そろそろ寒グレシーズンは本格化の兆し。良~大型が狙え、数も狙えるとあって、この時期を待望していたファンも多いのではないだろうか?そこで今週のつり作戦は、フカセ釣りで狙う磯のグレ釣りをピックアップ。名手・前西喜弘さんに寒グレ入門のあれこれを解説してもらった。寒さに負けず磯へ出向き、レコード更新の1匹を仕留めよう!
寒グレの季節
冬になればその魚の釣期がやってくる…!
いとも簡単にさしエを食ってくる時もあれば、潮と水温によってはその逆の場面も多く、いざハリ掛かりすれば磯場の起伏や磯際に逃げ込もうと俊敏かつシャープにサオを絞り込むその魚、多くの磯釣師を魅了してやまない魚「寒グレ!」。
海水温の低下とともに小魚やエサ取りたちの活性も下がり、アタリがくるとグレの確率が高くなる。
また、越冬と産卵のために身体に栄養分をタップリと蓄えた、肉厚でよく肥えた重量感タップリな大型の寒グレを狙えるシーズンも、いよいよこれからが本番だ。
私の通う紀伊半島のエリアでは、昨シーズンの海水温の異常低下で死滅回遊魚である厄介なエサ取りたち(オヤビッチャ、チョウチョウウオなど)も少なくなった。
ただ、本命のグレまでも活性が低く、苦戦を強いられることも多かった。
しかし、今季は一転して、秋口から各所で浮きグレの姿も頻繁に見られ、好釣果の出ているエリアも多くあり、大いに期待したいところである。
釣行先を決めることは釣果に結びつけるためにも重要である。
ポイントの選び方
冬になると西高東低の気圧配置になりがちだ。
このため北西の冷たい季節風が吹く日が多い。
釣行先がこれをまともに受けるポイントでは波も高くなりやすく、釣りづらいのはもちろん、水温も下がりやすくグレの活性も落ちてしまう。
できるだけ風をかわせるポイントを選択するのが賢明だろう。
紀伊半島で例えるなら、大きく西側と東側を考慮すればいい。
私の場合、西よりの風が強い場合は串本大島や勝浦へ!東よりの風の場合はすさみ、見老津といった枯木灘へ出掛けるようにしている。
さて釣行先が決まったら実際に釣りをする磯のポイント選び、釣り座を決めることになる。
私は寒グレに限らずグレ釣りにおいては、大きく分けると「潮を釣る!」場合、もう一つは「地形を釣る!」場合があり、この2つが最も重要なキーワードになると考えている。
磯に上がるとまず地形を確認。グレが潜んでいそうな海底にシモリや海溝などがあるポイントを探す。ある程度の水深があるなら磯際でも構わない。ここでいい潮が流れたら、グレも活性が上がり釣れる確率も上がる。地形か潮がよくないと、グレに出あえる確率は下がってしまう。
平坦な砂地や砂利底で、また潮も流れないポイントでは、確率はうんと低くなると思われないだろうか?寒グレ時期はこのことから普段こんな磯際のポイントで?と思うところで大型グレが釣れたりするものだ。
潮と地形のキーワードを忘れないようにしてほしい。
オススメのタックル
タックルについては、50cmクラスの大型グレも釣れる可能性のある寒グレシーズンだが、サオはグレ用の磯ザオの1.25号クラス。
長さは軽くて持ち重りが少なく操作性のいい4.7mを私は好んで使っている。
必ずしも大きいグレには太いサオが必用とは限らない。
むしろハリスをカバーしてくれるのはサオパワーよりも柔軟性が優先していると感じている。
リールはミチイト2号前後が100mほど巻けるレバーブレーキ付きのものがいいだろう。
ウキは釣り方のところでも触れるが00号~5B、サイズもS~LLで海況に合わせる。
ハリはグレバリの6号を中心に食いがよければサイズをアップ。
渋ければダウンといった具合に、状況に合わせていく。
最後にハリスだが寒の大型グレを仕留めるためには1.5号以下の細いハリスでは太刀打ちできない。2号以上をお勧めしたい。
オススメのエサ
タックルに続いてこの時期のエサだが、まきエサには生オキアミ12kgに好みの配合材を2~3袋用意するといいだろう。
さしエサは生オキアミ、ハード加工オキアミ。
エサ取りが多い事前情報があれば、ボイルオキアミまで用意すると完璧だ。
オススメの装備
最後にタックル、エサよりも重要なのが装備になる。
寒くて釣りにならないとどうしようもない!着込み過ぎと思うくらいでも、暑ければ脱げばいいだけ。
使い捨てカイロやマスク、手袋などもバックに忍ばせておくと重宝してくれる。