過酷だった夏も過ぎ、秋の北海道十勝地方にトラウトを狙って初挑戦した。事情で時間が取れず実釣は9月28日(土)一日のみの弾丸遠征釣行。前日の最終便で帯広空港に降り立ち、出張中の友人と現地で待ち合わせ。予約していたぬかびら温泉郷の宿に宿泊。翌日の夕方まで空港に向かいつつ各河川を転戦した。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース関東版・藤村浩介)
目次
トラウトを求めて北海道遠征釣行
朝食前に宿近くの糠平(ぬかびら)湖に注ぐ川でひと勝負。今回私はエサ釣り、友人はルアーで狙った。
バックウォーターから最初の落ち込みで一投目から友人のロッドにシグナルが! 残念ながらバレてしまったがすぐに20cmクラスのニジマスをキャッチ。久しぶりの釣りだった友人は、手にしたワイルドレインボーの美しさに感激。ルアーは5g前後のスプーンを使用。
ルアーに反応がなくなると、エサ釣りである私の出番。イクラやブドウ虫を使い、15~28cmのニジマスやアメマスが次々ヒットして魚影の濃さを実感する。
アメマスの姿を捉える
上流に進んで行くと、優に尺を超えるアメマスが友人のルアーを咥える。しかし、残念ながら本人は気づけずフッキングならず。こちらは上から一部始終を見ていたのでエキサイティングな場面を目撃できた。
やがて対岸が壁で深みがある絶好のポイントで友人がキャストを開始。すると下流側に胸ビレの白い縁取りがくっきり見える。先ほどの魚とは太さが比べ物にならない大物の魚影。少なくても45cmはあるアメマスが流れに定位していた。
友人に「動かず下流にキャストして」とアドバイスしたが、友人は何があったのかわからなかったらしく、「何?」とこちらを振り向いた瞬間、湖からソ上したと思われるその魚の影は流れに消えていった。
ポイントを転々と移動
スタートから北海道のポテンシャルを味わいつつも、朝食の時間のため宿に戻ることに。朝食後、宿のご主人からオショロコマと本流でニジマスが狙える場所を教えてもらい出発。
向かったのは美利別川水系。上流部でオショロコマを狙うも、ちょうど産卵期に当たっているためかアタリはイマイチ。それでも自宅の水槽にお迎えするぶんの魚は無事確保できた。
その後下流に移りニジマス狙い。この川は激戦区のようであちこちに車や釣り人の姿が。
空いている場所を見つけエントリー。友人はブランクがあって慣れないのか苦戦するが、エサ釣りの私には飽きない程度にニジマスが遊んでくれた。
40cmのニジマスを手中
やがて現れた大場所で友人が攻めたあと、8.5mの本流竿で流してみる。エサはミミズ、マグロの切り身を使う。すると、目印が沈み込むと同時に重みを感じるアタリを捉えると、魚は一気に下流へダッシュ。
ジャンプこそないものの腰を落として竿の曲がりと糸鳴りを楽しんで取り込んだのは完璧な色合いとフォルムのワイルドレインボー。サイズは40cmと初挑戦としては納得の1尾。
これでもまだ幼い顔付きをしており、さらなる大物になっての再会を願いつつ流れに帰す。
さらに大きな魚がバイトするも針掛かりせず
さらに手元にコツンと伝わるアタリが続く。一瞬早いかと思って入れたアワセの衝撃を受けたにもかかわらず、魚は態勢を崩さない。大物を確信しダッシュされる前に竿を上流に向けタメを作ろうとした刹那、魚が顔を二、三度振った直後に力なくハリがこちらに戻ってきた。
完全なる早アワセに思わず叫んで天を仰ぎうずくまってしまった。ハリが外れる直前見えた丸みをおびた頭は、先ほどの40cmとはスケールがまるで違っていた。
このバラシのあとはエゾウグイが連発したので遅めの昼食のため移動した。
23cmのヤマメをキャッチ
帰りのフライトを考えると時間的に最後となる次の川は、関東ならオイカワやカワムツがいるような浅い流れ。竿を5.4mに持ち替えるが、魚影が今までの場所に比べて薄めだった。
この川でタモ網を使ってガサガサをしてみると、国内では北海道だけに生息するフクドジョウが入ったのでこちらも数尾水槽のお掃除役としてキープ。この川で釣れたのは婚姻色をまとったオスのヤマメだった。大部分がサクラマスとなるこの地域としては、良型といえる23cmがラストを飾った。
初挑戦の北海道遠征はまずまずの成果
平地の川にトラウトたちが生息し、春にヤマメの禁漁や、一年中禁漁の保護河川があるなど本州とは勝手の違う北海道の川釣りだが、これから冬に向かうこの時期以降も禁漁がなくトラウトを狙うことが可能だ。
初挑戦の十勝でアメマス、オショロコマ、ヤマメのネイティブと、ワイルド個体のニジマスの4種類のトラウトに出会えた。それでも今回の釣行ではほんの表面を撫でただけ。途中時間がなくて泣く泣くスルーした流れがどれほどあったことか…。また機会を見つけて再挑戦を計画したい。
<週刊つりニュース関東版・藤村浩介/TSURINEWS編>