PEラインをセルフで巻くときには、いくつか注意点を守らなければならない。特に細イトとなるとPEラインの「摩擦に弱い」弱点で、切れてしまうことがある。フワフワしていてモモりやすいラインでもあるため、気が抜けない。しかしこれらのリスクは、「水」を準備するだけで、低減できる。安全な細いPEラインの巻き方を紹介したい。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター・井上海生)
PEラインは水に浸けてから巻く
ご存じのようにPEはナイーブなラインだ。弱点として「摩擦に弱い」「熱に弱い」の二点がある。これは実釣時にも気を付ける必要があるが、巻くときにも要注意だ。たとえば、一番やりたくないこととして、「スプールに巻くときに、200mのラインを、100mちょっとで高切れさせてしまう」とか。これが釣具屋さんでもないことではないらしいから、なかなか厄介なのだ。
水に浸けてから作業する
「摩擦に弱い」「熱に弱い」PEラインを、どれだけ安全にスプールに巻くか?
答えは、一つだ。「ラインを水に浸けてしてしまう」のである。ドブ浸けじゃなく、水道水にジャッとあてるだけでいい。筆者は今回、Aスプール→Bスプールへと巻き替えを行ったのだが、その前にAスプールを水につけた。これで摩擦熱による高切れをほとんど防げる。
テンションをかけて巻く
PEはふわふわしているせいでライン同士がエアノットしたり、バックラッシュしたような状態になってしまうことをモモりという。若干コブができた状態でも、PEは極端に力が弱くなり、ちょっと引っ張るとその部分で切れてしまう。
これはどのように防げばいいのだろうか?これまたシンプルなもので、ラインにテンションをかけて巻けばいいのだ。ラインローラーに乗る前に、指で軽くつまみながら巻くもよし。あるいは摩擦熱も同時に防ぐ意味で、十分に濡らしたタオルを当てて巻いてもいい。
あとは巻くだけ。まあシンプルな話だ。
巻く前に下巻き調整
ショアからのPEライン使用が考えられたスプールは、一般的に「シャロースプール」となったものが多い。浅溝で、どれだけ長くても細いためにボリュームが出ないPEラインを、うまいことラインキャパいっぱいに巻くためのものだ。
それでも使用号数によっては、スプールエッジのイイトコロまで巻くために、ボリュームを出す意味で下巻きを要する。たとえば筆者使用のこの2500番リールだと、PE0.5号210mとの組み合わせで、ナイロン3号50mほど下巻きしている。
下巻きは厳密には計算するしかないが、ひとつの参考として、シャロースプールであれば適切な号数を50mほど巻けばいいと筆者は考えている。PE0.4号200m以上を巻く2500番以上ならば、ナイロンの3号を50mほどだ。3000SでPE1号200m巻きでも、ナイロン50m~80mほどが適切な量となる。
ライトゲームで使用する2000番スピニングPE0.2~0.3号150mの下巻きは、0.8号(3lb)のナイロン50mほどが参考量だ。実は、あまりに細いイトを使うときには、1号以上の下巻きを絶対に使ってはいけない。というのも、細イト本線に対して太い下巻きを使うと、下巻きの隙間に本線が食い込んでしまうのだ。食い込みが生じると、本線をイイトコロまで巻くことができなくなる。
裏返しには予備スプールが2個必要
PEラインの寿命を延ばしたいなら「裏返し」の手がある。スプールの内側に入っていて、日常使用でまず海水に濡れない部分を、表にもってくることで、倍長持ちさせる。これを「裏返して巻く」と言う。
これには、予備スプールが2つ必要だ。ストックが日常的にある人ならばいいが、基本的にはお店に頼むことを推奨する。確か中型番手なら、多くのお店で220円ほどと、大した費用はかかってこない。
最大の注意点は摩擦切れ
最初の話に戻るが、PEラインを巻いていく際に一番怖いのは、摩擦切れだ。特に細イトではそのリスクが高い。私も怖くて0.3号以下は自分ではやらない。基準として0.6号以上なら何とか、と思う。摩擦切れやモモり、あるいは下巻き調整や裏返しなどをお求めなら、釣具店で依頼するのがベストだ。
<井上海生/TSURINEWSライター>