長く寒かったこの冬、海へ向かう足が遠のいていましたが、3月になりようやく気温が上昇傾向、穏やかな晴天の日を選んでクロダイ乗っ込み調査に出かけました。名古屋港エリアにて何とか1枚キャッチ、しかしこの1枚のクロダイから釣果だけにとどまらない様々なことが見えてきました。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター・かにおけ)
釣果から見えたこと
腹パン、肉厚、艶があり傷一つないボディ、大きくピンと張ったヒレ、精悍な顔つき、これから産卵に臨むまさに乗っ込みクロダイの登場です。
その後夕方まで粘りましたが釣果はこの1枚のみ。しかしこの1枚のクロダイからこの時期らしい様々なことが見えてきました。
アタリについて
今回釣れたクロダイは何の前触れもなく竿を上げたら掛かってました。つまり「居食い」してたんですね。
居食いとはえぐい展開ですが、活性が低い時の捕食のしかたであること。そう言えば過去の釣果を振り返ってみても、2〜4月の時期はアタリがわからないまま釣れたことが多かったです。
それでもこの日の針がかりはバッチリ、カンヌキに掛かってました。海の中はまだまだ寒く活発な行動とはいかないようですが、小春日和で浅場にさしてきたのでしょう。

大物のチャンスはこれから
強烈なファイトの末に現れた乗っ込みクロダイ、見るからに特徴的なボディです。けれどもこの個体を見る限り乗っ込み期としてはまだ序盤に過ぎず、もっと丸みを帯びてくるはず。私の経験上4月になれば腹パンどころじゃないすごい迫力の個体が現れました。
驚きの大物に出会えるチャンスはこれからではないでしょうか。お彼岸を過ぎ、日に日に長くなる日照時間、さらなる水温の上昇と濁りが産卵行動に拍車をかけることでしょう。
この時期なりの深掘りを
クロダイは年中釣れますが、季節によってその表情もさまざま。特にこの乗っ込み期は独特の風合いを見せてくれます。
型や数の追求だけでなく、手にした1枚をじっくり深掘りする。釣れるまでのプロセスを振り返り、釣れた個体を観察してフィールドに思いを馳せてみるのも面白いと思います。

<かにおけ/TSURINEWSライター>