9月30日をもって渓流釣りは禁漁となる。そこで禁漁前の9月19日に南会津で最後の渓流釣りに出かけた。友人とともに訪れたこの地は、夏の猛暑や豪雨の影響で厳しい釣りが予想されたが、天然岩魚やウグイ、小ヤマメと出会い、自然の豊かさに感謝した釣行を振り返る。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター・中山祐司)
翌朝に再度挑戦
翌日は曇り空の朝。道沿いから入渓している釣り人が2組見えた。水量は少し多いが、良い感じになっていた。
8時過ぎ、宿を出発し、キャンプ場付近で川虫を取ることに。しかし、岩盤の川底でヒラタを見つけるも小さく、使い物にならなかった。増水で状況が悪いため、キジとブドウ虫を使った餌釣りに決め、大場所のポイントでルアーも試すつもりで出発した。
先行者がいたので場所を移動
平日ということで油断していたが、林道の渓流への降り口にはすでに車が止まっていた。何とか1台分のスペースを確保し、渓へ向かう。準備をしていると、1台の車が引き返していった。禁漁間近の週末で、やはり人気の渓流だ。熊避けの爆竹を鳴らし、渓流に向かうが、先行者の足跡を確認し、渓相を確認しただけで車に戻ることにした。
次のポイントへ
時間もないため、早急に次のポイントである湯ノ岐川の下流に向かった。去年、地元の友人と訪れた荒れの少ない場所を目指し、入渓したのは午前10時を過ぎていた。水量は減り、青空も見えてきた。広いトロ場に竿を出す。
渓流は明るく、岩魚の期待は薄いが、本流山女魚に期待した。7mのロッドにブドウ虫をつけ、ササ濁りの緩やかな淵を狙った。
18cmのウグイと小ヤマメをキャッチ
数投目で18cmのウグイが釣れた。美しい白銀の魚体は、川底の白砂のおかげだろうか。釣り仲間のO氏もウグイを釣り、少年時代に戻ったようだと呟いた。その後もウグイと小ヤマメを追加したが、岩魚は期待薄だった。
増水の沢で天然イワナを手中
最後に岩魚を求め、増水した沢で提灯釣りをすることにした。30分ほど藪を漕ぎながら竿が入るポイントを探し、4Bのガン玉をつけて狙った。
50cmほどの小さな溜まりで、目印が引き込まれた瞬間、20cmほどの沢岩魚が釣れた。魚を釣るというより、獲るという感覚だった。竿を縮めてネットに収め、今年最後の天然岩魚に感謝した。2匹目を釣り上げたが、周囲は藪が深く、獣の気配も強くなったため、納竿とした。
振り返り
天候に恵まれなかった夏が終わり、気づけば9月の半ば。遠出の山釣り計画もなかなか進まなかった。各地で禁漁を迎える中、最後に岩魚を狙うため南会津を選んだ。1泊の釣行で天候は悪かったが、自然の豊かさと釣りを楽しむことができた。宿は「紅葉館」を利用したが、素朴なおもてなしに癒された旅でもあった。今年はもう禁漁期間となってしまったので、来年また訪れたい。
交通アクセス
電車・バス利用:
東武鉄道浅草駅から会津高原尾瀬口駅下車。
会津路線バスで湯ノ花温泉へ。
車利用:
東北自動車道那須塩原ICから塩原街道経由で約100分。
<中山祐司/TSURINEWSライター>
湯ノ岐川