今回は、有名な光もの商品「ケミホタル」についてです。樹脂の小さな筒状のもので、中身のカプセルをパチンと割ると、一定時間怪しげな光を出す摩訶不思議な釣り具を、私明石沖のボート釣り人が使っているシーンでのお話です。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター丸山明)
ケミホタルとはなにか
釣りの仕掛けには、形などが違えど光ものがたくさんついています。自ら光を発するもの、蓄光して光るもの、太陽光を反射して光るもの様々です。後者2点は、サビキ仕掛けに様々な形態でいろんなものが光るようになっていて、多くの釣り人が、当たり前のように接しています。
ケミホタルは、株式会社ルミカの登録商標です。そのものの正式名称は、ケミカルライトです。乳酸菌飲料とカルピスみたいなもので、商品名が広く一般的です。アメリカのサイリュームという商品名も有名で、その起源は、もちろん釣りのためでなく、アポロ計画の時のライトとして開発されたとか、戦争の際に使用するとか、いうことだと知りました。
いずれにしても、電源や火でなく光を発するものです。これを釣りの仕掛けに取り付けられる程度の大きさ(20-120mm)にして、緑黄色や赤色などの光を出すようにしたもので、使う使わないは別にして、知られているものでしょう。
関西のタチウオ釣りでは定番のアイテム。70-120mmな大型のケミホタルを使用しての夜釣りは、関西でかなり有名な存在で、一番の使用率かもしれません。
幻想的に妖しくなぜ光る
棒状の樹脂容器にA液が入っています。例えば黄色く見えるものがそれで、何とか言う液体です。そして、その中にカプセルに入ったB液があって、使用する際に本体を曲げるようにして、このカプセルをパチンと割ります。すると、ABの2液が混ざり化学反応をすることで、怪しげな光りを一定時間発するのは、ご存じの通りです。明るいのか明るくないのかというような、ボワーッとした実に怪しげな光です。
幻想的な光で有名な、昆虫の蛍も体内で2液混合で光るとされると聞きました。オスがメスを呼び込む求愛行動になるそうですが、子孫繁栄のための光ものです。蛍の種類で有名な源氏蛍は、その点滅タイミングが東日本と西日本で違うそうだとか、釣り人にはどっちがどっちですが、光ることに意味があるようです。
蛍は水辺に生息していますが、光った途端にその川の魚にいきなり喰われはしないかと思いますが、川の魚の夜釣りは聞いたことがないので、睡眠中なのでしょう。
どんな釣り方で使っているか
夜釣りのサオ先やウキに使用して、魚信の目印にする使い方も一般的ですが、ここでは集魚のためにハリに近いところに取付けて、おびき寄せることでの使い方です。
そして、ボート釣りと言えど魚に興味を持たせ喰わすということは、オンショアもオフショアも同様でしょう。ここでは、小艇での使用についてです。
魚は、一般的に光ものに反応しますが、NGな魚もあるでしょう。でも、光ものパーツがあるルアーやサビキ仕掛け等で狙える魚には、必ず効果があると信じています。深海のチョウチンアンコウ、頭部の突起物から発光する液体を噴出すると言われています。暗い海底で、それが驚かすのか、集魚なのか、いずれにしても効果があるそうで、自然界にも奇妙な証明があるようです。
小艇の釣りシーンでは、オールマイティーの位置づけです。サビキ、チョクリ、エサ釣り、マダコ等々必須でサイズは、使いやすいサイズの通常37mmです。ジギングとキャスティングは、動きが激しいので未使用ですが、試す価値はありそうです。
光ものの効果の裏付け
ケミホタルの装着に効果があるのかとなると、明確な裏付けがありません。でも、いろいろ釣れていますので、魚に拒絶反応がない証拠でしょう。全長のあるサビキやチョクリ仕掛けの場合の取付位置は、オモリの上にしています。タナへ送り込む場合、最初に目立つ位置と思っています。多くの魚は、上から落ちて来るエサに反応しますので、目立たせる効果は大きいでしょう。
ジギングは、激しい動きから未使用ですが、これを記しながら「ふと」試す価値はありそうと閃きです。特に、スローな動きで狙う場合には、障害にならないでしょう。ジグには、グローやケイムラが多いですし、装着の大きさも問題にならないので、改めて次回テストです。青物系は、光もの好きですよ。
100均でも製品化
最近100円ショップでも売っています。手ごろな37mmから大きい75mmまで各種あります。細めなので発光時間が短いですが、実釣時間での問題はなく、低コストなので手軽に使用しています。本家本元の「ケミホタル」ではなく、ケミカルライトの名称ですが、若干光量が弱いようですが、何も歌舞伎町のようにしなくてよいので、100円を好んでいます。
こういうアイテムは、何よりも楽しいです。魚に拒否されないのなら試してみる価値は大いにあって、私の場合は必須アイテムになりました。使わないと釣れないことはないにしても、使った方がより良いと信じています。20mを超える水深では、減光減色です。さらに、30〜40mとなればもっとです。それを自ら発光するケミホタルに興味津々となるのが魚のように思っています。
<丸山明/TSURINEWSライター