真冬でもフカセチヌで年無しを狙う。状況と場所を見極めることで年無しを筆頭に満足な釣果を楽しめた。
温排水がポイントの霞一文字
この時期は寒グレシーズン最盛期だが、こんな時期に熱いのがお膝元である三重県四日市市霞にある一文字だ。
普通なら「寒チヌ?」と思うだろう。
低水温の時期ならば水深が深いエリアをイメージするが、この霞一文字は浅いエリア。さらに外気の影響や、近隣に大きな河川があるので雪解け水や雨水の影響を受けやすい。
「ならばなぜ?」と思われるが、一文字沖にある温排水の影響で局所的に海水温が高いためだ。単純に水温が高くていいというだけでなく、エサとなる貝類、甲殻類、海藻など全ての生態系に影響を与えるため、全体的に水温が下がれば必然的に魚が集まってくる。
落とし込みは厳しくなるが、広範囲に攻められるフカセ釣りは最適な釣り方。例年は終盤となる時期だが、今年は水温の下がりが遅く、好調が続いているようだ。
そこで釣友のまっちゃんと1月19日に渡ってみた。
当日の釣り方
いつもの東側へ降り、先客がいたのでちょっと中央寄りに歩いて移動し、沖側から攻めてみることにした。
付けエサは、オキアミにコーン、そして練りエサは黄色と赤系を好んで使っている。
これに合わせてマキエは白系で軽めがいい感触がある。
あまり流れは速そうにないので、まずは軽めの全遊動で上層から攻めるつもりでプログレスチヌハイグレードの03をチョイスし、潮加減を確認するために口ナマリのG7を1つ打った。
ちなみに、口ナマリはハリ上30cmくらいに打つ。
付けエサの安定や潮がみ、誘い時の支点が狙いだ。
捨て石の切れ目付近にマキエを打って確認すると、予想以上に左流れのようで、上潮は滑り気味で沖側は特に強いようだ。
この状況を計算し、流れに対して垂直方向へ先打ちマキエを数点打ち、付けエサが潮下へ入るように振り込み、しっかりライン取りした上で後打ちマキエサをずらして上潮側に打つ。
軽い仕掛けということもあり、流すライン取りとテンションが重要だ。
1尾目は45cmクロダイ!
いい感じに流れているなと思っていると、20mくらい潮下でラインが一瞬引っ張られた。
アワせてみると確かな手応え、そして独自な頭を振る引き!やっぱ流れの中での引きは一層楽しめる。
ただし、釣り座が非常に高く、下げていることもあって6mのタモをいっぱいに伸ばして届くことが難点だ。それでもどうにかタモ入れに成功。
魚体は回遊を思わせる流線形で、小ぶりな45cm級のクロダイだった。
1投目のヒットに期待を持つ反面、「最初だけ?」という不安もよぎる。
しばらくして2投目を振り込むと、すでに上潮が突っかけだしていて同じようにcトレースできない。
数投繰り返しても状況を打破できず、思い切ってG5を段打ち追加して沖めに投入したが、今度は根掛かり。
結果、元の仕掛けで潮加減がいいときにサイズアップしながら2匹追加した。
ラーメン休憩で作戦会議
状況が悪化するなか、一つの楽しみであるラーメンで休憩を取る。温かいラーメンを食べながら作戦を練る。
問題は何だ?上潮が特に滑り、複雑に流れ、本来流し込むラインから外れることだ。タナはさほど深くない、クロダイも浮いているようだ。ならば重めの半遊動でしっかり仕掛けを流すことが重要だ。3B?5B?こんなに悩む展開で中途半端な仕掛けチェンジは意味がない。思い切りが重要だ。
流し方にもポイントが
ならばとウキは征黒の1号をチョイスし、しっかり浮力調整をした。状況が変わらないなか、イメージ通り仕掛けが流せるようになった。ここが重要なポイントだ。
そしてアタリがないのでそのまま流していくと、30~40m潮下でコンスタントにアタりだした。食ってくるタナもさほど深くない。
「そんなに流す?」と思う人がいるかもしれないが、釣れるのだ。
当然似たようなシチュエーションでの経験あるからこそ自信を持って流せるのだが、ここに迷いがあり途中で仕掛けを回収し続けていたら、この釣果はなかっただろう。
デカパンの年無し
その後はまた状況が変わり、手前はフグが目立って悪化した。
ここでは遠投して同じように流していると年無しサイズの50cmアップが連発。1匹は55cmに迫るデカバンで、地着きを思わせる体高のある形。
重量感もバッチリあり、0号のサオが根元までブチ曲がって楽しめた。