一漁協組合管区内では、釣り以外の方法で漁獲することも許可されており、素潜り魚突き(スピアフィッシング)や投網(キャストネットフィッシング)で漁獲を試みる参加者もいます。
川に触れ合うキッカケに
今年は例年よりやや遅く、水温が高い時期に実施されたということもありこれまでの大会の中で最も多く漁獲がありました。優勝したのは54.5cmという化け物サイズを捕獲した生き物系YouTuber「マーシー」さんで、魚突きスタイルでの参加でした。
上位入賞者には地元松阪の特産品「松阪牛」が賞品として授与され、最後まで大きく盛り上がる大会となりました。今年突然増殖し始めた特定外来生物「ブルーギル」と合わせ、全部で100匹以上の外来魚が駆除されるという成果も上がりました。
駆除された外来魚の一部(提供:茸本朗)三重県内水面漁連の担当者あいさつでは「この大会を機に、皆様の地元に流れる櫛田川という清流、またそこにある環境問題についてより深い興味関心を持ってもらえたら嬉しい」という言葉もありました。河川は流域の人たちによって守られると言われますが、「釣り大会」を通じて櫛田川の保全が実現できたら嬉しいと主催者は述べています。
<脇本 哲朗/サカナ研究所>
櫛田川


