渓流シーズンが始まっておよそ一カ月半程度が経過した。水温も徐々に上昇し、そろそろ良型が顔を出し始める頃だ。著者は美味な渓流魚を家族で食す分だけ持ち帰るのだが、その際に併せて採集しているご馳走がある。今回は、渓流釣りと共に楽しめる「野草採集」にフォーカスしていきたい。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター荻野祐樹)
オススメ野草その2 ネギの仲間
次に紹介するのは、見た目の他に香りで見分けられるネギ・ニラの仲間だ。誰もが嗅いだことがある特徴的な香りのおかげで、間違えることも少ないだろう。だが、ニラと見た目が似ているスイセン(猛毒)だけは注意してほしい。
ノビル
著者が野食材にハマるキッカケとなった、ネギとニラの中間のような植物がノビルだ。
こちらがノビル(提供:TSURINEWSライター荻野祐樹)河川敷なら正直どこでも生えているほどポピュラーな野草で、特徴的な見た目に、葉をつぶすとモロにネギ臭がするので間違えようがない。葉の断面は三日月型かつ中空になっており、さらに根は「鱗茎」と呼ばれる小さなタマネギのような形をしている。
鱗茎も葉も旨い(提供:TSURINEWSライター荻野祐樹)葉の部分はネギとして、付け根部分~鱗茎部分は天ぷらにしたり、茹でで酢味噌で和えると最高のツマミになる。さらに、ギョウザに入れると旨味がバクハツするので、是非一度試してみてほしい。
アサツキ
こちらは見た目からしてネギだが、実際その通りにネギだ。「野生のネギ」らしく市販品よりも爽やかな香りが強めで、大変美味しい。葉は中空で、この事からもネギの仲間であることが判る。
アサツキは完全にネギ(提供:TSURINEWSライター荻野祐樹)根は僅かに膨らんでおり、一見するとノビルに似ているが、この部分と根の付け根に当たる部分はかなり硬い。葉の部分は普通にネギだ。
ニラ
意外かもしれないが、実はニラもその辺に生えている。
野生のニラ(提供:TSURINEWSライター荻野祐樹)茸本氏の動画を見て驚きつつ探してみたら、馴染みの河川敷で普通に見つかった。
こちらは香りで間違える事は無いと思うが、この時もすぐ傍にスイセンが生えていたので、くれぐれも間違えて採集しないようにしたい。見分ける自信が無い場合は、避けた方が無難だ。
5m横に猛毒のスイセンがあった(提供:TSURINEWSライター荻野祐樹)採集の仕方
ノビルやアサツキは意外と根(鱗茎部)が深いところまで至っているので、スコップを用いて丁寧に掘り出し、掘り出した穴もきちっと埋めておこう。ニラは根っこから採集するのではなく、可食部である葉の部分をハサミ等でカットして採集したい。
素晴らしき野食の世界を堪能!
今回紹介したのは、あくまで「渓流釣りのついで」程度で楽しめる、野食の超入門種ばかりだ。実際に今回紹介した野草たちは、茸本氏の動画でも「初心者向け」として扱われている。わざわざ深い山の中に足を運ばずとも、いつも釣りを楽しんでいる川の河川敷や支流の河川敷をほんの少し覗いてみるだけで、春~初夏の贅沢な食材が手に入る。
野菜の値段が高騰している今、これほどありがたいことは無いだろう。勿論採りすぎだけはくれぐれも注意し、マナーよく個人で楽しむ範疇に留めておけば、定期的に美味しい晩酌を楽しむことが出来るはずだ。
<荻野祐樹/TSURINEWSライター>


