誰でも簡単に高級魚に出会えるのが魅力の海上釣り堀。足場が良く誰でも楽しめ、釣り物が少なくなる冬のシーズンであっても安定した釣果が期待できる。しかし、海上釣り堀といえども、水温が下がってくる冬場は、「いつでも誰でも爆釣!」というわけにはいかない。そこで今回は12月1日に三重県・南伊勢町迫間浦の海上釣り堀・和光へ釣行した際の様子と併せて、冬の海上釣り堀攻略のポイントを紹介する。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版APC・桑原一幸)
海上釣り堀・和光へ釣行
海上釣り堀・和光へ釣行したのは12月1日。釣行日の状況としては、前週に急に気温が大きく下がった影響で水温が下がり、それまで好調だった釣果もやや落ちてしまった状況だった。難しい状況となることを覚悟して渡船に乗り込んだ。
チャンスタイムは3回
通常の海上釣り堀では朝一、青物放流後、マダイ放流後が爆釣タイムとなる。まず爆釣タイムである朝一からの好反応を期待したが、当日は水温低下の影響か、釣り開始直後はアタリが少ない状況が続く。
朝一は魚がどこにいるか分からないため、魚の居場所を探してエサをローテーションしつつ、エサを投入する場所を変えながら狙うといい。当日はイケス中央付近で初アタリが出た。低活性の影響かなかなかエサを食い込まなかったが、しっかり穂先が押さえ込まれたのを見極めてアワセを入れると、無事に1匹目のマダイをゲットできた。
和光のマダイはサイズが良く、比較的取り込みが容易なマダイとはいえども油断はできない。無理なやり取りはハリス切れにつながるため、ここは慎重にやり取りをして無事にきれいなマダイを取り込んだ。
そうこうしているうちに1回目の放流時間となった。和光では1回目が青物とマダイの放流となり、2回目はマダイ中心の放流となる。放流時は放流された魚はもちろん、イケス内にいる魚も活性が上がることが多く、釣果を上げるための最大のチャンスとなる。
放流タイム逃さず青物連打
まずは青物を狙ってウグイのエサを投入し、様子を見ることにした。しばらくすると、狙い通り大きく穂先が引き込まれて青物がヒット。青物狙いの場合、十分な強度がある仕掛けを使用しているので普段はすぐに勝負がつくが、ヒットしたこの魚は強い引き込みでなかなか姿を見せてくれない。
しばらくのやり取りで徐々に浮いてきたのは、和光名物の6kg超のジャンボカンパチだった。すぐに次の1匹を狙って再びウグイを投入する。
青物は1匹ヒットするとイケス全体の活性が上がり、次々とヒットする場合がある。ヒットした青物の後ろを、他の青物が追尾しているような場合は連続ヒットのチャンスだ。自分の仕掛けに反応がなくても、イケス内の誰かに青物がヒットしている場合は、諦めずにしばらく様子を見た方がいいだろう。
ウグイを投入してしばらくすると、穂先にアタリらしき反応が出た。先ほどのカンパチとは異なり一気に引き込んでいかないので少し穂先を持ち上げてみると、穂先が入り2匹目の青物がヒット。丸々と太ったワラサをゲットした。
さらに、ここからは同時に放流されたマダイの反応が増えてきた。同行のメンバーにも次々とアタリが出る。しかしアタリがあっても食い込みが浅く、バラシや空振りが連発してイケス全体でなかなか数を伸ばすことができない。
アタリの幅を見極めよう
水温が高い時期は、ウキや穂先を一気に引き込むような大きなアタリが出ることが多いが、水温が低い時期はそんなアタリはなかなか出ない。ウキや穂先がフワフワと動いている間は、エサが魚の口にしっかり入っていないことが多く、ハリ掛かりしないことが多い。
逆にアタリの出る「幅」が小さくても、穂先が押さえ込まれて戻ってこない場合は、十分にハリ掛かりする可能性が高い。慌てずにしっかりと見極めて、アワセを入れるようにしよう。
また、水温が高い時期は狙いのタナを直撃できるウキ釣りが優位な場合が多いが、冬場は押さえ込むアタリが取りやすいため、ウキを使わず穂先の軟らかいロッドでのミャク釣りで狙う方がアタリは取りやすい。普段ウキ釣りで狙っている人は、アワセのタイミングなどに若干慣れが必要であるものの、釣りの幅が広がるためぜひチャレンジしてほしい。
青物とマダイが上がったところで、2回目の放流となる。2回目はマダイ中心の放流となり、多くのマダイが放流された。すると、放流後は和光の大量放流の効果もあってか、先ほどまでの低活性を忘れるほどの好反応となり、次々とマダイがヒットした。