ここ最近は釣りへ足を運んでいましたが、渓流へ赴くのは本当に久しぶりです。正直ずっと渓流に入り浸っていたいほど好きなのですが、ここ近年自分の思うような釣行はできていませんでした。今回は本格的な渓流釣りではなく、のんびりと川に足をつけながらの釣り。絶滅危惧種『スナヤツメ』との対面とも併せてレポートします。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター泉陽登)
目次
フライフィッシングでハヤやカワムツ狙い
今回釣りをしたのは、埼玉県名栗川支流。ヤマメや鮎がいる釣り場ですが、夏場でかつ渓流が解禁されてから随分と時間が経っています。そういった渓流魚を釣るのは難しいと考え、ターゲットをハヤやカワムツといった魚に狙いを定めました。
もちろんヤマメは狙いたいですが、前座で書いたように今回はのんびりとしながらの釣り。難しく考えず竿を振り、釣れたらいいなと思いながら釣りをすることにしていました。
しかし、来月は一応渓流に行く予定を立てたので、その時の練習も兼ねてフライで攻める事に。
フライ選びも楽しい
久々の渓流。見るだけで心が癒される綺麗な川の様子をしばし眺め、釣りの準備を始める。この時間が何よりも楽しい。釣り人なら誰しも感じた事があるのではないかとかと思います。
フライは#26のパラシュート。大きな魚を狙うわけでもないので、そこそこの大きさのフライで挑むことに。流れは緩やかですが、目に見えやすくするためにオレンジ色をチョイス。このフライを選ぶ時間もとても楽しい時間。同じフライフィッシングをたしなむ人にはわかると思います。
カワムツが連発
流れの緩やかな場所にフライを送ると、すぐにフライにアタックしてくる魚たち。初めに釣れたのは22cmほどのカワムツ。かなりいい引きをしてくれました。#3のフライロッドが引き込まれる感覚は、大物でなくとも心地いい引きを味あわせてくれます。
そんなこんなで、1時間ほどで8匹ほどのカワムツを手にできました。当たりはひっきりなしに来るのですが、口が小さく思ったように咥えてくれないため、数はあまり上げられていない状況のまま一度休憩することに。
絶滅危惧種『スナヤツメ』を発見
釣り始めて一時間ほどが経ち、しばしの休憩時間。川に足を突っ込んでいる時間はここ最近で一番のストレス緩和でした。しばらく川を眺めていると、足元でニョロニョロと動く何かが……。
持参していた網目が細かい網ですくってみると、しばらくの間言葉を失いました。すくったモノの口元を見ると、気味が悪いエイリアンのような円形の口。そして、体の横にいくつかの穴が空いている……。初めて見たため一瞬目を疑いましたが、その正体は紛れもなく絶滅危惧種に指定されているスナヤツメ。「嘘だろ?」と思いましたが、間違いなくスナヤツメでした。
3億年以上前から姿を変えずに生き残ってきた「生きた化石」。この世に生まれて来てまさか出会える日が来るとは思いもしませんでした。自身が釣りをしていた場所は、昔はウナギが獲れたと聞いていたので最初はウナギだと思いました。しかし口元をみた瞬間、そこにあったのは魚の口ではなくエイリアンのような口。口元を撮ろうとしたのですが、体をくねらせ思うように撮らせてくれなかったためあえなく断念。写真では分かりにくいですが、写っているのは正真正銘のスナヤツメです。絶滅危惧種ということもあり名残惜しいですがすぐにリリース。
天然記念物に指定されてはいないものの、天然のスナヤツメを見るのは近年とても難しく、非常にレアであるとのこと。そんなスナヤツメと出会えたことは奇跡と言っても過言ではないでしょう。今思えば、こんな奇跡を足元ですくえたのは本当にビックリでした。人生何があるか分かりませんが、日々を過ごしている中で、意外と近くにチャンスや奇跡は転がっているのかもと、このスナヤツメは思わせてくれました。そしてその余韻に浸りながら釣りを再開。本当に最高の時間です……。
カワムツのオンパレード
カワムツやハヤは口が小さいため、フライを#28のパラシュートに変えることに。上に行くほどカワムツの魚影が濃くなり、果敢にフライにアタックしてきます。中にはこの大きさで?と思うほど小さいカワムツも釣れました。アゴ外れているのでは?と思うぐらいの小ささです。それでも、釣れて嬉しいことに変わりはありません。
さらに上へ行こうと川を歩いていたら、かなりの水量がある場所に来てしまうことに。2日前に雨が降ったこともあり、これ以上は行けないと判断。時間もちょうど夕飯前だったので、この日はそこで納竿する形になりました。
夜はタイイング
この日は父親の実家に泊まることに。目の前に川が流れている家に住んでいるのが羨ましく、願わくばよこせ!と言いたくなる気持ちです。久々の祖父たちとの会話に晩酌が進み(自分は飲んでいません)、その日の夜はとても楽しい時間となりました。祖父は自身にフライフィッシングを教えてくれた先生。いまだ現役で、今でも教わることばっかりです。
そんな祖父の部屋の一つを陣取り、その晩はずっと音楽を聴きながらフライタイイング。この時間も自分にとって心落ち着く時間の一つ。こんな毎日を過ごしたいと思うばかりです。いずれ必ずこんな日を過ごすために毎日模索の日々です。飽きもせず、ずっと続けられる釣りをいつまでも大事にしたいと心の底から思いながらカディスフライを巻き続けていました。
次の日も朝から釣りをしていたので、次回の記事で書こうと思います。最後までお読みいただきありがとございました。
<泉陽登/TSURINEWSライター>
名栗川(入間川)支流
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