回り物はいるかどうか、そして留まるかどうか。主には早朝に通り過ぎる青物、夕マヅメにも釣れるタチウオもいるが、基本的に朝夕の一発勝負となる。例外がアジで、回遊魚ではあるが、他の多くの魚種の餌ともなることから、外敵が少ない沿岸にとどまることも多い。しかし回り物ではあるので、「一定期間の中での一発勝負の魚」でもある。今回は2024年冬のアジについて、大阪湾沿岸の速報をお届け!
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター井上海生)
大阪湾の陸っぱりアジング2024冬
まず、年ごとにムラがあるアジの回遊だが、今年はある。筆者の知る限り、湾奥でも、北は垂水、南は泉南でも釣れている。確認したわけではないが、垂水なら近場の明石や、泉南ならば紀北まで釣れないことはないだろう。
他の地域の方は、「アジなんていつでもどこでもいるじゃないか」と思うかもしれない。しかし大阪湾奥に関しては、そういうこともないのです。なんといっても去年久々に入るまで、少なくとも大阪湾奥では、約3年間、影も形も見なかった魚だ。アーバンアジングはネイティブエリアと違って群れが入れ替わりにくく、スレやすい特徴がある。早い時点で釣っておきたい。
南北の状況
大阪湾沿岸を、北は兵庫・垂水、中間は大阪南港と泉大津、南は大阪・泉南と分けて考えよう。いずれも筆者のこの1か月の釣行から、サイズやパターンなど、傾向を述べるので参考にしてもらいたい。
兵庫・垂水
最新の釣行が11月の上旬。今のところ兵庫県の垂水では豆サイズがメイン。まだ一回り小さいアンダー10も残っているが、常夜灯がききまくった港内を少し外すようにすると、ほどよく釣れやすい豆アジがくる。サビキでは日中も釣れている。うまくサビキ師の横に入ればワームでも釣れるかもしれない。
筆者が現地の人から聞いた情報によると、朝夕のマヅメには中アジも入るらしい。私は今のところ20cmが一度アクシデントのように釣れたことしかない。もしジグサビキでも狙えるサイズがいるなら、日のある時間のそちらのほうがサーチ効率はよさそうだ。垂水は潮の大小でかなり魚の動向がかわる。アジングに向いているのは小潮または中潮の上げ下げ2時間くらいだと思う。
大阪湾奥
大阪南港、泉大津でアジの釣果がある。大阪南港はどこよりも何よりも足場がいいフェリーターミナルにも回遊がきて、見えアジ状態ともなっている。サヨリがいっぺんに抜けて、アジが入ってくる、ないし釣りやすくなるという昨年からのパターンを踏んでいる。
昨年は12月の上旬、25cmアップも含め30尾超えしなかった日はないと記憶している。いろんな制約としがらみがあって初心者にはなかなかハードルの高い海だが、フェリーターミナルの一本堤防はわりと平穏なのでおすすめしたい。
泉南
南でいえば泉南はいつも通りで、潮回りに大きく左右される海だ。いない日は徹底的にいない。若潮長潮では露骨に釣れない。それが中潮になると普通に釣れる。かなり、潮頼み。またこの地域に独特の遠浅と足元のストラクチャー絡みで、沖には投げにくいという難点がある。
10cm以下の豆々アジが多い。深日港は足場がよく釣りやすいが、サイズのせいで相当なフラストレーション・フィッシュとなる。連日のプレッシャーで辛い釣り場でもあるので、近隣でポイントを探したほうがいいかもしれない。
神戸・垂水がナンバーワン
通年ライトゲームアングラーの印象として今一番間違いないのは、アジングなら垂水だ。垂水で数釣りするコツは、常夜灯の明暗にこだわらず、「あまり人がいないところ」に入ることである。釣り人は絶対に常夜灯に集まるので、そこを忍のように通り過ぎて、潮流があるところを狙ってみよう。
タチウオの回遊もアジに伴うか?
この時期のショアの釣り物といえば、タチウオも入る。タチウオのベイトはイカとアジだ。イカは満月回りで食われまくって、アジは新月周りで食われまくる。
ただタチウオは神出鬼没の魚でもあり、パターンが読みづらい。「もし釣れるならタチウオも……」と思うならば、タックルを1本追加して、ボウズ逃れのジグサビキを忘れないようにしよう。
<井上海生/TSURINEWSライター>
垂水漁港