串本カセの「ご当地釣法」が面白い!【和歌山】ペレットで狙う通称ペレマダイで70cm超えズドン

串本カセの「ご当地釣法」が面白い!【和歌山】ペレットで狙う通称ペレマダイで70cm超えズドン

紅葉が見頃を迎える晩秋、釣り味も食味も最高のターゲットが秋に釣れるマダイ、通称紅葉鯛である。今回は串本カセの老舗、大裕丸にて、新たなご当地釣法であるペレットをエサにした通称ペレマダイで良型マダイを手にした模様をお伝えしたい。

和歌山県のリアルタイム天気&風波情報

(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター・稲垣順也)

アバター画像
稲垣順也

全国津々浦々、釣りは魚種、ジャンルを問わずなんでも好き。釣りを通して味わえる喜びと感動を多くの方に知って頂ければと思います。

×閉じる

船釣り エサ釣り

2日目の釣行

翌週の11月23日、潮は小潮で干潮が4時54分、満潮が12時26分。この日の作戦は朝一アジを釣り、それをエサにして泳がせでアオリイカを狙い、日が出てからマダイ狙いに切り替える少し欲張ったプラン。

串本カセの「ご当地釣法」が面白い!【和歌山】ペレットで狙う通称ペレマダイで70cm超えズドン晴天無風のコンディション(提供:TSURINEWSライター・稲垣順也)

エサのアジは早々に確保し泳がせ仕掛けを投入すると直ぐにアタリが出たが針にかからず、続く2投目もアジをかじられて終わってしまった。

アジ狙いの胴突きに30cm程のチャリコが混じった事もあり、早々に見切りを付けてマダイ狙いに切り替える。

今回のタックルは2セット。ズボ釣り置き竿用にダイワ社極鋭マダイ360にリールがスパルタンMX IC200Hにフロロ5号、オモリは3号で棚を決め待ちつつ、前回と同じズボ釣り用のタックルを手持ちで探っていく。

串本カセの「ご当地釣法」が面白い!【和歌山】ペレットで狙う通称ペレマダイで70cm超えズドン23日の手持ちタックル(提供:TSURINEWSライター・稲垣順也)

釣行開始

開始早々に手持ちの竿にアタリが出るが、またしてもヘダイ、しばらくして同サイズのヘダイを追加したが、完全に日が出てからは食いが渋くなり、時折アタリはあるものの針がかりしない時間が過ぎる。

晴天無風のベタ凪で警戒心も高まっていると予想し、手持ちのタックルは食い渋り対策で用意した3.5号フロロを入れたダイワ社のライトゲームX150にリールを交換。針もグレ針8号にし、エサをマキエサイズと同じくらいの大きさにした。

70cm超えマダイを手中

上げ8分を迎える昼前、時合と読んでいたタイミングに入ってもアタリが来ないため、効率は落ちるが、オモリで落とす水深を17mまでにし、以降はペレットの沈下に合わせて、ラインを送り込んで行くことにした。

試す事2投目、突然ロッドが絞り込まれる強いアタリ、合わす間も無くラインが引き出され一気に30m以上持っていかれた。リールのカウンターは60m以上になっている。

幸い魚は正面向きに走ったため他船とのお祭りは避けられたが、正面にはマグロの養殖生け簀が設置してあり、あまり走らせるとロープに巻かれるリスクがある。

3.5号フロロのため無理はできない、慎重に寄せてはまたラインを出されと一進一退の攻防が続く、焦らず魚のスタミナが切れるのを待ちながらじわじわと寄せてくる。

時折見せる突っ込みにはドラグとクラッチで対処し、なんとか水面浮上に成功。ネットインしたのは70cmを越える良型のマダイであった。針は口の中に掛かっており、ラインは歯で傷が入りギリギリのファイトであった。

串本カセの「ご当地釣法」が面白い!【和歌山】ペレットで狙う通称ペレマダイで70cm超えズドン激闘の末70cm超えのマダイを手中(提供:TSURINEWSライター・稲垣順也)

無事キャッチできた感動に我を忘れ、思わず一人拳を握りガッツポーズした。
日常生活では絶対に味わう事のできない感動を味わえるのが釣りの醍醐味である。

串本カセの「ご当地釣法」が面白い!【和歌山】ペレットで狙う通称ペレマダイで70cm超えズドンペレマダイで大物を仕留めた(提供:TSURINEWSライター・稲垣順也)

ヘダイを追加

十分満足な釣果を得られたため、この後は朝逃がしたアオリイカを狙い泳がせを再開した。手持ちでズボ釣りを続けたが、アタリが無くなった為、泳がせを上げると置き竿にしていたペレットにヘダイがヒット。

本命ではないが、泳がせを入れると魚の寄りが悪くなる事を実感する出来事であった。最終の迎えの時間まで、オモリの重さや入れる棚など色々試すが、釣果には繋がらず納竿となった。

ペレマダイについて

ペレットで狙うマダイについてはまだまだ開拓途中の釣りと思われる。今回の経験から手返し効率の向上と食わせの難しさをどう攻略するかが課題と感じた。

効率と食わせを両立した、新たなやり方を見つけていく楽しさもある。現時点での攻略法としては、今回メインとした、ズボ釣りと完全フカセを状況で使い分けるのが良いと思う。

ズボ釣りでのオモリの活用法として、早く棚まで入れ効率を上げる他、潮の流れで養殖生け簀から離れ過ぎないようにする意味もある。

しかし入れ過ぎると警戒心を与えるため、状況でどの水深までオモリで落とすかの見極めは重要になる。

乗船するカセは、エサがペレットだけあってアンカーカセなど、養殖生け簀に設置されていないカセでの効果は未知数。この辺りは利用する渡船店としっかりすり合わせしておく必要がある。

なお、大裕丸は経営元が岩谷水産という水産業者で、紀州梅マダイや梅クエなど、ブランド魚の養殖を行っている。

その養殖生け簀に設置してあるカセから狙うため、ペレマダイが成立している。エサのペレットにおいても大裕丸オリジナルで、養殖のプロが長年のノウハウで作り上げたペレットが釣れない訳がない。

今後の展望

今後の展望として、イワシフカセで狙う鰤が最盛期に突入する。パターンでは朝イチの青物の時合終了後に真鯛狙いが定番であり、冬でも十分釣果は見込める。

今回得た釣果はしっかりと調理し堪能した。 マダイは握り寿司、酒蒸し、刺身、アラ汁、しゃぶしゃぶ、煮付けと何れも絶品である。裏の旬と言われる秋の紅葉鯛、余す所なく頂いた。

串本カセの「ご当地釣法」が面白い!【和歌山】ペレットで狙う通称ペレマダイで70cm超えズドンマダイの握り(提供:TSURINEWSライター・稲垣順也)

ヘダイは刺身、昆布締め、干物と、真鯛には劣るものの非常に美味である。アイゴは炙りで頂いた。

串本カセの「ご当地釣法」が面白い!【和歌山】ペレットで狙う通称ペレマダイで70cm超えズドンヘダイの刺身と昆布締め(提供:TSURINEWSライター・稲垣順也)

丸々太っていたため霜降りのような身をしており、こちらも絶品であった。

串本カセの「ご当地釣法」が面白い!【和歌山】ペレットで狙う通称ペレマダイで70cm超えズドンアイゴの炙り(提供:TSURINEWSライター・稲垣順也)

養殖生け簀に着き、ブランド魚のエサのおこぼれを食べている魚の食味は抜群だ。そんな食味抜群な魚が狙える串本カセでのペレマダイ。機会があれば是非とも挑戦していただきたい。

<稲垣順也/TSURINEWSライター>

▼この釣り船について
大裕丸
出船場所:大裕丸乗船場